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Case 44 スマホは高いの? 安いの?/わが家のSNSトラブル ~ユカの事件簿~

Case 44 スマホは高いの? 安いの?/わが家のSNSトラブル ~ユカの事件簿~

スマホは高いなあと思ってしまうわたしと、高い安いではないユカ。

ユカのスマホデビュー。さて、だれが払うの?

娘のユカが大学生になったとき、ケータイ関連のお金をどうするかはけっこう悩む問題でした。

わが家では、高校までは親がケータイ本体も月々の使用料金も出していましたが、大学に入ったユカはスマホが欲しいと言い出しました。入学以来ユカのスマホに対するあこがれはどんどん高まっていたので、いずれこうなるのは予想していましたが、そのときユカのケータイはまだまだ使える状態でした。

さてこの費用をどうしよう、とわたしは悩みました。たしかにケータイではいろいろと不便なのは見ていてもわかります。しかし自分が大学生だったときにはケータイもスマホもなかったから参考にできる経験がないし、高価な機器を当然のように買い与え、いまより高くなる料金を払ってあげることにもためらいをおぼえます。

ユカにとっては、高くてもまずスマホ

あれこれ考えて、ではスマホ本体は自分で払いなさいとユカに言ったところ、ユカは二つ返事でOKしました。当時でもスマホ本体は5万円以上しましたから、自分で払わなくてはいけないなら買いかえをためらうだろうと思っていたのに、おどろいたことにユカはおおよろこびでバイト代から本体代を払いました。

それ以来、ユカはずっとスマホの本体代金を自分で支払っています。もったいないと思うどころか、家族のだれよりも早く最新のiPhoneに替えたのもユカでした。

服や飲食代には「もったいない」と言うユカですが、スマホにかけるお金を高いとは感じないようです。スマホは生活や交友関係の基礎で、ユカにとっては持たないなんてありえません。スマホをやめて浮いたお金でパンケーキを食べようなんて、ぜったいに考えません。スマホがなければ友だちと約束できないし、スマホでググれなかったらお店がわからないし、おいしそうなパンケーキをインスタにアップできないのです。

「スマホはぜいたく品で、なければないでどうにかなる」と考えていたわたしと、「スマホは大学生活の必需品だから高いも安いもない」というユカとのあいだの価値観ギャップをしみじみと感じてしまう一件でした。

子どもの価値観、親の価値観

いま、高校生のスマホ所持率は9割をこえていて、中学生で5割、小学生でさえ3割に迫っているとか。スマホ所持の低年齢化はきっとこれからも進むでしょう。格安スマホや中古のスマホなど、安いものも手に入るようになったとはいえ、まだまだ高価なスマホを、どのように子どもに与え、かかる費用をどうするかの判断は、スマホの低年齢化でさらにむずかしくなっていくでしょう。

ケータイ・スマホをめぐる進歩は早すぎて、親の経験どころか、きょうだいの上の子のときの経験さえ参考にならないこともあります。でも、お金に関することはいつの時代でもとても大切な要素ですから、あいまいにせず、親の考えをきちんと子どもに伝えてほしいと思います。そのうえで、それぞれのご家庭の方針をしっかり決めたら、子どもの価値観に惑わされず、親の価値観に自信を持って、方針を守っていってほしいと思います。

さて、ユカが子どもを持つころにスマホがどう進化しているかわかりませんが、未来の子どもたちが早く手に入れたいとあこがれる最先端の道具ならば、それなりに高くなるでしょう。

「スマホでじゅうぶんすむでしょう! なんでわざわざ高い●●を買わないといけないの!」

と自分の子どもに怒るユカに未来で出会うのが楽しみなわたしです。

 

※平成28年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 (平成29年3月内閣府)

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マリ(まり)

マリ(まり)

マリ(まり)

サラリーマンの夫・大学生の娘(ユカ)との3人暮らし。
大学の恩師の「あなたは一生文章を書きつづけなさい」という言葉を真に受けて、今も日々ものを書いている。
現在はIT系の会社で、セミナー関連の仕事に携わっている。
趣味は映画鑑賞。年に100本みることがひそかな目標。

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