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魚ぎらいの子でも食べられる! あじのピカタ/元気な子どもが育つ毎日のごはん【第25回】

魚ぎらいの子でも食べられる! あじのピカタ/元気な子どもが育つ毎日のごはん【第25回】

子どもに魚を食べさせたいと思っていても、「魚料理のレパートリーが少ない」「子どもが魚より肉が好き」などの理由で、肉料理にくらべて魚料理がなかなか食卓に上らない、という話をよく聞きます。魚も肉と同じく良質な動物性のたんぱく質源です。とくに、青背魚には成長期の子どもがとりたい栄養素が多く含まれます。

まず紹介したいのは、脂質に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)という多価不飽和脂肪酸です。脳をはじめとする神経組織に多く含まれ、脳や神経組織の発育や機能維持に重要な役割を果たしています。人の脳のニューロンという、神経細胞の突起の先端にはDHAが含まれていて、その突起がつながって神経回路をつくり情報伝達が行なわれます。つまりDHAが不足すると、それがうまくいかずに学習能力や記憶能力に影響が出る、と考えられるわけです。

子どもの脳のDHAは、妊娠中にお母さんが青背魚を食べているかどうかも関係します。大人にとっても認知症の予防や、血液中のLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪を減らしたり、血圧を下げる働きがあるため積極的に食べたいものです。

次に、成長のビタミンと言われるビタミンB2やビタミンB6が多く含まれます。

脂質やたんぱく質の代謝をうながして、成長に必要なエネルギーを効率よく作ったり、細胞の再生により健康な皮ふや髪、筋肉など、体づくりに欠かせません。不足すると口内炎や口角炎になったり、目の充血や目がゴロゴロするなどのトラブルの原因になります。

とくにビタミンB2はとりだめすることができません。青背魚のほかに、日常的に食べるものでは卵や納豆、乳製品などに多いので、毎日とる習慣をつけたいものです。

さて、栄養価の高い青背魚ですが、その中でもクセがなく食べやすいのが〈あじ〉。通年、見かけますが旬は初夏です。刺身はもちろん、たたき、塩焼き、ムニエル、ソテー、フライなど、料理もしやすいですし、スーパーや魚屋さんで料理法にあわせて、さばいてもらえるので、青背魚の中でもとくにおすすめです。

1食の目安は80gくらい。中くらいのあじ1尾の正味がそれくらいです。ムニエルは卵の衣がつくので、見た目にも食べてもボリューム感があると思いますので、ぜひお試しください。

あじのピカタ

1人分 244 kcal  塩分0.8g

《材料》(2人分)

あじ 2尾
塩、こしょう 各少々
小麦粉 少々

ピカタの衣
卵 1個
粉チーズ 大さじ1
パセリのみじん切り 少々

オリーブ油 大さじ1強
ミニトマト 4~6個

《作り方》

1)ぜいごをとって3枚におろし、中骨を取り、1切れを3等分のそぎ切りにする。あじに塩、こしょうをふってしばらくおく。

2)ピカタの衣の材料をまぜる。

3)あじに小麦粉を薄くまぶして、2)をからめる。

4)オリーブ油で両面をきつね色になるまで焼く。

5)片面が焼けたらひっくり返し、空いているところでミニトマトも焼いて、塩、こしょうをふる。

牧野直子(まきのなおこ)

牧野直子(まきのなおこ)

牧野直子(まきのなおこ)

管理栄養士、料理研究家、㈲スタジオ食(くう)代表。
大学在学中から栄養指導や教育活動に関わる。メディア(雑誌、書籍、テレビほか)をはじめ、料理教室、講演会、病院や保健センター等で幅広く活動。わかりやすく、実践しやすい指導をモットーに、生活習慣病や肥満の予防・改善のための食生活指導や栄養指導に携わるほか、健康によく、簡単で、おいしい料理の提案を行っている。
著書に「元気塾弁」(女子栄養大学出版部)、「病気にならない新・野菜を食べる健康法」(マガジンハウス)、「2歳からのごはんBOOK」(NHK出版)、「ひと目でわかる料理の手習い帖」(池田書店)など。

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