翻訳家 ( ほんやくか ) は、ある言語 ( げんご ) で表 ( あらわ ) された文章 ( ぶんしょう ) を他 ( ほか ) の言語 ( げんご ) の文章 ( ぶんしょう ) に置 ( お ) きかえる仕事 ( しごと ) 。言葉 ( ことば ) の通 ( つう ) じない国 ( くに ) と国 ( くに ) 、文化 ( ぶんか ) と文化 ( ぶんか ) をつなぐ役割 ( やくわり ) を果 ( は ) たす。
こんな人 ( ひと ) にピッタリ!
外国 ( がいこく ) の言語 ( げんご ) 、文化 ( ぶんか ) に興味 ( きょうみ ) がある人 ( ひと ) 。文章 ( ぶんしょう ) を書 ( か ) くのが好 ( す ) きな人 ( ひと ) 。文芸 ( ぶんげい ) 、ドキュメンタリー、科学 ( かがく ) 論文 ( ろんぶん ) などあらゆる文章 ( ぶんしょう ) に関心 ( かんしん ) を持 ( も ) てる人 ( ひと ) 。
どんな仕事 ( しごと ) ?
翻訳 ( ほんやく ) のジャンルは「出版 ( しゅっぱん ) 」「実務 ( じつむ ) 」「映像 ( えいぞう ) 」の3つ
日本語 ( にほんご ) の翻訳家 ( ほんやくか ) は外国語 ( がいこくご ) の文章 ( ぶんしょう ) を日本語 ( にほんご ) に、または日本語 ( にほんご ) の文章 ( ぶんしょう ) を外国語 ( がいこくご ) に訳 ( やく ) して互 ( たが ) いの国 ( くに ) の人 ( ひと ) たちが理解 ( りかい ) できるようにするのが仕事 ( しごと ) だ。内容 ( ないよう ) によっていくつかのジャンルに分 ( わ ) けられる。たとえば、海外 ( かいがい ) の小説 ( しょうせつ ) やノンフィクション作品 ( さくひん ) などを翻訳 ( ほんやく ) する「出版 ( しゅっぱん ) 翻訳 ( ほんやく ) (文芸 ( ぶんげい ) 翻訳 ( ほんやく ) )」、企業 ( きぎょう ) や研究者 ( けんきゅうしゃ ) などが利用 ( りよう ) するための翻訳 ( ほんやく ) をする「実務 ( じつむ ) 翻訳 ( ほんやく ) 」、映画 ( えいが ) やドラマ、ドキュメンタリーなど映像 ( えいぞう ) の字幕 ( じまく ) や吹 ( ふ ) きかえのセリフなどを翻訳 ( ほんやく ) する「映像 ( えいぞう ) 翻訳 ( ほんやく ) 」などだ。いずれも専門的 ( せんもんてき ) な知識 ( ちしき ) と元 ( もと ) の文章 ( ぶんしょう ) が書 ( か ) かれた国 ( くに ) の文化 ( ぶんか ) や社会 ( しゃかい ) 背景 ( はいけい ) に関 ( かん ) する理解 ( りかい ) 、作者 ( さくしゃ ) の意図 ( いと ) を的確 ( てきかく ) に表現 ( ひょうげん ) できる日本語 ( にほんご ) 能力 ( のうりょく ) などが求 ( もと ) められる。
これがポイント!
大学 ( だいがく ) で外国語 ( がいこくご ) と文化 ( ぶんか ) や歴史 ( れきし ) を学 ( まな ) ぶ、専門 ( せんもん ) 学校 ( がっこう ) やスクールも
翻訳家 ( ほんやくか ) には高 ( たか ) い語学力 ( ごがくりょく ) が必要 ( ひつよう ) とされるため、まずは大学 ( だいがく ) 、短大 ( たんだい ) などで外国語 ( がいこくご ) を学 ( まな ) ぼう。大学 ( だいがく ) では語学 ( ごがく ) のほかにも海外 ( かいがい ) の歴史 ( れきし ) ・文化 ( ぶんか ) などを専門的 ( せんもんてき ) に学 ( まな ) ぶことができるので、翻訳 ( ほんやく ) を手 ( て ) がける際 ( さい ) に役立 ( やくだ ) つ。また、翻訳家 ( ほんやくか ) を育成 ( いくせい ) する専門 ( せんもん ) 学校 ( がっこう ) やスクールもあり、実践的 ( じっせんてき ) なスキルを学 ( まな ) ぶことができる。これら各種 ( かくしゅ ) の学校 ( がっこう ) を卒業 ( そつぎょう ) した後 ( あと ) 、翻訳家 ( ほんやくか ) として仕事 ( しごと ) をもらえるようになるには3つの道 ( みち ) がある。1つは、翻訳 ( ほんやく ) を専門 ( せんもん ) に請 ( う ) け負 ( お ) う会社 ( かいしゃ ) に就職 ( しゅうしょく ) すること。