何を言うかよりも、誰が言うかが大事。子どもは、なぜあなたの言うことを聞かないのか?/子どもが伸びる親力【第28回】
何を言うかよりも、誰が言うかが大事です。あなたに言われたら、子どもが喜んでやりたくなる…。まずは、そういうよい人間関係をつくることにつとめてください。
「あんたに言われたくないよ」と思ってしまうとき
例えば、あなたの職場に自己中心的で嫌みったらしい上司・Aさんがいたとします。
その人は、人のあら探しばかりしていて、あなたに対しても些細なことで叱ったり嫌みを言ったりしてきます。
そんなAさんが、ある日の朝礼で、「みなさん、仕事というものは自分のことだけ考えていてはいけませんよ。周りの人のこともよく考えて、のりしろのある仕事をしましょうね。わかりましたか?」と言ったとします。
あなたは、素直な気持ちで言うことを聞く気になれますか?
「本当にそうだ。Aさんの言うとおりだ。これから自分も気をつけよう」などと思うでしょうか?
まずムリだと思います。
それどころか、「あんたに言われたくないよ」「上から目線でえらそうに。誰が聞いてやるか」と思ってしまうはずです。
何を言うかよりも、誰が言うかが大事なのです。
「本当にそうだ。ぜひともそうしよう」と思えるとき
この反対に、いつも親切で思いやりのある上司・Bさんがいたとします。
Bさんは、あなたのがんばりをよく認めてくれて、いつもあたたかい声かけをしてくれます。
失敗したときには笑って許してくれますし、悩みがあるときには共感的に聞いてくれます。
そんなBさんが「のりしろのある仕事をしましょうね」と言ったとしたら、あなたは「本当にそうだ。ぜひともそうしよう」と思うはずです。
繰り返しますが、何を言うかよりも、誰が言うかが大事なのです。
よい人間関係がないところで、何を言ってもムダ
まったく同じようなことが家庭でも起きます。
あなたは上司Aさんのような態度で子どもに接していませんか?
もしそうなら、子どもはとてもじゃありませんが、素直な気持ちで聞く気にはなれません。
あなたが上司Bさんのような態度で子どもに接しているなら、子どもは素直な気持ちで聞いてくれます。
みたび言いますが、何を言うかよりも、誰が言うかが大事です。
あなたに言われたら、子どもが喜んでやりたくなる…。
まずは、そういうよい人間関係をつくることにつとめてください。
細かいしつけなど、その後でどうにでもなります。
よい人間関係がないところで、何を言ってもムダです
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