子どもに言ってはいけない言葉。親に言われて傷ついた言葉/子どもが伸びる親力【第19回】
自信を与えてくれるのも親の言葉であり、自信をなくさせるのも親の言葉です。子どもたちは親の言葉によって救われたり傷ついたりします。
子どもたちは親の言葉によって救われたり傷ついたりする
親は毎日子どもたちに色々なことを言っています。
親の言葉は子どもたちにシャワーのように降り注いでいるのです。
そして、子どもたちは親の言葉によって救われたり傷ついたりします。
自信を与えてくれるのも親の言葉であり、自信をなくさせるのも親の言葉です。
親の言葉が子どもに与える影響は計り知れないといっていいくらい大きいのです。
今回は、子育て中のパパ・ママが集まったある会合で聞いた話を紹介します。
子どものころ親に言われて傷ついた言葉の実例です。
あなたには期待してないから
40代の男性Aさんのお話。
Aさんが6年生のとき、3歳年上で中学3年生のお兄さんが地元で一番の進学校に合格しました。
合格のお祝いでレストランに行って、家族で食事をしているとき、Aさんは「ぼくも3年後には受験だなあ」と言いました。
すると、すかさず母親が「あなたには期待してないから」と言いました。
それを聞いたAさんは、冷たい水を浴びせかけられたように感じたそうです。
Aさんは、そのときを振り返って、「兄の合格がうれしくて、自分もがんばろうと思っていたところにそんなことを言われたので、急に気持ちが沈んでいくのがわかりました」と言っています。
やっぱりあんたは根性がないね
30代の女性Bさんのお話。
Bさんが小学生のとき、夏休みのある日、学校のプールにいきました。
友達とひとしきり泳いだり遊んだりして、疲れたのでプールサイドで休んでいました。
すると、そこへ買い物途中の母親が様子を見に来て、Bさんを見つけるなり「やっぱりあんたは根性がないね。休んでばかりいないで、せっかく来たんだからもっと泳ぎなさいよ」と言いました。
Bさんは、「ちょっと休んでいただけなのに。お母さんはいつも私のことをそう思っているんだ」と思ったそうです。
あんた、ブスだね
40代女性のCさんのお話。
Cさんは子どもの頃、家族の旅行でホテルに泊まりました。
朝、Cさんが目が覚めたとき、母親が顔を覗き込むようにして、「あんた、ブスだね」としみじみ言いました。
Cさんは、それがずっと心に残り続け、中学や高校のときは顔が隠れるようにできるだけ前髪を長くしたりマスクをしたりしていたそうです。
つい10年前くらいまでは、そのときの情景が時々夢にも出てきたそうです。
子どもは黙ってなさい
50代男性Dさんのお話。
Dさんが中学生の頃、法事か何かの親戚の集まりがありました。
大人たちが、会場に行くために誰がどの車に乗るかという相談をしていたので、Dさんも意見を言いました。
すると、父親にすごい剣幕で「子どもは黙ってなさい」と言われました。
それ以降、Dさんは、子ども同士でも、何か相談するとき自分の意見を言うのが恐くなったそうです。
ホント性格悪いね
40代女性Eさんのお話。
Eさんは、どんな場面だったかまったく覚えていないのですが、子どものころ母親から「ホント性格悪いね」と言われたのが未だに忘れられないそうです。
今は母親と離れて暮らしているのですが、会う度にこの言葉を思い出してしまうそうです。
またお前か
50代女性Fさんのお話。
Fさんは小学生のころ、妹と遊んでいて障子の紙を破いてしまいました。
そのときは両親共に不在だったのですが、しばらくして父親が帰宅したので正直に話しました。
そうしたら、父親から「またお前か」と言われました。
Fさんは、「自分はいつも悪いことをすると思われているんだ」と感じたそうです。
お前の名前は適当につけた
40代男性Gさんのお話。
Gさんは4人兄弟の末っ子で、2人の兄と1人の姉がいます。
子どものころ、父親が子どもたちの名前の由来を話してくれたことがありました。
「長男の名前には○○のようになって欲しいという願いを込めた。次男には□□という願いを込めた。長女には女の子が生まれたらぜひつけたいと思っていたお気に入りの名前をつけた」という感じです。
そして、Gさんの番になったとき、なんと父親は「お前の名前は適当につけた」と言いました。
Gさんは非常にみじめな気持ちになり、「自分はあまり大切に思われていないんだ」と感じたそうです。
Gさんは、「嘘でもいいからそれなりの理由を言って欲しかったって、今でも思います」と言っています。
綸言汗のごとし
これらの例のように、親の何気ないひと言が子どもを傷つけることはよくあります。
言った方は忘れていても、言われた方は忘れられないものです。
「綸言汗のごとし」ということわざもある通り、一度出してしまった言葉は取り戻すことができません。
ひと言ひと言に気をつけたいものです。
特に、反抗期の子どもに対してイライラしているときは、言ってはいけない言葉をぶつけてしまうことがありますので、気をつけましょう。
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