もう1つは一般 ( いっぱん ) の企業 ( きぎょう ) で翻訳 ( ほんやく ) 部 ( ぶ ) をもつ会社 ( かいしゃ ) に就職 ( しゅうしょく ) すること。ただし、これらの会社 ( かいしゃ ) は求人 ( きゅうじん ) 数 ( すう ) が少 ( すく ) なく、競争 ( きょうそう ) 率 ( りつ ) が高 ( たか ) い。そして、3つ目 ( め ) はフリーランスで仕事 ( しごと ) をもらうこと。実際 ( じっさい ) にはこのケースが圧倒的 ( あっとうてき ) に多 ( おお ) い。学校 ( がっこう ) 卒業 ( そつぎょう ) 後 ( ご ) 、翻訳者 ( ほんやくしゃ ) 派遣 ( はけん ) 会社 ( がいしゃ ) などに登録 ( とうろく ) したり、学校 ( がっこう ) 時代 ( じだい ) のコネクションを使 ( つか ) って仕事 ( しごと ) を紹介 ( しょうかい ) してもらったりして、実績 ( じっせき ) を積 ( つ ) み重 ( かさ ) ねていく。
英語 ( えいご ) 翻訳 ( ほんやく ) なら英検 ( えいけん ) 1級 ( きゅう ) 、TOEIC900点 ( てん ) 台 ( だい ) をめざそう!
翻訳家( ほんやくか ) に公的( こうてき ) 資格( しかく ) はないが、高( たか ) い語学力( ごがくりょく ) 、文章( ぶんしょう ) 作成( さくせい ) 能力( のうりょく ) を有( ゆう ) する目安( めやす ) として、たとえば英語( えいご ) 翻訳( ほんやく ) なら、英語( えいご ) 検定( けんてい ) は1級( きゅう ) (※1)、TOEICは900点( てん ) 台( だい ) (※2)を取得( しゅとく ) していることが求( もと ) められる。どちらも民間( みんかん ) の資格( しかく ) 試験( しけん ) だが、取得者( しゅとくしゃ ) に対( たい ) する信頼( しんらい ) 度( ど ) は高( たか ) い。両方( りょうほう ) とも受験( じゅけん ) 資格( しかく ) は問( と ) われないので、中学生( ちゅうがくせい ) や高校生( こうこうせい ) のころから初歩( しょほ ) クラスに挑戦( ちょうせん ) し、徐々( じょじょ ) に高( たか ) いクラスへレベルアップしていく人( ひと ) も多( おお ) い。これらの能力( のうりょく ) 証明( しょうめい ) がないと、実際( じっさい ) には仕事( しごと ) は回( まわ ) してもらえないと覚悟( かくご ) すべきだ。一般( いっぱん ) 社団( しゃだん ) 法人( ほうじん ) 日本( にほん ) 翻訳( ほんやく ) 連盟( れんめい ) が主催( しゅさい ) する「JTFほんやく検定( けんてい ) 」は、すでに仕事( しごと ) をしている人( ひと ) もこれから翻訳家( ほんやくか ) をめざす人( ひと ) も、共( とも ) に実力( じつりょく ) を試( ため ) せる認定( にんてい ) 試験( しけん ) として認知( にんち ) されている。
また、英語( えいご ) に限( かぎ ) らず、中国語( ちゅうごくご ) やフランス語( ご ) 、ドイツ語( ご ) などの翻訳( ほんやく ) スキルを認定( にんてい ) する民間( みんかん ) 資格( しかく ) としては、一般( いっぱん ) 社団( しゃだん ) 法人( ほうじん ) 日本( にほん ) 翻訳( ほんやく ) 協会( きょうかい ) が主催( しゅさい ) する「JTA公認( こうにん ) 翻訳( ほんやく ) 能力( のうりょく ) 検定( けんてい ) 試験( しけん ) 」が有名( ゆうめい ) だ。こちらも受験( じゅけん ) 資格( しかく ) は問( と ) われないので実力( じつりょく ) を証明( しょうめい ) するために受験( じゅけん ) したい。
※1「英検( えいけん ) 」は公益( こうえき ) 財団( ざいだん ) 法人( ほうじん ) 日本( にほん ) 英語( えいご ) 検定( けんてい ) 協会( きょうかい ) が実施( じっし ) する英語( えいご ) の語学( ごがく ) 検定( けんてい ) である「実用( じつよう ) 英語( えいご ) 技能( ぎのう ) 検定( けんてい ) 」のこと。筆記( ひっき ) やリスニング、英作文( えいさくぶん ) などでおこなわれ、1級( きゅう ) は全( ぜん ) 8段階( だんかい ) の最上級( さいじょうきゅう ) 。
