これからの教育はコンピュータなしでは成立しない!?/子どもが伸びる家庭の10の習慣【第11回】
前回の「子どもが伸びる家庭の10の習慣」第10回目では、スマホや携帯電話との付き合い方について書きましたが、
今回は、教育のなかで広がりつつあるタブレット型端末の活用についてご紹介します。
教室でも、タブレット型端末を使った授業が広がる
前回は、スマホや携帯電話との付き合い方について書きました。
今回は、教育のなかで広がりつつあるタブレット型端末の活用についてご紹介します。
2020年に大学入試改革が行われるということが発表されてから、小中高の学校現場では、「アクティブ・ラーニング」という言葉が注目されるようになってきました。「アクティブ・ラーニング」とは、2020年度から順次実施される予定の新学習指導要領でいう「対話的・主体的で深い学び」のことです。
わたしたち親世代にとっては、学校の授業といえば、先生が一方的に教えて、生徒はそれを黙って聞きながら黒板の板書をノートに写す。そして、ときどき先生の質問に答えるというのが、定番の風景だと思います。
しかしこれからは、生徒が自分たちで考え、ときにはグループで話し、発表するなど、授業のようすも変わっていくといわれています。そうした能動的な学びを後押しするのが、教育現場で広がりつつあるICT、特にタブレット型端末の活用です。
学校でのタブレット型端末の導入、2年で3.5倍。いずれ1人1台に。
文部科学省は、学校で1人1台のタブレット型端末の導入をめざしていて*1、すでに整備が進められています。
実際に、全国の公立学校に導入されているタブレット端末の台数は、平成28年3月1日時点で25万3755台※2。平成26年には7万2678台でしたので、2年で3.5倍に増加しています。
実際授業のなかでは、デジタル教材を使って学習したり、電子黒板でそれぞれの答えを共有しながらグループ学習をしたり、家に持ち帰って予習をしたりと、さまざまな場面で活用され始めています。
2020年度から小学校でプログラミング教育が必修に!
さらに文部科学省は、2020年度からの新学習指導要領で、小学校でのプログラミング教育を必修化させる方向だと発表しました。
人工知能の発達など、急速に変化するこれからの社会を生き抜くためには、プログラミング技術などを使って、情報を当たり前に活用できる能力は不可欠だということで、小学生のうちから情報教育を行なう。さらに大量のデータを分析し、そのデータを使って問題を解決することを目的とするデータサイエンスの世界で活躍できる人材を育てようというのがねらい(*3)です。
このように学校の授業でもITが活用されるようになれば、子どもたちは、当たり前のようにタブレット型端末やコンピュータを使いこなすようになるでしょう。全国で学校の宿題にタブレット型端末が使われるようになる日も、そう遠くないのではないでしょうか。
これまでにない速度で広がっていく教育のICT化。それが子どもたちに与える影響はわからないところはあります。しかし、これからの社会ではICTを使いこなす力は欠かせないので、情報の信ぴょう性をチェックすることの大切さを教え、使用頻度や時間などスマホやタブレット型端末との付き合い方のルールを決めるなど、より良い使い方を親子で考えて上手に取り入れていきたいですね。
- *1)
- 2011年 「教育の情報化ビジョン」(文部科学省)
- *2)
- 平成27年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査(文部科学省)
- *3)
- 「第4次産業革命に向けた人材育成総合イニシアチブ」 ~未来社会を創造するAI/IoT/ビッグデータ等を牽引する人材育成総合プログラム~ (文部科学省)
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