Case 6 カップルラブラブ写真/わが家のSNSトラブル ~ユカの事件簿~
大きな実害がなくてもネット上に残ると困るもの、それが「カップルラブラブ写真」。セイシュンのひとコマのはずが……
全世界に自慢したい「ラブラブ写真」
Case 3・4・5と、わたしとユカの経験から、SNSを使ううえで注意するポイントを書いてきました。
- 町内会の掲示板に出しても大丈夫な内容をSNSに書いているか
- だれも知らない(読まない)と思って書いていないか
- 相手の許可を得ない画像をSNSに載せていないか
ところが、この3つをクリアしているのに、周囲になんともいえない感情を巻きおこしてしまうものがあります。それが、「カップルラブラブ写真」です。
本人たちは、「町内会の掲示板」どころか世界の中心で叫んでみんなに知らせたい気持ちです。だれかに迷惑をかけることもなく、仲のいいふたりのことを自慢しているので、本人になにがダメか説明しようとしても「こちらが気恥ずかしいから」くらいしか言えません。
イケてるふたりのFacebook
娘のユカの中学時代の同級生は、高校で彼氏ができると最初はtwitter、やがてFacebookに彼氏とのツーショットプリクラをたくさんアップしていました。
ふたりで精一杯おしゃれして、キメキメの表情でとったプリクラには、必ず手書きで「超イケてるカップル」や「オシャレなふたり!」や「今日もラブラブ!」などと、大きく書かれています。
ふたりは大真面目で、なにも悪いことはしていません。でもなんというのか、まわりの子たちには「素敵」というより「おもしろ画像」なんですよね。
彼氏の方も同級生だったので、ユカたち元同級生はすっかり「イケてるカップル」ウォッチャーとなって、仲間うちで「イケてるカップルの秋の新作プリクラが更新されてたよ~」などと情報共有してもりあがっていました。
イケてるカップルがふたりの旅行写真も公開しはじめた、とユカから聞いたときには、わたしは他人事ながら「別れちゃったら、その画像をどうするんだろう?」と心配になりました。
「リベンジポルノ」に使われる写真のような、人生に深刻な影響をあたえる写真ではないのですが、どう考えても「あとで恥ずかしい」写真の山。それをFacebookで、実名で、仲間内に大量に発信してしまっているなんて……。
そしてイケてるカップル破局、その時画像は?
イケてるカップルがついに別れたと、あるときユカが教えてくれました。
ユカ経由でよく話を聞いていたので、わたしまで残念な気持ちになってしまいましたが、大量のラブラブ写真はどうなったでしょう?
女子は画像をそのままFacebookに残していて、男子はみんな削除してしまったそうです。自分の画像は削除できても、相手がSNSに残しているものは消すことができません。人間関係の変化によって、自分のコントロールがきかなくなってしまった「イケてるカップル」時代の写真を、今、彼はどんなふうに思っているのでしょう。
写真は、SNSとの相性がいいようです。そしてSNSでの写真トラブルは、意外に根が深いようにも思います。カップルラブラブ写真について、次回は別のエピソードをご紹介します。
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