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自由研究で感染確率アプリを開発! 天才プログラミング小学生現る

自由研究で感染確率アプリを開発! 天才プログラミング小学生現る

学研キッズネットが毎年夏に開催している自由研究コンテスト。そこで、突出した能力で審査員を驚かせた少年がいました。2019年と2020年の2年連続で最優秀賞と特別賞を受賞した濵田康平くんです。一体どんな子なのか気になり、現在中学1年生になる康平くんとお父さんにお話を伺ってきました。

コロナの感染確率を自分で考え、アプリに!!

「新型コロナウイルスのリスク計算アプリや二酸化炭素濃度センサーを作りました」と聞いたら、ふつう何歳くらいの人物を想像しますか? 大人の、それも研究者や専門家が作ったと思わないでしょうか。それが10歳ちょっとの小学生が作ったというのだから驚きです。

濵田康平くんは学研キッズネットの自由研究コンテストで、小学5年生の時に「新型コロナウイルスのリスク計算アプリ」で最優秀賞を(2019)、小学6年生の時に「二酸化炭素濃度センサーの製作と計測データの考察」で特別賞を受賞しました(2020)。

新型コロナウイルスのリスク計算アプリ
「新型コロナウイルスのリスク計算アプリ」。人口や家族の人数など、それぞれの数値を入れていくと、家族が感染する確率や、イベント等での感染確率などがわかる。
二酸化炭素濃度センサー
「二酸化炭素濃度センサー」。二酸化炭素濃度センサーをマイコンにつないで、自動的にデータが取れる仕組み。

一体どうしたら、こんなテーマを思いついたり、作ったりできるのでしょうか。製作のきっかけや経緯を伺いました。

「新型コロナウイルスのリスク計算アプリは、コロナが話題になっていたので、家族の誰かが感染する確率を知りたいと思ったことがきっかけです。まず、自宅にあった数学や統計の本を参考に計算式を考えていきました。

最初はエクセルで計算していたのですが、より多くの人にも使ってもらいたいと、Visual Studio Codeというソフトを使って、HTMLとJavascriptというプログラミング言語でコードを書き、アプリを作りました。

それをGitHubというプラットフォームで情報公開しました」(康平くん)

自分で感染確率の計算式を作ってしまうところが驚きです。

「二酸化炭素濃度センサーを作るきっかけは、コロナの感染を防ぐためには密を避ける必要があり、二酸化炭素濃度が1000 ppmを超えないようにすることが有効だと知ったことです。

そこでお父さんが二酸化炭素濃度測定器を買ってきたのですが、自動的にデータを取ることができなかったので、装置を自作しようと思いつきました。

誕生日プレゼントにもらったRaspberry PiとM5Stackというマイコンに二酸化炭素濃度センサーモジュールを組み合わせ、それぞれPython3とAnduino というプログラミング言語を使って、自動的に二酸化炭素濃度を測って記録できるようにし、その結果を考察しました。

はんだごての使い方や電子回路の読み方は、前におじいちゃんから教わりました」(康平くん)

アプリを作ったこともそうですが、身近な課題に気づいたり、適切な情報を見つけて実際に調べたり、データが取れないなら「自分で作ってみよう」といった発想や行動力が素晴らしいと感じました。そして、それらを実現させる能力は並大抵ではありません。

※マイコン=ICチップにコンピュータが持つ基本機能一式を搭載しもの。電子機器を操作するのに使う。

マイコンと二酸化炭素濃度センサーをつなぐため、はんだ付けしているところ
マイコンと二酸化炭素濃度センサーをつなぐため、プリント基板やジャンパー線をはんだ付けしているところ。

小1でプログラミングに出会い、小3で電子工作にはまる

康平くんは、いつ頃、どのようにしてプログラミングを覚えたのでしょうか。

「プログラミングとの出会いは、小学校1年生の頃です。5つ上の兄が、画面上の絵を動かして、遊びながらプログラミング言語を覚えられるScratchを教えてくれました。そこでプログラミングの面白さを知りました」(康平くん)

プログラミングに触れていろいろな物の仕組みを知りたくなった康平くん。小学3年生の時、当時住んでいた中国で、日本の秋葉原のような「中関村」という地区に連れていってもらい、お父さんと一緒にたくさんの電子部品を買い込みました。

「中関村に行っていろいろなものを見て刺激を受けたことが、プログラミングや電子工作にはまる良いきっかけになったのだと思います」(お父さん)

そして初めて作ったのが、反射型赤外線センサを利用した「おつまみフィーダー」。お父さんの食べ過ぎを心配した康平くんが、柿ピーなどのおつまみが適量ずつ出てくる装置を考えました。

おつまみフィーダー
「おつまみフィーダー」。横のレバーを押し下げると、ランプの点灯とともに警告音が鳴り、おつまみが適量だけ出てくる。

それから徐々に電子工作にはまっていき、次に作ったのが「走る模型電車」です。紙粘土で模型の電車を作り、それをパソコンとつないで、走ったり止まったりという動きができるようにプログラミングしました。こうして、小学4年生の頃から、本格的にプログラミングにのめり込んでいきます。

走る模型電車
「走る模型電車」。RaspberryPi とプログラミング言語のPythonを使い、動きをコントロール。

自分から進んで勉強する理由とは?

