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台風はどこで、どのようにできるの?

台風はどこで、どのようにできるの?

こたえ:熱帯(ねったい)海上(かいじょう)から水蒸気(すいじょうき)がのぼって(くも)ができ、(おお)きく発達(はったつ)します。

台風(たいふう)とは、熱帯(ねったい)海上(かいじょう)発生(はっせい)する「熱帯(ねったい)低気圧(ていきあつ)」のうち、北西(ほくせい)太平洋(たいへいよう)赤道(せきどう)より(きた)東経(とうけい)180°より西(にし)区域(くいき))または(みなみ)シナ(かい)にあるもの。その(なか)でも、10分間(ぷんかん)平均(へいきん)最大風速(さいだいふうそく)秒速(びょうそく)17.2m以上(いじょう)のものを()します1)

なぜ、熱帯(ねったい)海上(かいじょう)台風(たいふう)()まれるのでしょうか。それは、1(ねん)(とお)して太陽(たいよう)()りつけ、その(ねつ)によって海水(かいすい)蒸発(じょうはつ)して、たくさんの水蒸気(すいじょうき)がつくられるからです。台風(たいふう)のエネルギーは水蒸気(すいじょうき)です。

台風(たいふう)のエネルギーは水蒸気(すいじょうき)。つまり熱帯(ねったい)海上(かいじょう)は、台風(たいふう)がエネルギーを()えず()()れる場所(ばしょ)なのです。もう(すこ)しくわしく、台風(たいふう)ができる様子(ようす)()ってみましょう※1

海水(かいすい)(あたた)められてできた水蒸気(すいじょうき)(まわ)りの空気(くうき)より(かる)い(密度(みつど)(ちい)さい)ため、上空(じょうくう)へのぼっていきます。この空気(くうき)(なが)れを「上昇気流(じょうしょうきりゅう)」といいます。上昇気流(じょうしょうきりゅう)()って(たか)くのぼっていった水蒸気(すいじょうき)は、こんどは上空(じょうくう)(つめ)たい空気(くうき)()やされて(すい)てきになり、(くも)ができます(関連(かんれん)記事(きじ)(くも)(なに)からどのようにできるの?」)。そこに(まわ)りからしめった空気(くうき)(なが)れこみ、積乱雲(せきらんうん)へと成長(せいちょう)していきます(関連(かんれん)記事(きじ)入道雲(にゅうどうぐも)はどうしてできるの?」)。

(おお)きくなる過程(かてい)で、(くも)はたくさんの(ねつ)大気(たいき)(ちゅう)放出(ほうしゅつ)します。その(ねつ)(まわ)りの空気(くうき)(あたた)めると、空気(くうき)膨張(ぼうちょう)してさらに(かる)く(密度(みつど)(ちい)さく)なり、気圧(きあつ)()がって低気圧(ていきあつ)をつくります。空気(くうき)気圧(きあつ)(たか)場所(ばしょ)から(ひく)場所(ばしょ)(なが)れる性質(せいしつ)があるので、低気圧(ていきあつ)中心(ちゅうしん)()かって左回(ひだりまわ)り((はん)時計回(とけいまわ)り)にうずをまきながら、(まわ)りからしめった空気(くうき)がどんどん(なが)れこんできます※2。すると、上昇気流(じょうしょうきりゅう)のいきおいが(つよ)まって積乱雲(せきらんうん)発達(はったつ)中心(ちゅうしん)気圧(きあつ)()がっていくと同時(どうじ)に、うずの回転(かいてん)(はや)くなり、やがて台風(たいふう)ができあがるのです。

衛星(えいせい)写真(しゃしん)などで台風(たいふう)(うえ)から()ると、台風(たいふう)のうずの中心(ちゅうしん)(くも)のない部分(ぶぶん)があるのがわかりますね。これを、台風(たいふう)の“()”といいます。台風(たいふう)()(かぜ)(よわ)く、地上(ちじょう)から青空(あおぞら)()えることもあります。その一方(いっぽう)で、()(かこ)む「アイウォール」とよばれる部分(ぶぶん)()(たか)積乱雲(せきらんうん)でできていて、その(した)では暴風雨(ぼうふうう)発生(はっせい)しています。台風(たいふう)()直径(ちょっけい)は20~200kmほど。台風(たいふう)()(ちい)さく、はっきりしているほど、台風(たいふう)のいきおいが(つよ)いとされています。

