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子どもも食べやすいおせち料理/元気な子どもが育つ毎日のごはん【第35回】

子どもも食べやすいおせち料理/元気な子どもが育つ毎日のごはん【第35回】

おせち料理、毎年、どうしていますか? 家族、とくに子どもは「作っても食べてくれない」または「飽きる」などの理由で、作らない家庭も増えているようですね。わが家は一応、わたしの自己満足のため(?)に年末28日くらいから1日2~3品ずつ作っています。

わたしが小さいころ、祖母や母の横で作るのを見たり、手伝うのも好きでした。とくに早く、上手に作れるようになりたいと思ったのが、今回の筑前煮に入っている、ねじり梅。うめ型に抜くのは簡単ですが、そこから花びらを立体的に見えるように切るのはなかなか難しいものでした。上手くできるようになって、母からその役を任せられるようになったときは嬉しかったです。
また祖母や母にはおせち料理のいわれなども、調理しながら教えてもらったものです。里芋を六方に切るのは亀の甲羅に模していて、長寿を願うものだとか、きんとんの黄金色はお金を意味していることなど、おせち料理にまつわるあれこれを教わったのも貴重な体験でした。
最近は忙しくておせちは作らずに、市販のものを買うというご家庭も多いようですが、たとえ作らなくても、そんな話を子どもにしてあげたいものですね。

今回は、子どもが食べやすいおせちをテーマに2品紹介します。
子どもがあまり好まない「煮しめ」は、同じ材料を使い、筑前煮にしました。一鍋でできる手軽さと、鶏肉のうま味も加わるので、子どもも好むおせちの一品としておすすめです。

もう一品のなますも、野菜だけだと子どもはには敬遠されるので、カニ缶、スモークサーモン、生ハムなど塩気のあるたんぱく質源を加えるとサラダ感覚で食べやすくなります。
筑前煮もなますもですが、おせち料理の野菜は根菜が中心なので食物繊維は補えます。でも、βカロテンやビタミンCが不足がちです。ブロッコリーやほうれん草、小松菜など緑色の濃い野菜をいっしょにとるように、心がけてとるようにしましょう。

●栄養まとめ

  • おせち料理は根菜が多いので、食物繊維はとれるが、ビタミン類が少ない。
  • βカロテンや、ビタミンCを補うために、ブロッコリーや、ほうれん草、小松菜など緑色の濃い野菜をいっしょにとる。

子どもが喜ぶおせち料理
★筑前煮★

エネルギー215kcal 塩分1.5g

《材料》(4人分)
鶏もも肉 1枚(200g)
ごぼう 1/2本
にんじん 1/2本
ゆでたけのこ 小1本
里芋 小4個
干ししいたけ 4枚
ごま油 大さじ1
だし汁 1と3/4カップ
A(しょうゆ・みりん 各大さじ2、砂糖 小さじ2)
絹さや 6枚

作り方

1)鶏もも肉は一口にする。ごぼうは乱切りにして水にさらす。ゆでたけのこは乱切り、里芋は六方にむいて半分に切る。干ししいたけは水でもどし、1枚を3等分に切る。もどし汁1/4カップはとっておく。絹さやはゆでて、斜め半分に切る
2)にんじんは型抜きしてねじり梅にする。

●ねじり梅の作り方
①にんじんは厚さ1㎝の輪切りにし、花の型抜きで抜く。

②写真の線のところに包丁で切り込みを入れる。このとき、花の中心よりも外側を深めに包丁を入れる。

③切り込みを入れたところから、角度をつけて花びらが立体に見えるように表面をそぎとる。

④5か所すべて同じようにそぎとると、ねじり梅のできあがり。

3)鍋にごぼう、にんじん、里芋とかぶるくらいの水を入れて、強火にかける。にんじんはくり抜いた残りの部分も入れる。沸騰したら5分ゆでてざるにあげる。

4)フライパンにごま油を熱し、鶏肉は皮を下にして入れて焼き、焼き目がついたら返して片面も焼く。

5)3)の野菜とたけのこ、干ししいたけを加えて炒めて、油がまわったらだし汁、干ししいたけのもどし汁、Aを入れて、アルミホイルで落しぶたをする。(アルミホイルで落しぶたをする際は、菜ばしなどで真ん中に穴をあける)

6)10分くらい煮たら、落し蓋をとって強火で煮汁をとばす。

7)器に盛り付け、絹さやをちらす。

★大根とにんじんのサラダ(なますのアレンジ)★

エネルギー40kcal 塩分0.7g

《材料》

大根 5㎝(240g)
にんじん 5㎝(60g)
塩 0.6g(大根とにんじんの重さの1%)
カニ缶 小1缶(固形量55g)
ゆずの皮 少量(お好みで)
フレンチドレッシング 大さじ1

作り方

1)大根とにんじんは、繊維に添って千切りにする。ゆずの皮も千切りにしておく。
2)カニ缶は、汁けを軽くきっておく。
3)大根、にんじんに塩をふってしんなりさせ、水気をしぼる。

4)2)のカニ缶と合わせて盛り付ける。

出来上がり

 牧野直子(まきのなおこ)

 牧野直子(まきのなおこ)

牧野直子(まきのなおこ)

管理栄養士、料理研究家、㈲スタジオ食(くう)代表。
大学在学中から栄養指導や教育活動に関わる。メディア(雑誌、書籍、テレビほか)をはじめ、料理教室、講演会、病院や保健センター等で幅広く活動。わかりやすく、実践しやすい指導をモットーに、生活習慣病や肥満の予防・改善のための食生活指導や栄養指導に携わるほか、健康によく、簡単で、おいしい料理の提案を行っている。
著書に「元気塾弁」(女子栄養大学出版部)、「病気にならない新・野菜を食べる健康法」(マガジンハウス)、「2歳からのごはんBOOK」(NHK出版)、「ひと目でわかる料理の手習い帖」(池田書店)など。

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