現在中学1年生の康平くん
現在中学1年生の康平くん。

「プログラミングの勉強方法は、最初に本を見てざっと把握してから、あとはインターネット検索で調べていきます。昔はゲームのマインクラフトなどもやりました」(康平くん)

親御さんが教えなくても、自分でどんどん学習していく康平くん。普段も、親御さんから「勉強しなさい」などと言われなくても自主的に勉強しているそうで、理由を訊ねたら「知りたいことがいろいろあるので、それを自分で調べたいから」だそう。

好きな教科は数学で、応用系の分野に興味があるのだとか。一日の勉強時間は1時間ほど。特別長いわけではないですが、自分から積極的に学んでいるので、学習効果は高そうです。

部活は吹奏楽部。数学も音楽も工作も得意とのことですが、苦手な教科なんてあるのでしょうか。すると、「社会など暗記系は苦手」という答えが。少しホッとしました。

「小さい頃、学研の図鑑を毎日開いて見ていました。今は科学雑誌の『Newton』が好きです。コロナが流行する前は、家族でよく上野の国立科学博物館に行き、元素などの科学系の展示を見るのが好きでした」(康平くん)

図鑑の中でもリニアモーターカーや洗濯機などの仕組みがわかるものが好きだったようで、一貫して科学好きな康平くん。

「興味のないものはすぐにあきらめてしまいますが、興味のあることには真剣に取り組みます」(お父さん)

工作の作業を始めたら没頭して、一気に完成させてしまうことも多いのだとか。好きなもの、熱中できるものを見つけて打ち込んでいる康平くんが、輝いて見えました。

興味の持ち始めを大切に

ご両親は、何か特別な子育てをしてきたのでしょうか。

「変わったことはしていませんが、寝室やリビングには、子どもがすぐ手に取って読むことができるように、歴史マンガや図鑑などを数冊置いていました。

それから、興味の持ち始めの時期を特に大切にしてきました。電子回路に興味を持ち始めたら、関連する本を図書館でたくさん借りてきたり、そこで興味を持ったら、本人が希望する内容の本を購入したり。さらに、休みを利用して博物館へ連れて行ったり、実際に道具を一緒に揃えて作ってみたりしたこともありました。

健康でいてくれることを何より願っており、それ以上のことは望んでいません。あまり特別なことはしていないですが、1つだけやっていることがあります。毎朝、一番初めに外出する人に玄関で家族全員が握手をして『ありがとう、いってらっしゃい』と言うことです」(お父さん)

特に変わったことはしていないとおっしゃるお父さんですが、子どもが興味を持ったことに、楽しみながらとことん寄り添い、必要な環境をできる限り用意しているお父さんの姿が見受けられました。そして、お互いを大切にして支え合っているご家族の様子も……。

ただ、こんな悩みもあるようです。

「子どもにプログラミングをさせたいと思ったら、パソコンを自由に使わせる必要があるので、ネット検索など、なかなか安全対策が取れないことが悩みです」(お父さん)

そこで、独自のルールを作り安全対策に努めているそう。

≪濵田家のパソコン使用時のルール≫

・パソコンはリビングに置き、何をやっているか家族がわかるようにする
・家族アカウントで、年齢による使用制限をかける
・利用時間を決める(1日に1時間程度)
・検索キーワードや訪問履歴をあとで親が確認する
・ネットの怖さを折に触れ伝える

同じような悩みを持つ親御さんたちと情報を交換してまとめていきたいそうで、子どもが安全にプログラミングできる環境作りが今後の課題だとお話されていました。

一瞬で頭の中に設計図が!!

物干しざおと洗濯物
kurosuke/Shutterstock.com

康平くんは、普段から面白そうなことがあると、「パソコンを使って何か作れないか」と考えていて、目下テーマを探しているところだそう。人と同じものは嫌なので、テーマ選びが難しいのだとか。

そこで、急きょ編集部から「雨が降ってきたら自動的に洗濯物を取り込める装置が欲しい」とリクエストしてみました。すると、わずか3秒ほどで「脳内に設計図ができました!」と康平くん。驚異的なスピードです。

「雨量センサーが雨を感知したら、物干しざおを引っかけているツメが動いて、物干しざおがガタっと落ちる仕組みはどうですか?」(康平くん)

「それじゃ洋服がグチャグチャになるよ」と隣でお父さんが笑っていましたが、いえいえ十分です!!

将来の夢を聞くと、「ビル・ゲイツのような人になりたいです。WindowsやGoogle、Facebookのような大勢の人が使ったり楽しんでくれるものが好きで、そうしたプラットフォームを作りたいと思っています」とのこと。

自分で作りたいものを作って終わりにするのではなく、人に使ってもらうことに喜びを感じているという康平くん。いつか、康平くんの作ったまったく新しいサービスを世界中の人が使う日が来るかもしれません。内心「康平くんなら絶対作れる」と確信して、インタビューが終わりました。

(取材・文 清野 直)

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