写真で見るキーウ　戦争のある日常　ロシアのウクライナ侵攻から2年

ベッドで寝(ね)ていた深夜(しんや)1時(じ)、スマホが「ウーウー」と鳴(な)って、飛(と)び起(お)きました。キーウの防空(ぼうくう)システムは優秀(ゆうしゅう)で、ミサイルが飛(と)んできても、ほとんどを途中(とちゅう)で撃(う)ち落(お)とすことができるそうです。それでも念(ねん)のため避難(ひなん)することに。泊(と)まっていたのはホテルの10階(かい)にある部屋(へや)。地下(ちか)3階(かい)のシェルターまで、寝間着(ねまき)のままで、すぐに階段(かいだん)でおりました。
肩(かた)で息(いき)をしながら、いざシェルターにつくと、そこには自分(じぶん)1人(ひとり)だけ。ほかの宿泊者(しゅくはくしゃ)は誰(だれ)も避難(ひなん)しておらず、ホテルの従業(じゅうぎょう)員(いん)も避難(ひなん)してきた人(ひと)がいたことに驚(おどろ)いたようでした。従業(じゅうぎょう)員(いん)はさらに「なぜ階段(かいだん)を使(つか)ってきたのか」と不思議(ふしぎ)がりました。日本(にほん)では、地震(じしん)などの災害時(さいがいじ)、停電(ていでん)になることに備(そな)えてエレベーターは使(つか)わないのが「当(あ)たり前(まえ)」です。キーウでは、エレベーターも使(つか)うし、避難(ひなん)さえしないほど、空襲(くうしゅう)警報(けいほう)に慣(な)れてしまっているようでした。
自分(じぶん)だけがシェルターにいるためにホテルの従業(じゅうぎょう)員(いん)も休(やす)めないのは悪(わる)いと思(おも)い、1時間(じかん)もせずに部屋(へや)に戻(もど)りました。帰(かえ)りは10階(かい)まで、階段(かいだん)ではなくて「キーウ式(しき)」にエレベーターを使(つか)いました。

国際(こくさい)会議(かいぎ)の会場(かいじょう)は、地下(ちか)にある防空(ぼうくう)施設(しせつ)でした。国際(こくさい)会議(かいぎ)では、世界(せかい)中(ちゅう)からいろいろな分野(ぶんや)の専門家(せんもんか)が集(あつ)まって、ウクライナに限(かぎ)らず世界(せかい)の社会(しゃかい)問題(もんだい)や政治(せいじ)課題(かだい)の話(はな)しをしました。ウクライナのゼレンスキー大統領(だいとうりょう)も講演(こうえん)し、ロシアとの戦争(せんそう)について世界(せかい)各国(かっこく)からの支援(しえん)に感謝(かんしゃ)を述(の)べる場面(ばめん)も。

キーウのきれいな景色(けしき)。戦争(せんそう)が始(はじ)まってしばらくはロシアからのミサイル攻撃(こうげき)などにあいましたが、被害(ひがい)箇所(かしょ)はすでに修理(しゅうり)・整理(せいり)されていて、一見(いっけん)して戦争(せんそう)の跡(あと)はうかがえません。ウクライナ各地(かくち)では文化(ぶんか)遺産(いさん)が傷(きず)ついたケースも多(おお)いですが、世界(せかい)遺産(いさん)に登録(とうろく)されているキーウのペチェールシク大(だい)修道院(しゅうどういん)は無傷(むきず)です。