子ども向け国語辞典、どうやって選べばいいの?/シリーズ 専門家にきく! 実践! 国語辞典を楽しく使いこなそう 学研 子ども向け国語辞典編集室インタビュー【第2回】(全4回)
先の「シリーズ 専門家にきく! 国語辞典のひみつ 学研 子ども向け国語辞典編集室インタビュー(全4回)」では、子ども用の国語辞典は限りない工夫とハイテクのかたまりだとわかりました。そこで本シリーズでは実践編として、子ども用の国語辞典を家庭で楽しく使いこなすコツ、ICT社会で国語辞典が果たす役割などについて、ひきつづき株式会社学研プラス 小中学生事業部 辞典編集室の森川聡顕副室長と今井優子編集長にお話をうかがいます。今回は第2回め(全4回)をどうぞ。
第2回 子ども向け国語辞典、どうやって選べばいいの?
保護者世代が子どものころと異なり、今どきの国語辞典は種類が豊富です。それらの中から子どもに最適な1冊を選ぶためのコツをお聞きします。
―学研の子ども向け国語辞典にはどんなものがあるのですか?
今井:子ども向け国語辞典は、『学研 新レインボー小学国語辞典 改訂第5版(オールカラー)』がメインの商品です。装丁のちがい、大きさのちがいによって3種類のバージョンがありますが、中に書いてある内容は同じです。
森川:ほかに、四字熟語を集めた「四字熟語辞典」、ことわざを集めた「ことわざ辞典」などもあります。「まんが辞典シリーズ」は全部で11巻あります。まんがを使いながらも言葉の説明をしているから、これも辞典なんですよ。
―子どもにあった国語辞典を選ぶための具体的なポイントを教えてください。
今井:子どもといっしょに書店に行って、子どもが気に入ったものを買うのがいいと思います。表紙の絵が好きだという理由でもいいんです。「ミッキー&ミニー版」がかわいくて好き、それでこの辞典を“自分で”選んだということが大切なんです。
―保護者が「勉強に使うものだからキャラクターはだめ」と決めつけない方がいいのですね。
今井:そうなんです。国語辞典はが多くて身近なものに感じられないかもしれませんが、ミッキーやミニーが大好きな子なら、その辞典は宝物になりますし、使いたくなるはずです。この「アイテム感」は、意外と重要なポイントなんです。
―とはいえ、これから小学校1年生になる子どもが自分で選ぶのをじっと見ているのは保護者としては不安だと思います。保護者はどこまで助言をしていいのでしょうか。
森川:あらかじめ保護者がネットなどで調べて、候補になりそうなものを何冊か見つけておくのもひとつの方法ですね。書店へ行ったとき、その中から子どもが気に入ったものを選べばいいわけです。候補になかったものを子どもが選んだとしても、なぜ選んだのかを考えてみて、よほどの理由でなければ子どもの気持ちを優先してあげて欲しいと思います。
今井:複数の国語辞典で同じ言葉を引きくらべてみるといいですね。それぞれちょっとずつ表現がちがっていたりするので、どの説明がわかりやすいか、文字が見やすいか、手に持ってページをめくってみた感じはどうか、実際に子ども自身が手にとって体験してみて、気にいったもの、使いやすいものを選ぶのがいいと思います。
―どんな言葉を引いてみるように声をかけたらいいでしょうか。
今井:好きな食べ物、好きな動物など、子どもが興味を持っているものがいいですね。たくさん意味を持っている言葉を引いてみるのもおすすめです。「目」「口」「出る」「上がる」などがおもしろいですよ。
―大人用の辞典に買い替えるタイミングはいつでしょうか?
森川:自分の知りたい言葉がのっていない、説明がちょっともの足りない、と感じたときが、ひとつのタイミングです。
いま国語辞典を使う子どもは低年齢化しているんです。学校では、小学校3年生で国語辞典の使い方を習いますが、小学校1年生で国語辞典を買うことが多くなって、小学校の高学年ごろには小学生用の国語辞典ではもの足りなくなってくる子もいます。そうなると小学校5年生くらいから中学生向けの辞典を使っていく。中学生向けの国語辞典も低年齢化するわけです。早い子どもだと高校生になる前に大人向けの辞典を使いこなせるようになっていきますので、あまり小学生向け、中学生向けといったことにこだわらず、お子さんの使い勝手に合わせて選んでいただければと思います。
―子どもにとってアイテム感が大事というのは、目からウロコでした。次回の第3回めでは子どもが家庭で国語辞典を使うことを習慣化させていくための方法をお聞きします。
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