プレス（ＰＲ、広報担当者）

人(ひと)と接(せっ)することが好(す)きな人(ひと)。流行(りゅうこう)に敏感(びんかん)な人(ひと)。人(ひと)を喜(よろこ)ばせることが好(す)きな人(ひと)。

プレス（ＰＲ）は、フランス語(ご)で「広報(こうほう)担当者(たんとうしゃ)」を意味(いみ)する「アタッシェ・ドゥ・プレス（Attachée de presse）」を略(りゃく)した呼(よ)び方(かた)。ファッションブランドなどの広報(こうほう)担当者(たんとうしゃ)であるプレスは、商品(しょうひん)や企業(きぎょう)イメージを広(ひろ)く伝(つた)えるために、ブランドと新聞(しんぶん)・雑誌(ざっし)・テレビなどのメディアをつなぐパイプ役(やく)だ。社員(しゃいん)が自社(じしゃ)ブランドのプレスをすることもあれば、ＰＲ会社(がいしゃ)やフリーランスが担当(たんとう)することもある。プレスの仕事(しごと)は、商品(しょうひん)のＰＲ活動(かつどう)に関(かか)わるすべて。メディアに出演(しゅつえん)するタレントやモデルの衣装(いしょう)を選(えら)ぶスタイリストから協力(きょうりょく)を頼(たの)まれると、番組(ばんぐみ)や写真(しゃしん)のテーマに合(あ)った服(ふく)を考(かんが)えて、その貸(か)し出(だ)しや返却(へんきゃく)に立(た)ち合(あ)う。広告(こうこく)の制作(せいさく)やその進行(しんこう)管理(かんり)。雑誌(ざっし)に掲載(けいさい)された商品(しょうひん)の記事(きじ)のチェック。展示会(てんじかい)やファッションショーなどのイベントでは、マスコミ向(む)けの案内(あんない)状(じょう)やチケットの郵送(ゆうそう)、そこで配(くば)る資料(しりょう)の作成(さくせい)、取材(しゅざい)の対応(たいおう)も行(おこな)う。また、ウェブサイトの運営(うんえい)やPR誌(し)の作成(さくせい)もプレスの役目(やくめ)だ。テレビや雑誌(ざっし)、イベントなどであこがれの芸能人(げいのうじん)が身(み)に着(つ)けた服(ふく)は、消費者(しょうひしゃ)に注目(ちゅうもく)され、買(か)いたい気持(きも)ちにつながる。そのためプレスには、様々(さまざま)なメディアに対(たい)してインパクトのある広報(こうほう)活動(かつどう)を行(おこな)うことが求(もと)められているのだ。プレスのなかには、自身(じしん)がブランドの顔(かお)となり、ファッション誌(し)などに取(と)り上(あ)げられる人気者(にんきもの)もいる。マスコミとブランドをつなぐプレスは、あらゆる仕事(しごと)にマメな対応(たいおう)ができ、的確(てきかく)な情報(じょうほう)を集(あつ)める力(ちから)や幅広(はばひろ)い人脈(じんみゃく)、経験(けいけん)や知恵(ちえ)、人間性(にんげんせい)などが問(と)われる仕事(しごと)と言(い)えるだろう。

