わが家のSNSトラブル ~ユカの事件簿~

Case 19 実名アカウント・複数アカウント(2)

「表玄関」を作り、リアルの交友関係とネットを上手に分けたユカ。でも悩みは尽きません。


裏アカウントバレと余計なお世話

前回は娘のユカのSNSでのアカウントの使い分けを紹介しましたが、「表玄関」になる実名のかぎアカ(承認した人以外には非公開)と匿名の公開アカウントに分けても、みんながみんな、思惑どおりに表玄関に来てくれるわけではありません。

見つけやすい「表玄関」ではなく、趣味のアカウントを「あまり見てほしくない」知り合いが見つけることがあります。

趣味アカウントでもつながっているリアルの友だち伝いで来ることが多いようですが、SNSのシステムで「知り合いではありませんか」と紹介される場合もあります。

ユカは自分に表示された紹介を見てボヤきます。

「この相手にも同じことが出てるのかなあ。知らせてほしくないんだけどなあ」

SNSは本来交流を広げるものとはいえ、裏アカウントには余計なお世話のようです。

ネットで全世界に公開しているものに見られたくないも何もないのですが、裏で友だちの悪口を書くような極端なことでなくても、たとえば、ユカのアイドルファンアカウントがアイドル嫌いの友人にフォローされて茶々を入れられると、同好の士ならではのアイドルトークに水を差されてしまいます。

また、相手が不用意にユカの名前や学校名を出して、そのアカウントでは明かしていない個人情報がもれてしまう心配もあります。

「表玄関」のあるユカは、「ここは趣味のことばっかりなので、実名アカウントをフォローしてね」と相手に頼んで解決していますが、その後も相手が自由に見ていると思うときゅうくつに感じて、結局かぎアカにしてしまったり、さらに別アカウントを作って元のアカウントを使わなくなることもあるようです。

「キャラ」の落とし穴

SNSでは、人の多様性のうちのある面を強調して「キャラ」化したほうがコミュニケーションを取りやすいようです。

複数のアカウントでそれぞれの「キャラ」を楽しむのはいいのですが、個性の切り売りもほどほどにしないとトラブルも起こってきます。

たとえばこんなことが起こってしまうことも。

  • SNSの「キャラ」がエスカレートして、その場のノリに合わせ、本来の自分と違う発言をしてしまう
  • SNSで同じ意見の人間ばかり集まってきて(相手も「キャラ」になっている)、世間もそうだと思いこんでしまう
  • SNSを見た人によって、SNSキャラを実生活でも振られたり、キャラに沿った過激な発言を自分の本音と思われてしまう

子どもは自分の「キャラ」化に無自覚な場合もあり、実名アカウント同様、複数アカウントを使うのもある程度の分別がついてからのほうがよいでしょう。

なお、複数アカウントはサービスの仕様変更で使えなくなることもありえます。現にwitterは2015年、迷惑行為を目的とした複数アカウントの運用を禁止しています。

今後一般的な利用に制限が入ることもないとはいいきれません。

裏アカウントがバレるのは、どっち? 

さて、最近小学生の間で、親の名前で検索をかけて出た画像を見せ合う遊びがはやっているというネットニュースを見ました。

以前「ユカの事件簿」では、子どもたちがネットに公開する黒歴史的なイタい画像について書きましたが、子どもが黒歴史を残す心配の前に、まず自分の黒歴史を心配しないといけなかったようです。

同じことが、複数アカウントや匿名アカウントでも起こるかもしれません。

子どもの裏アカウントをチェックする側のつもりの親や教師ですが、気づいたら自分の裏アカウントがバレているかもしれません。

わたしたちの「キャラ」は子どもの目に触れても大丈夫でしょうか? いまいちど、振り返ってみてください。大人の知恵で上手に隠したつもりでも、スマホをおもちゃに育つ子どもと大人、どちらがスゴ腕の裏アカウント探偵かといえば、大人の優位はあやしいものです

やれやれ。大変な時代になってしまいました……。

Case 18 実名アカウント・複数アカウント(1)

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マリ(まり)
サラリーマンの夫・大学生の娘(ユカ)との3人暮らし。
大学の恩師の「あなたは一生文章を書きつづけなさい」という言葉を真に受けて、今も日々ものを書いている。
現在はIT系の会社で、セミナー関連の仕事に携わっている。
趣味は映画鑑賞。年に100本みることがひそかな目標。