こたえ:電気によって空気がふるえて、大きな音が鳴ります。
雷雲の中では、氷晶が空気と一緒に上へ下へと激しく動いているので、あちこちでぶつかり合って静電気が発生し、たくさんの電気がたまります。ふつう、わたしたちの周りの空気は電気を通さないのですが、このように大きな電気がたまると、空気中を電流が流れることがあります。それが雷です(関連記事「雷はどうしてできるの」)。
ふつうは電気が流れない空気中をむりやりに電気が通ると、通り道になった空気は急に熱くなって爆発するように激しく膨張します。そのしょうげきが周りの空気に伝わって激しく振動させ、「ゴロゴロ」「バリバリ」「ドーン」といった音が鳴るのです。
ところで、雷がぴかっと光ってからすぐにゴロゴロと聞こえたとき、だれかが「近くに落ちたな」と言うのを聞いたことはありませんか? たしかに、光ってすぐに鳴った音は大きいのに、何秒かたってから鳴った音はやや小さく、遠くで聞こえる気がします。
これは、光が空気中を進む速さが、音の速さに比べてかなり速いためです。光の速度は1秒当たり30万kmで、音の速度は1秒当たり340m。光ってから音が聞こえるまでの秒数に340をかければ、雷が落ちた場所まで何mくらいかを計算できます。
記事公開:2022年3月
監修者:大山光晴
1957年東京都生まれ。東京工業大学大学院修士課程修了。高等学校の物理教諭、千葉県教育委員会指導主事、千葉県立長生高等学校校長等を経て、現在、秀明大学学校教師学部教授として「理数探究」や「総合的な学習の時間」の指導方法について講義・演習を担当している。科学実験教室やテレビの実験番組等への出演も多数。千葉市科学館プロジェクト・アドバイザー、日本物理教育学会常務理事、日本科学教育学会及び日本理科教育学会会員、月刊『理科の教育』編集委員等も務める。