台風(たいふう)(おな)じように熱帯(ねったい)低気圧(ていきあつ)発達(はったつ)したものに「サイクロン」「ハリケーン」「タイフーン」があります。(おお)きなちがいは、発生(はっせい)した場所(ばしょ)(つよ)さです。

まず、サイクロンは、ベンガル(わん)やアラビア(かい)などの(きた)インド(よう)発生(はっせい)した熱帯(ねったい)低気圧(ていきあつ)のうち、最大風速(さいだいふうそく)秒速(びょうそく)17m以上(いじょう)のもの。(ひろ)低気圧(ていきあつ)()言葉(ことば)として使(つか)われることもあります。ハリケーンは、(きた)大西洋(たいせいよう)やカリブ(かい)、メキシコ(わん)西経(せいけい)180°より(ひがし)北東(ほくとう)太平洋(たいへいよう)()まれた熱帯(ねったい)低気圧(ていきあつ)のうち、1分間(ぷんかん)平均(へいきん)最大風速(さいだいふうそく)秒速(びょうそく)33m以上(いじょう)のものです。

タイフーンは台風(たいふう)()名前(なまえ)ですが、国際的(こくさいてき)()()めで、最大風速(さいだいふうそく)秒速(びょうそく)33m以上(いじょう)のものが「タイフーン」とされています3)一方(いっぽう)台風(たいふう)日本(にほん)独自(どくじ)基準(きじゅん)()まっているもの。国際的(こくさいてき)基準(きじゅん)では、台風(たいふう)は「トロピカル・ストーム」(熱帯(ねったい)暴風雨(ぼうふうう))などとよばれます。

※1 台風(たいふう)ができる過程(かてい)は、特許庁(とっきょちょう)のキッズページ『ジュニアイノベーションフェス –まわる (てん)』の「自然(しぜん)回転(かいてん)」から、動画(どうが)()られます。

※2 北半球(きたはんきゅう)では、地球(ちきゅう)自転(じてん)影響(えいきょう)左回(ひだりまわ)り((はん)時計回(とけいまわ)り)のうずができます。

記事(きじ)公開(こうかい):2022(ねん)3(がつ)

参考(さんこう)資料(しりょう)

1)気象庁(きしょうちょう)台風(たいふう)について」:https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-1.html

2)日本(にほん)気象(きしょう)協会(きょうかい)『tenki.jp』「台風(たいふう)のしくみ」:https://tenki.jp/bousai/knowledge/5accc20.html

3)日本(にほん)気象(きしょう)協会(きょうかい)『tenki.jp』「台風(たいふう)とは」:https://tenki.jp/docs/note/typhoon/page-1.html

監修者(かんしゅうしゃ)大山(おおやま)光晴(みつはる)

1957(ねん)東京都(とうきょうと)()まれ。東京(とうきょう)工業(こうぎょう)大学(だいがく)大学院(だいがくいん)修士(しゅうし)課程(かてい)修了(しゅうりょう)高等(こうとう)学校(がっこう)物理(ぶつり)教諭(きょうゆ)千葉県(ちばけん)教育(きょういく)委員会(いいんかい)指導(しどう)主事(しゅじ)千葉(ちば)県立(けんりつ)長生(ちょうせい)高等(こうとう)学校(がっこう)校長(こうちょう)(など)()て、現在(げんざい)秀明大学(しゅうめいだいがく)学校(がっこう)教師(きょうし)学部(がくぶ)教授(きょうじゅ)として「理数(りすう)探究(たんきゅう)」や「総合的(そうごうてき)学習(がくしゅう)時間(じかん)」の指導(しどう)方法(ほうほう)について講義(こうぎ)演習(えんしゅう)担当(たんとう)している。科学(かがく)実験(じっけん)教室(きょうしつ)やテレビの実験(じっけん)番組等(ばんぐみなど)への出演(しゅつえん)多数(たすう)千葉市(ちばし)科学館(かがくかん)プロジェクト・アドバイザー、日本(にほん)物理(ぶつり)教育(きょういく)学会(がっかい)常務(じょうむ)理事(りじ)日本(にほん)科学(かがく)教育(きょういく)学会(がっかい)(およ)日本(にほん)理科(りか)教育(きょういく)学会(がっかい)会員(かいいん)月刊(げっかん)理科(りか)教育(きょういく)編集(へんしゅう)委員(いいん)(など)(つと)める。

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