プレスになるための特別(とくべつ)な資格(しかく)はない。プレスを目指(めざ)すなら、大学(だいがく)・短大(たんだい)でマーケティングやマスコミの勉強(べんきょう)や研究(けんきゅう)をしたり、服飾(ふくしょく)の専門(せんもん)学校(がっこう)でファッションビジネスやデザイン、コーディネートなどの知識(ちしき)を身(み)につけたりしておくといいだろう。しかし、未(み)経験者(けいけんしゃ)には難(むずか)しい仕事(しごと)であるプレスを募集(ぼしゅう)しているところは少(すく)ない。そこで、プレスの仕事(しごと)をしたいメーカーやブランドが決(き)まっているのなら、まずはその会社(かいしゃ)へプレス以外(いがい)の仕事(しごと)で入社(にゅうしゃ)するという方法(ほうほう)が考(かんが)えられる。プレスを担当(たんとう)したいという希望(きぼう)を伝(つた)え、販売(はんばい)や営業(えいぎょう)の仕事(しごと)を経験(けいけん)しながらプレスに必要(ひつよう)な能力(のうりょく)を身(み)につけていく。才能(さいのう)やセンスを認(みと)められれば、プレスを任(まか)されるだろう。もう一(ひと)つの方法(ほうほう)は、広報(こうほう)の専門(せんもん)学校(がっこう)やプレスの養成(ようせい)学校(がっこう)などで専門(せんもん)スキルを学(まな)び、広告(こうこく)・ＰＲ会社(がいしゃ)に入社(にゅうしゃ)すること。そこで経験(けいけん)を積(つ)みながら人脈(じんみゃく)を広(ひろ)げ、ファッションブランドのプレスを担当(たんとう)するという方法(ほうほう)も考(かんが)えられるだろう。実(じつ)力(りょく)があれば独立(どくりつ)し、フリーランスとして活躍(かつやく)することも夢(ゆめ)ではない。

プレスとして広報(こうほう)・ＰＲの仕事(しごと)をする上(うえ)で役(やく)に立(た)つ資格(しかく)として「ＰＲプランナー資格(しかく)認定(にんてい)制度(せいど)」がある。これは「日本(にほん)パブリックリレーションズ協会(きょうかい)」が主催(しゅさい)している検定(けんてい)試験(しけん)。広報(こうほう)・ＰＲの仕事(しごと)に必要(ひつよう)な知識(ちしき)や技術(ぎじゅつ)、高(たか)い職業(しょくぎょう)意識(いしき)を備(そな)えている証(あかし)となる民間(みんかん)資格(しかく)だ。自身(じしん)の知識(ちしき)と技術(ぎじゅつ)を高(たか)めるとともに、仕事(しごと)相手(あいて)の信頼(しんらい)度(ど)が高(たか)まることにもつながる。また、現在(げんざい)では広報(こうほう)活動(かつどう)にウェブサイトは欠(か)かせない。ウェブサイトを効果的(こうかてき)に活用(かつよう)するには、どういう人(ひと)がウェブサイトにアクセスしたかなどのデータを調(しら)べるウェブ解析(かいせき)が大切(たいせつ)。「ウェブ解析(かいせき)士(し)協会(きょうかい)」が認定(にんてい)する「ウェブ解析(かいせき)士(し)」の資格(しかく)も、広報(こうほう)・ＰＲの仕事(しごと)にいかすことができるだろう。

ファッション業界(ぎょうかい)は、国境(こっきょう)を越(こ)えて世界(せかい)規模(きぼ)で取(と)り引(ひ)きが拡大(かくだい)するグローバル化(か)が進(すす)んでいる。日本(にほん)のブランドが海外(かいがい)で人気(にんき)になることもめずらしくない。取材(しゅざい)に訪(おとず)れた海外(かいがい)メディアに対応(たいおう)するのもプレスの仕事(しごと)。海外(かいがい)進出(しんしゅつ)するブランドの場合(ばあい)は、現地(げんち)メディアへの売(う)りこみも大切(たいせつ)だ。そのため、プレスに語学力(ごがくりょく)を求(もと)めているファッションブランドもある。様々(さまざま)な人(ひと)とのコミュニケーションが必要(ひつよう)なプレスにとって、英語(えいご)やフランス語(ご)などの語学(ごがく)力(りょく)があると、活躍(かつやく)するチャンスはぐっと広(ひろ)がるだろう。

平均(へいきん)年収(ねんしゅう)は500～670万(まん)円(えん)。会社(かいしゃ)によっては、年収(ねんしゅう)1000万(まん)円(えん)以上(いじょう)も望(のぞ)める。

週休(しゅうきゅう)二日制(ふつかせい)、もしくは月(つき)に8～9日(にち)くらい。仕事(しごと)内容(ないよう)が幅広(はばひろ)いため、担当(たんとう)する仕事(しごと)によっては、休(やす)むひまがないほどいそがしいこともある。

ファッションメーカー、広報(こうほう)・ＰＲ会社(がいしゃ)など。

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