※2「TOEIC」は、国際( こくさい ) コミュニケーション英語( えいご ) 能力( のうりょく ) テスト(Test of English for International Communication)のこと。英語( えいご ) によるコミュニケーション能力( のうりょく ) を評価( ひょうか ) する世界( せかい ) 共通( きょうつう ) のテストで、テストの種類( しゅるい ) は、リスニングやリーディング、スピーキングなどをまじえた5種類( しゅるい ) 。日本( にほん ) ではリーディングとリスニングの2種類( しゅるい ) の力( ちから ) を測( はか ) るものが一般的( いっぱんてき ) で、最高( さいこう ) スコアは990点( てん ) 。
将来 ( しょうらい ) はこうなる
機械 ( きかい ) 翻訳 ( ほんやく ) が進歩 ( しんぽ ) し、翻訳家 ( ほんやくか ) には専門性 ( せんもんせい ) が求 ( もと ) められる時代 ( じだい ) に
世界 ( せかい ) 中 ( ちゅう ) の言語 ( げんご ) が飛 ( と ) び交 ( か ) う現代 ( げんだい ) では、翻訳 ( ほんやく ) という仕事 ( しごと ) そのものはこれからますます必要 ( ひつよう ) となってくるだろう。しかし、AI翻訳 ( ほんやく ) の精度 ( せいど ) が驚異的 ( きょういてき ) に進歩 ( しんぽ ) し、簡単 ( かんたん ) な翻訳 ( ほんやく ) なら誰 ( だれ ) もが持 ( も ) つスマホのアプリでも可能 ( かのう ) になっている。翻訳家 ( ほんやくか ) に求 ( もと ) められるのは人間 ( にんげん ) でなければできない専門性 ( せんもんせい ) の高 ( たか ) い翻訳 ( ほんやく ) スキルになっていくため、自分 ( じぶん ) の得意 ( とくい ) 分野 ( ぶんや ) を絞 ( しぼ ) り、専門的 ( せんもんてき ) な知識 ( ちしき ) をより高 ( たか ) めていくことが重要 ( じゅうよう ) だ。
データボックス
収入 ( しゅうにゅう ) は?
平均 ( へいきん ) 年収 ( ねんしゅう ) は約 ( やく ) 524~781万 ( まん ) 円 ( えん ) 。翻訳 ( ほんやく ) 会社 ( がいしゃ ) に就職 ( しゅうしょく ) した場合 ( ばあい ) は月給 ( げっきゅう ) 制 ( せい ) 。個人 ( こじん ) で仕事 ( しごと ) をする場合 ( ばあい ) は、翻訳 ( ほんやく ) する内容 ( ないよう ) やボリュームによって値段 ( ねだん ) が違 ( ちが ) ってくる。一般 ( いっぱん ) 社団 ( しゃだん ) 法人 ( ほうじん ) 日本 ( にほん ) 翻訳 ( ほんやく ) 連盟 ( れんめい ) では、英語 ( えいご ) から日本語 ( にほんご ) への翻訳 ( ほんやく ) 料 ( りょう ) として、たとえば金融 ( きんゆう ) 関連書 ( かんれんしょ ) の翻訳 ( ほんやく ) なら原文 ( げんぶん ) の英語 ( えいご ) 1ワード(単語 ( たんご ) )あたり30円 ( えん ) 、医学書 ( いがくしょ ) なら35円 ( えん ) の目安 ( めやす ) を提案 ( ていあん ) している。
休暇 ( きゅうか ) は?
翻訳 ( ほんやく ) 会社 ( がいしゃ ) に就職 ( しゅうしょく ) するなら、その会社 ( かいしゃ ) の規定 ( きてい ) に従 ( したが ) う。週休 ( しゅうきゅう ) 2日 ( ふつか ) が基本 ( きほん ) 。フリーランスの場合 ( ばあい ) は自分 ( じぶん ) で時間 ( じかん ) のペース配分 ( はいぶん ) をしながら休 ( やす ) みを取 ( と ) る。
職場 ( しょくば ) は?
翻訳 ( ほんやく ) 会社 ( がいしゃ ) 。フリーランスなら、主 ( おも ) に自宅 ( じたく ) 。
なるためチャート
翻訳家 ( ほんやくか ) の仕事 ( しごと ) につくための主 ( おも ) なルートが一目 ( ひとめ ) で分 ( わ ) かるチャートだよ!
役立 ( やくだ ) つ資格 ( しかく )
翻訳家 ( ほんやくか ) の仕事 ( しごと ) につくために役立 ( やくだ ) つ資格 ( しかく ) を紹介 ( しょうかい ) しているよ。
TOEFL(R)
TOEIC(R)
実用 ( じつよう ) 英語 ( えいご ) 技能 ( ぎのう ) 検定 ( けんてい ) (英検 ( えいけん ) (R))