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Case 21 スマホで卒論を書いちゃうの?/わが家のSNSトラブル ~ユカの事件簿~

Case 21 スマホで卒論を書いちゃうの?/わが家のSNSトラブル ~ユカの事件簿~

みなさんはスマホでどんなふうに日本語を入力していますか? ケータイ時代に慣れ親しんだ “あいうえお”と順に送っていく入力方法もいまは昔、スマホでの主流は「フリック入力」。スマホのタッチパネルに表示される3×4の12コのボタンで指をすべらせて行なう入力方法です。

子どもたちが最初に覚えるのはフリック入力

みなさんはスマホでどんなふうに日本語を入力していますか? ケータイ時代に慣れ親しんだ “あいうえお”と順に送っていく入力方法もいまは昔、スマホでの主流は「フリック入力」。スマホのタッチパネルに表示される3×4の12コのボタンで指をすべらせて行なう入力方法です。

いまの子どもは物心ついたころからフリック入力に親しんでいるため、学校でパソコンのキーボード入力を習っても使わないという話が近年聞かれます。

「フリック入力のほうが速いし慣れているから、時間のかかるキーボード入力はしたくない」

そんなふうに思う子どもは、かなり上の年ごろまで広がっています。娘のユカの大学の友だちも、フリック入力を使いたくて、わざわざスマホでレポートを書いていたりするのですから。

ユカ自身は早いうちにタイピングゲームでローマ字入力に親しんだので、

「フリック入力は、編集したくてもカーソルが思うように動かずイライラするし、文章が少ししか表示されないし、長文ならぜったいキーボード!」

と言いますが、卒論までスマホで書きたいと言う友だちもいるのです。

子どもは「フリック入力の方が速い」と言うけれど

たしかに子どもたちのフリック入力は、おどろくほど速いです。ただしキーボード入力のほうが遅いと感じるのは、単に慣れていないからでしょう。

でもそのままキーボード入力を覚えないで、さきほどの「スマホでレポートをつくる」友だちのように、キーボード入力が必要なパソコンを避けるようになると不便なことがいろいろ起こってくるのです。

単なるメールの文章やブログ、ちょっとしたレポートの作成ならスマホで十分でも、表やグラフを使うレポートや長い卒論を書く場合、スマホの画面で表示できるのはほんの一部分でしょう。スマホは大きく見わたすのには不向きです。

それに社会に出たら、結局パソコンを使うのです。会社で「わたしはキーボード入力ができないので、スマホで書類を提出します」では済まないでしょう。

慣れておきたいキーボード入力

ところで、近ごろはパソコンでもフリック入力できるものが出ています。これが普及したら、高速でフリック入力できる子どもたちは、もうキーボード入力を覚える理由がなくなるでしょうか?

わたしはまだあると思います。

フリック入力はコンパクトな画面に適した方法で、どうしても両手を合わせたちぢこまった姿勢になり疲れますから、長時間、長文の入力ならば、フリック入力よりキーボード入力が有利です。

また、フリック入力は、日本語の入力には大変便利ですが、英語向きには思えません。対して、キーボードのアルファベットの配置は、そのままローマ字入力にも英文の入力にも使えます。グローバル化の時代、ビジネス共通語としての英語を使う機会は減らないでしょうし、URLやコンピュータのプログラムなどがアルファベットで書かれることも考えれば、キーボードを使えるにこしたことはありません。

アルファベットはたったの27個です。必要なときに不慣れで困らないよう、便利で応用の利くローマ字入力は、早いうちにお子さんに身につけさせてあげてください。とはいえ、技術の進歩で、数年後にはぜんぜん違う入力方法が主流かもしれません。たとえば、音声入力はずいぶん精度が上がったので、話すだけでOKになっている可能性もあります。

でも音声入力が主流になったらますますキーボード入力が必要ですね。なにしろ英文を入れたいときに、ちゃんと変換されるような発音をする自信はわたしにはありませんから……。

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 マリ(まり)

 マリ(まり)

マリ(まり)

サラリーマンの夫・大学生の娘(ユカ)との3人暮らし。
大学の恩師の「あなたは一生文章を書きつづけなさい」という言葉を真に受けて、今も日々ものを書いている。
現在はIT系の会社で、セミナー関連の仕事に携わっている。
趣味は映画鑑賞。年に100本みることがひそかな目標。

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