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Case 23 祖母に「ディスる」と言ったなら/わが家のSNSトラブル ~ユカの事件簿~

Case 23 祖母に「ディスる」と言ったなら/わが家のSNSトラブル ~ユカの事件簿~

娘がネット用語を使うのを嘆くコラムを書くつもりだったのに、使ってしまったのは自分でした。

わたし、母に通じないネット用語を使ってしまいました

最近みなさんはお子さんのしゃべっている言葉の意味がわかりますか?
わたしは、わからないことが多くなってきました。

娘のユカが「生ハムと焼うどんが好き」というので、食べ物の話かと思っていたら、「生ハムと焼うどん」という二人組のアイドルの話でした。

近年、流行りものは、わたしの目につくところにあるとは限りません。ユカたちに人気でも、ネットで検索しないと出てこないことはよくあります。

そんなエピソードを書こうと思っていた矢先……。

先日、わたしは80代の母との会話で、つい「ディスった」と言ってしまいました。母親のけげんそうな表情を見て、
「ディスるってわからないよね。『けなす』って意味だよ」と説明すると、

「いまなんて言ったの?」
「ディスる」
「リする? ジする?」

わたしがスマホを出して「ディスる」と入力して字を見せると、
「てっきり『利する』かと……ずいぶん意味が変化したなと思ったわ」
と母はあきれていました。

ユカが「ディスる」と言うならともかく、わたしが母に言うとは情けない話ですが、わたしの日常に「ディスる」はすっかり溶けこんでいました。

でも母の日常に、ディスるという言葉はありません。ある調査によると、60代で「ディスる」がわかるのは10%だそうです。気をつけないといけないな、とわたしは反省しました。

ほぼほぼ定着した新しい言葉たち

ところで、三省堂が選定する「今年の新語2016」はごぞんじですか?※1
1位は「ほぼほぼ」。2位が「エモい」、3位が「ゲスい」でした。

この「今年の新語2016」は選考基準に「将来、辞書に載せてもおかしくない」とあり、一過性でないと思われる言葉を選んでいる点で特色があります。
もともとは、2014年に選考委員の一人がTwitterで個人的に募集した試みから始まったそうです。

「今年の新語」をわたしの母は理解できるでしょうか。「ほぼほぼ」「ゲスい」は予想がついても、「エモい」はむずかしそうです。

では、母に伝わるように別の言葉に言いかえるにはどうしたらいいのでしょう。ちょっと考えてしまいますね。いくつか言葉をあげますので、お子さんといっしょに言いかえに挑戦してみてください。

 

祖父母に通じる言葉に言いかえましょう
・エモい
・じわる
・刺さる
・斜め上

三省堂による解説はこちら
http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/topic/shingo2016/2016Best10.html
http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/topic/shingo2016/2015Best10.html

 

「エモいはエモいでしょ。エモいとしか言いようがない」なんてことになっていませんか?

これからの共通の言葉はネットから?

「言葉が広まった」というのは多くの人がその言葉を注釈なしに使って通じている状態なわけですが、いったいなんの媒体で拡大していくのでしょう。

ここ何十年か、その役割はおもにテレビが担っていましたが、10代のテレビ視聴時間は減り続け、彼らは代わりにネット、特にSNSに時間を使っています。共通の言葉が見えにくい時代が来るかもしれません。

SNSは、趣味や属性などの要素でしぼりこまれている集団でのコミュニケーションが中心。自分のいるSNSでは広く使われている言葉が、そのSNS以外では通用しないということも起こります。

ICT社会に向けて、学校で数学が重視されるのは自然な流れですが、共通する言葉、世代を超えて通じる言葉を使うため、国語の授業をこれからも軽視しないでほしいと思います。

読書が好きなわたしとしては、いろいろな本を読んで共通性のある言葉に触れることも強くおすすめせずにはいられません。

 

※1
三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2016」

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マリ(まり)

マリ(まり)

マリ(まり)

サラリーマンの夫・大学生の娘(ユカ)との3人暮らし。
大学の恩師の「あなたは一生文章を書きつづけなさい」という言葉を真に受けて、今も日々ものを書いている。
現在はIT系の会社で、セミナー関連の仕事に携わっている。
趣味は映画鑑賞。年に100本みることがひそかな目標。

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