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先生を過度に嫌う小6の娘/教えて! 陰山先生【第32回】

先生を過度に嫌う小6の娘/教えて! 陰山先生【第32回】

小6の娘が、担任の先生を嫌っていて困っています。娘がいちばん目立つ行動をとっているようで、同じクラスの男子のママから「先生、困っているみたいよ」と言われてしまいました。親として、どう対処したらいいのでしょうか?

質問

小6の娘が、担任の先生を嫌っていて困っています。

担任の先生は30代前半の男性です。
小5から持ち上がりで同じ先生なのですが、娘はこの先生をとても嫌っています。
理由をたずねると

  • 授業中、同じ子ばかり指名するなど、気に入った子をひいきする。
  • 女子が集まって話していると、会話に入ってくるからウザイ。
  • 授業がつまらないし、説明がよくわからない。
  • 汗をよくかくなど、なんか不潔な感じがする。

……というようなことでした。

小5のときから、嫌っているようすはあったのですが、
ここ最近、エスカレートしているようで、嫌いだという態度を露骨に出したり、
休み時間に仲の良いクラスメートと、大きな声で先生の悪口を言っているようです。

多感で大人に対して反抗心を持つ時期だとは思うのですが、
それにしても過剰反応のような気がします。

クラスのほとんどの女子が、担任の先生を嫌っているようですが、

娘がいちばん目立つ行動をとっているようで、
同じクラスの男子のママから「先生、困っているみたいよ」と言われてしまいました。

親として、どう対処したらいいのでしょうか?

回答

男性の先生が高学年を担任する場合、女の子との関係でこうした問題はしばしば起きてきます。それはこの年代の女の子独特の心のあり方から出てくるもので、相手が担任でなくても、たとえばお父さんが嫌われるようなこともしばしばあります。

ただ今回の場合、学級全体に広がっているという点や、公然と先生の悪口を言っているというような点で、やや深刻です。この状況をそのままにしておくと、今後学級崩壊といわれる状況に近づいていくようで心配です。ですから、ここは慎重に対応する必要があるでしょう。

先生と子ども、両方の問題が絡み合っている

一般的にありがちな問題が深刻になったのには、いくつかのポイントが考えられます。そして先生の問題とお子さんの問題が絡み合っていますから、一方的な注意にならないようにしないといけません。

まず、先生の問題です。授業が退屈で説明がよく分からないというのは、子どもの意見を聞いてあげないといけないでしょう。そもそも授業がおもしろくないというのは、しばしば学級崩壊の原因になります。

一部の子をひいきしているというのも問題です。とくに女の子はこういうことに敏感です。担任の先生は、反発する子が出てくると、無意識にその子を避けるので、どうしても他の子どもをひいきしているように見えてしまうのです。

また、子どもの会話に入ろうと努力するのは分かりますが、子どもの気持ちを察し、話題を考えないと逆効果になります。担任の先生がまだ30代ならば、学年主任など管理職の先生に間に入ってもらい、お話されるのがいいと思います。

次にお子さんの問題です。いちばん気になるのは、先生に対する反抗の中心にいるということです。「みんなも先生を嫌っているはず」と本人が思っていても、意外とそうではありません。先生がどんな人でもちゃんと話を聞こうとする子はいます。そういう子も含めて先生に反発させようと思って、声高に先生の悪口を言ってしまっているのではないでしょうか。

そうした場合、クラスの雰囲気を悪くしているのは、先生ではなくその子だと思われてしまうのです。今回男友だちのお母さんから忠告されているのは、その状態になっているためではないかと、とても気になるのです。

先生への不満は保護者から伝える

ではどうすればいいのでしょう。

第一は先生に反発するようなことがあっても、冷静であるべきで、感情的になってはいけないということを教えてあげることです。

「人を呪わば、穴二つ」ということわざがありますが、
人を嫌い、それを口にすると、やがて自分が周囲から嫌われるようになることは子どもでなくてもよくあることです。そしてクラスが改善していく段階になると、クラスを悪くした犯人だという扱いをされてしまい、やがて自分がクラスに居づらくなることがあります。先生に限らず誰に対しても悪口を言うべきではなく、誰かに何か問題があれば問題そのものに絞って、相手に冷静に伝えてあげればいいことです。

また相手が先生の場合、先生に対する要望は保護者が伝えるからと話し、子どもが過度に反発すると問題が悪化することを教えてあげるべきでしょう。

同じクラスの男子のお母さんから「先生は困っているみたいよ」と、すでに言われてしまっていることの意味を理解させてあげてほしいのです。

そしてもうひとつ。多くの女子がいるなかでお子さんの反発が目立つというのは、お子さん自身がこの問題とは別に、不満やストレスを抱えているというようなことはないでしょうか。学校や塾、おけいこ事、家庭内などで困っていることはないか、不満に思っていることはないか、お子さんの話をゆっくり聞く時間を持ってみてはいかがでしょうか。

そして、どこに本当の問題があるのかということを理解し、そこから少しずつ解決策を探ってあげることが大切だろうと思います。

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陰山英男(かげやまひでお)

陰山英男(かげやまひでお)

陰山英男(かげやまひでお)

1958年兵庫県生まれ。岡山大学法学部卒。
兵庫県朝来町立(現朝来市立)山口小学校教師時代から、反復学習や規則正しい生活習慣の定着で基礎学力の向上を目指す「隂山メソッド」を確立し、脚光を浴びる。
2003年4月尾道市立土堂小学校校長に全国公募により就任。百ます計算や漢字練習の反復学習を続け基礎学力の向上に取り組む一方、そろばん指導やICT機器の活用など新旧を問わず積極的に導入する教育法によって子どもたちの学力向上を実現している。近年は、ネットなどを使った個別の小学生英語など、グローバル人材の育成に向けて提案や実践などに取り組んでいる。
2006年4月から立命館大学 教授(立命館小学校副校長 兼任)に就任。現在は、立命館大学 教育開発推進機構 教授(立命館小学校校長顧問 兼任) 。全国各地で学力向上アドバイザーなどにも就任し、学力向上で成果をあげている。また、北は北海道,南は沖縄まで、全国各地で講演会を実施している。
過去には、文部科学省 中央教育審議会教育課程部会委員,内閣官房 教育再生会議委員,大阪府教育委員会委員長などを歴任。
著書多数。
Webサイト http://kageyamahideo.com/

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