メニュー閉じる

鶏肉ときのこのクリーム煮/元気な子どもが育つ毎日のごはん【第11回】

鶏肉ときのこのクリーム煮/元気な子どもが育つ毎日のごはん【第11回】

成長期の子どもがとりたいエネルギーや栄養は大人以上。特に骨の成長に関わるカルシウムは、親世代が1日に約650mgなのに対して、大人並み、いや、それ以上必要になります。

成長期の子どもがとりたいエネルギーや栄養は大人以上。特に骨の成長に関わるカルシウムは、親世代が1日に約650mgなのに対して、

小学校低学年男子600mg、女子550mg、
小学校中学年男子650mg、女子750mg、
小学校高学年男子700mg、女子750mg、
中学生男子1,000mg、女子800mg、
高校生男子800mg、女子650mg

と大人並み、いや、それ以上必要になります。

カルシウムを最も効率よく補えるのは牛乳・乳製品ですが、大人の場合は1日にコップ1杯(200ml)の牛乳とチーズ1切れ程度は食べたいもの。これで約250mgのカルシウムが補えます。それに対して、子どもは幼児期には牛乳で1日300~400ml、小学生~高校生なら400mlはとりたいもの。1日に必要なカルシウム量の約半分が補えます。

給食のある学校なら牛乳がつくので、コップ1杯分の牛乳は確実にとれますが、そうでない場合は、そのまま飲むのはもちろん、料理に使うなど工夫することを心がけないと不足してしまいます。今回の牛乳を使ったクリーム煮は1人分で150㎎のカルシウムが補えます。さらにカルシウム量を上げるなら、仕上げに粉チーズをふるとよいですよ。

そのほか、カルシウム源として毎日の食事でとりたいのが、大豆・大豆製品です。木綿豆腐1/3丁(100g)には86mg、納豆1パック(50g)には45mgが含まれます。また、小松菜やかぶの葉、大根の葉などの青菜はカルシウムが豊富。小松菜のおひたし1食分(70g)で119mgが補えます。

これは、牛乳コップ半分に含まれるカルシウム量に相当します。さらにしらす干しやちりめんじゃこ、桜えびなど殻ごと丸ごと食べられる小魚もカルシウムが豊富なので、ごはんに添えたり、和え物に加えるなどするとよいでしょう。

牛乳にカルシウムがそんなに多いなら、牛乳を1本(1L)飲めばいいのでは? と思う人もいるかもしれませんが、カルシウムはマグネシウムとの摂取バランスが悪いと吸収されません。カルシウムとマグネシウムの摂取バランスは2:1。

牛乳100gに含まれるカルシウムは110mgに対してマグネシウムは10mg。木綿豆腐や納豆はカルシウム以上にマグネシウムが含まれます。なので、カルシウム源を牛乳だけに頼らず、いろいろな食品からとる方がよいというわけです。

また、骨はカルシウムだけでできているわけではなく、土台となるたんぱく質や、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、骨からカルシウムの流出を防ぐビタミンKなども大切です。たんぱく質は主菜の主食材となる肉や魚、大豆や卵で毎食、1品は必ず食べましょう。

ビタミンDはきのこ類や魚に豊富。肉には少量しか含まれないので、魚をしっかり食べましょう。今回のクリーム煮の鶏肉を鮭やかじきにかえてもよいですね。

ビタミンKは納豆や青菜に多いので、カルシウムとともに補える優秀な食材と言えます。骨は1度作られたらそのままではなく、骨形成と破骨をくり返しているので、カルシウムだけでなく、骨の代謝に関わる栄養素もしっかりとりたいですね。

鶏肉ときのこのクリーム煮

エネルギー 277kcal  塩分 1.5g カルシウム 150mg

《材料》(3人分)

鶏むね肉 1枚
塩、こしょう 各少々
小麦粉 大さじ1
玉ねぎ 1/2個
しいたけ 4枚
しめじ 1/2パック
ブロッコリー 4房
バター・オリーブ油 各小さじ2
牛乳 2カップ
顆粒コンソメ 小さじ1
塩、こしょう 各少々

《作り方》

1)鶏肉はひと口大のそぎ切り、玉ねぎは縦に薄切り、しいたけは薄切りにする。しめじはほぐす。

2)鶏肉に塩、こしょうをふり、小麦粉を薄くまぶす。

3)バターを熱し、玉ねぎをよく炒め、きのこ類を加えてよく炒めてとりだす。

4)オリーブ油を加え、鶏肉の両面を焼いて、3)をもどし、さっと炒め、コンソメを加えなじんだら、少しずつ牛乳を加え煮る。とろみが出てきたら、ラップで包み電子レンジで1分加熱したブロッコリーを加え、塩、こしょうで味を整える。

牧野直子(まきのなおこ)

牧野直子(まきのなおこ)

牧野直子(まきのなおこ)

管理栄養士、料理研究家、㈲スタジオ食(くう)代表。
大学在学中から栄養指導や教育活動に関わる。メディア(雑誌、書籍、テレビほか)をはじめ、料理教室、講演会、病院や保健センター等で幅広く活動。わかりやすく、実践しやすい指導をモットーに、生活習慣病や肥満の予防・改善のための食生活指導や栄養指導に携わるほか、健康によく、簡単で、おいしい料理の提案を行っている。
著書に「元気塾弁」(女子栄養大学出版部)、「病気にならない新・野菜を食べる健康法」(マガジンハウス)、「2歳からのごはんBOOK」(NHK出版)、「ひと目でわかる料理の手習い帖」(池田書店)など。

PAGETOP