誰でも簡単にできて効果のある勉強法とは?/子どもが伸びる親力【第4回】
誰でも簡単にできて効果のある勉強法…。それこそ誰もが知りたい非常に重要なテーマですね。勉強法にはいろいろありますが、1つだけ挙げるとすれば教科書の音読です。
誰もが知りたいテーマ
ある日の講演で、最後に質疑応答の時間がありました。
いくつかの質問に答え終わったとき、司会者が「もう残り時間がありませんが、後一人だけ、手短にお願いします」と言いながらある男性を指名しました。
すると、その男性は「うちの子は6年生なのですが、勉強が嫌いでテストもできません。誰でも簡単にできて効果のある勉強法はありませんか?」と言いました。
それで私は次のように答えました。
誰でも簡単にできて効果のある勉強法…。
それこそ誰もが知りたい非常に重要なテーマですね。
時間がないときに限ってこういう質問が出るものです。(笑)
1つだけ挙げるなら教科書の音読
勉強法にはいろいろありますが、1つだけ挙げるとすれば教科書の音読です。
とにかく、教科書をひたすら音読してみてください。
できるだけたくさん、読んで読んで読みまくるのです。
そのうちだんだん覚えてきますので、できたら丸暗記するくらいまで読んでください。
そうすると、授業の内容も自然にわかるようになります。
学校のテストも解けるようになります。
小・中学校のテストは全て教科書をもとに作られています。
ですから、教科書はあらかじめテストの答えが書いてある虎の巻のようなものなのです。
この勉強法が一番効果を上げるのは社会と英語です。
次が国語と理科です。
算数・数学についてはこれだけでは難しい面もありますが、多少の効果はあります。
その男性は、「わかりました。ありがとうございます。ぜひやってみたいと思います」と言ってくれました。
社会のテストで高得点をゲット
さて、その講演の半年後くらいに、同じ地域でまた講演をする機会がありました。
その2回目の講演の始まる前に、私が控え室でお茶を飲んでいたら、スタッフのある女性が話しかけてくれました。
次のような内容です。
親野先生の前回の講演を聞いて、教科書の音読を子どもの勉強に取り入れようとしました。
でも、はじめは子どもが嫌がりました。
「宿題でもないのに、なんで余分な勉強をしなくちゃいけないの?」という感じでした。
そこで、国語の教科書の音読が宿題として出ていたので、「2日に1回は国語の代わりに社会の教科書を読もう」と提案しました。
国語の教科書の代わりに社会の教科書を読むわけで、勉強の量的には変わらないので、子どもは渋々ながらもやってくれました。
日替わりメニューで順番に読む
2週間ほど経ったときに、社会のテストがあって、なんと今までにない95点という高得点を取りました。
本当に、教科書に出ていることがテストに出るんですね。
それで、子どもも大いに気をよくして、社会だけでなく理科の教科書も読むことに同意してくれました。
今では、今日は国語、明日は社会、明後日は理科というように日替わりメニューで順番に読んでいます。
副次的な効果もいっぱい
私は、講演の前にこのような話が聞けて、とてもうれしかったです。
実は、私自身もこの音読勉強法をおこなってきました。
中学時代には特に英語の教科書を音読しまくりました。
教員採用試験の勉強をするときにも取り入れました。
この方法は、教科書の内容が身につくだけでなく、語彙が増える、いろいろな言い回しや表現方法が身につく、などの効果もあります。
また、声を出すのでストレスの発散にもなります。
声帯を鍛える効果もあるので発声練習にもなります。
はっきり読むことも意識してやれば滑舌もよくなります。
関連記事/子どもが伸びる親力
【第1回】親は「何、どこ、いつ、なんで、誰」の5Wで子どもを困らせる
【第2回】やりたいことが見つかってスイッチが入ると人は変わる
【第3回】あなたは、子どもたちにどんな人生を生きて欲しいですか?
【第5回】メタ認知力をつければ自分のストレスを子どもにぶつけなくなる
シリーズ「子どもが伸びる親力」第1回から第10回まとめ
シリーズ「子どもが伸びる親力」第11回から第20回まとめ
シリーズ「子どもが伸びる親力」第21回から第32回(最終回)まとめ