東大生が子どものころ勉強していた場所は「リビング」が48%/子どもが伸びる家庭の10の習慣【第9回】
「子どもが伸びる家庭の10の習慣」第9回目では「リビング学習」について考えます。
東大生の約半分は、子どものころリビングで勉強していた!?
さっそくですが、みなさんの家には子ども部屋がありますか?
東大生が子どものころ勉強していた場所として、もっとも多かったのがリビングで48%という結果が、以前テレビで放送されました。
『テレビ東京ザ・逆流リサーチャーズ』調べ
今ではすっかり「リビング学習」という言葉が定着していて、実際にそうしているご家庭も多いのではないでしょうか。
以前わたしも中学受験生の家庭を取材したことがありますが、大半の家庭で、子ども部屋があっても勉強はリビングでしていました。
リビング学習のメリット
ではなぜリビングで勉強すると勉強がはかどるのでしょうか?
一番の理由は、人の気配を感じることができるということ。それによって、親が自分を見てくれているという安心感と、いい意味での緊張感が生まれるからのようです。
以前、宿題をあとまわしにして遊びにでかけてしまう子どもに手をやいていた親が、
「どうしたらできる?」
と本人に聞いたら、
「お母さんがいっしょにいて見てくれていたらやる」
と言ったという話を聞いたことがあります。
小学生くらいの子どもにとっては、親がそばで見ていてくれると安心なのですね。
親にとっても、家事をしながら子どものようすを見守ることができて安心です。子どもがなにを勉強しているのか、それを理解できているのか、分からないところがないかなど、子どものようすを把握できれば、早めに対応もとれますね。
リビング学習成功のひけつ
このようにメリットがあるリビング学習ですが、デメリットも。
リビングは生活音が集まる場所ですし、家族がくつろぐスペースです。勉強している子どもの横で、親やきょうだいがテレビを大きな音で見たり、ゲームに熱中していたら気が散ってしまうでしょうから配慮は必要です。
できれば、お子さんが勉強している時には、親も近くで自分の用事をしたり本を読んだりするといいですね。
つきっきりで子どもの勉強を見るというのではなく、もっとゆるい感じで、同じ場所で気配を感じながら、その時間をいっしょに過ごし、それぞれが自分のことをやっている……そんなイメージです。
子どもを勉強好きにしたかったら、親もいっしょに楽しむ
もちろん、子ども部屋で勉強したほうが集中できるという人もいるでしょう。要は子どもが勉強しやすい環境を作ることです。さらに言えば、自分からやろうという気持ちになることが大切です。
ただ「勉強しなさい」と言うのではなく、どうしたらお子さんがやる気になるのかを考えましょう。
例えば、なにをいつどこでやるかを考えさせるのも良いですね。できるだけ、お子さんが自分で決められるようにサポートしてあげましょう。
なにより大切なのは、勉強嫌いにしないこと。そのためには、学ぶ楽しさを感じることです。お子さんの疑問は放っておかずに、いっしょに考えるなり調べる手助けなどして、できるだけ子ども自身が解決できるように対応してあげましょう。
そのときにすぐ使えるように、目に入るところに図鑑や地図などを置いておくのもいいですね。ぜひ親もいっしょに勉強を楽しめるような環境作りをしてください。
参考文献
『子どもの心のコーチング―一人で考え、一人でできる子の育て方 』(PHP文庫)
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