子どもの友だちづきあいにどうかかわる?/子どもが伸びる家庭の10の習慣【第8回】
みなさんはお子さんの友だちづきあいについて、どのくらい把握していますか? 「子どもが伸びる家庭の10の習慣」第8回目では、子どもの友だちづきあいにどうかかわるか考えてみましょう。
友だちが少ないみたいで心配!?
みなさんはお子さんの友だちづきあいについて、どのくらい把握していますか?
学校のできごとなどをよく話してくれるお子さんならある程度わかって安心ですが、「なにを聞いても要領を得なくて、ようすがよくわからないから不安」という声もけっこうよく聞きます。
以前「うちの子友だちが少ないみたいで心配です」というお母さんとお話をしたことがあります。
子どもに学校のようすを聞いてもよくわからないので、面談で先生に聞いてみたら「◯◯くんは休み時間にたいてい一人で絵を描いていますよ」と言われたそうです。子どもがさびしい思いをしているのではないかと気になって、毎日「今日はだれと遊んだの」と聞いては、一喜一憂しているということでした。
困っているのは子ども? それともわたし?
よく聞いてみると、このケースでは、お子さんは毎日楽しそうに学校に行っていて、休み時間に友だちと遊んでいなくても困ってはいないようなのです。
そこで、困っているのはだれ? と聞いてみました。
すると一瞬沈黙して、「・・・わたし?」
そう。結局、困っているのは親だったのですね。
ではなぜ、困ったのでしょうか。
それは、「休み時間に一人で過ごしている→友だちが少ないのでは→さびしい思いをしているに違いない」といった思考回路が働いたからです。
「でもほんとうにそうでしょうか?」
お母さんにそんな問いかけをしたところ、冷静に考えてみたら、その子は小さいころから一人遊びが得意だったことに気づきました。
だからその子にとっては、休み時間に一人で好きなことをしているのも、楽しい時間だったのです。そのことに気づいたお母さんは、しばらく見守ることにしました。
このようなケースの場合、みなさんだったらどうしますか?
子どもの問題と親の問題を区別する
大切なのは、子ども自身がどう感じているのかを知ることです。
そのためには、子どもの問題と親の問題を区別してとらえる癖をつけることです。
特に友だち関係は、その当事者にしかわからないことがあります。
ですから、気になることがあってもすぐに反応せず、いったん「これはだれの問題?」と自分に問いかけてみてくださいね。
子どものようすを観察しよう
そうはいっても、いじめのニュースなどを耳にすると、「うちの子は大丈夫かしら」と気になるかもしれません。
もちろん、お子さんの小さなサインを見逃さないことは大切です。そのためには、日ごろから子どものようすをよく観察することです。
友だちづきあいも、体験を通して学んでいく
親にとっては、子どもが友だちと元気に遊んでいるようすを見るのはうれしいものです。
“友だち100人できるかな♪”という歌詞の歌もあるくらいですから、このケースのように、休み時間に一人で絵を描いていると言われれば、友だちがいないのではと心配になる気持ちはよくわかります。
でも大人だって、たくさんの人と広く浅くつきあう人もいれば、気心の知れた人と深くつきあう人もいます。子どもだって同じです。
子育てをしていると、子どもの友だちづきあいで、困ったなと思うようなことが起こるかもしれません。しかしお子さんは、その体験を通して学んでいくのです。
ぜひ見守ってあげてください。その気持ちが伝わるときっとお子さんも安心しますよ。
参照:
『マンガ版 子どもが伸びる!コーチングブック』 (合同出版社)
菅原裕子監修 米澤佐知+畑さち子+中曽根陽子(著) ひらさわきょうこ(イラスト)
参考文献
『子どもの心のコーチング―一人で考え、一人でできる子の育て方 』(PHP文庫)
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