「地球防衛隊SDGs」第44話解説編「若者の投票率も課題に…選挙は何のためにある?」
ちょっとむずかしそうだけど、
不平等がテーマのまんが第44話はコチラ!
「公正 な社会 」を実現 するために、法律 や政治 参加 のしくみがある!
ねえ、スモール。
やっぱり学級委員長を決めるために、選挙をしてよかったよ!
もし選挙のしくみがなくなったら、一部の人にだけ都合のいい学級運営になってしまうかもしれないもんね。クラス内で対立が起きたときに、一部の強い人たちが、弱い人たちを黙らせるとか…。
そう。選挙のしくみは、公正な社会を実現するために必要なことの一つだね!
その「公正な社会」って、どういうことなんだろう。
公正とは、「すべてにおいて偏りなく、正しく扱うこと」ということなんだけど…言葉の意味だけじゃ、よくわからないよね。
じゃあ、想像してみよう。たとえば、お腹が空いている人たちに食べ物を配るとするよ。そこには、子どもから大人、ご老人まで、いろんな年齢、体格の人が集まっている。お腹の空き具合も人それぞれで、すごくお腹が空いていて倒れそうな人もいるし、「ちょっとお腹が空いたかも…」くらいの人も。
それぞれちがう条件・状況ってことだね。
空なら、どんなふうに食べ物を配ればいいと思う? 全員にパンを一つずつ配るとか?
空なら、お腹が空いて倒れそうな人から優先して食べ物を配るかも。それに、体の小さな子どもと、体の大きな大人では、必要な食べ物の量もちがうよね。だから、全員が気持ちよく過ごせるために、必要としている人のほうを優先して、食べ物を配るのはどうかな。あ、でも、まずはこの方法をみんなに納得してもらえるかどうか、多数決で意見を聞いてみないと…。
すばらしい! そうやって、適正な方法を用いて、それぞれにおいて差がなく、同じような結果になるようにすることが「公正な社会」を実現するための第一歩なんだ!
だから空たちの暮らす社会では、公正なルールとして法律を定めたり、公正な政治を実現するために選挙を行ったりしているんだよ。
選挙は、一人ひとりが政治に参加するチャンスなんだね!
そのとおり。だけど日本では、若者の投票率が問題になっている。2016年から選挙権年齢は18歳に引き下げられたんだけど、令和3年10月に行われた第49回衆議院議員総選挙では、10歳代の投票率は43.21%、20 歳代は36.50%という結果になったよ。全年代を通じた投票率が55.93%だから、それに比べると低いよね。
※出典:総務省 国政選挙における年代別投票率について
でも、その日本全体の投票率も世界で見ると、ずいぶん低いんだよね?
そう、世界の「議会選挙投票率」で日本は世界で139位という結果だったよ。
※出所:民主主義・選挙支援国際研究所(The International Institute for
Democracy and Electoral Assistance)2020 年
みんながもっと政治や社会のことに関心を持ったら、選挙に行こうって思えるような気がする。だって、選挙に行かないって、すごくもったいないことじゃない? もし今、公正な政治ができていないと思ったら、国民が意思表示できるチャンスだもん! 空も18歳になったら、選挙に行くぞー!
空、いい気づきをしたね。世界には、公正な法律や、公正な政治参加のしくみがない国もたくさんある。そんな国ではどんなことが起きてしまうかというと…、次回また考えてみよう!
構成・文/塚田智恵美
イラスト/奈良裕己