子どもに急増中! 低体温を防ぐ「辛くないチリコンカン」/元気な子どもが育つ毎日のごはん【第41回】
今回のテーマは、からだを温めるレシピです。「夏なのになぜ?」と思われる方もいるかもしれませんね。低体温を改善するためには、生活リズムの見直しとともに、体を温めるレシピがおすすめです。
今回のテーマは、からだを温めるレシピです。「夏なのになぜ?」と思われる方もいるかもしれませんね。一般的に子どもの体温は大人より高く36~37度くらいですが、近ごろ36度未満という低体温の子どもが増えています。主な原因は生活リズムの乱れから、体温の調節をする自律神経の働きが悪くなるためです。これは季節に関係はなく、いつでも起こります。
「塾や習い事などで放課後も忙しく、夕食の時間が遅い」
「夕食後、ゲームやスマホ、テレビに夢中になり、寝るのが遅くなる」
「おやつの食べすぎで夕飯の時間におなかが空かず、夜食を食べる」
など、夜型の生活になっていませんか?
夜型の生活をしていると、起床時間になっても起きられず、遅刻するからと朝食を食べないとか、食べてもほんの少量ということになってしまいます。朝食をとれないと脳やからだに栄養を補うことができないのはもちろん、胃や腸も働かないので体温も上がりません。朝食を抜くことで起きる低体温症は、学力低下を招くこともわかっているのです。
また、「朝礼中に気分が悪くなる」「授業に集中できない」「休み時間を活動的に過ごせない」など、学校生活にも影響してしまいます。
このような低体温症を改善するには、生活リズムの見直しが必要です。できれば家を出る1~2時間前に起床しましょう。目覚めやすくするには、朝日を浴びるのがいちばんです。窓のカーテンの生地が薄ければ自然と朝日が入りますが、もし遮光カーテンならば、起きる時間の少し前に開けるといいでしょう。もちろん、朝早く起きるためには、小学生ならば夜9時、中学生でも10時には寝かせたいものです。
朝、1~2時間の余裕があれば、あわてずに食事ができます。食事をすると胃と腸が動き、排便も促されます。また、朝食をとることによって体温も上がりますが、とくに糖質とたんぱく質をいっしょにとると、体温が上がりやすくなることがわかっています。「卵かけごはん」や「納豆ごはん」「チーズトースト」「トーストとたまご料理」などは理にかなったメニューです。もちろん、栄養バランスを考えるとサラダや野菜スープなどの副菜もそろえたいところです。
先ほど説明したように、主菜となる肉や魚、たまごなどたんぱく質を多く含む食品は体温を上げやすい食材です。たんぱく質以外では、今回の料理で使うにんにく、しょうが、玉ねぎ、大豆、麦、パセリはからだを温めます。ほかには、ねぎやニラ、ピーマン、にんじん、かぼちゃなどもおすすめです。
「チリコンカン」は、本来は唐辛子入りの辛い料理ですが、今回はお子さん向けなので入れていません。ですが、冷えが気になるお母さんには大人用として、仕上げにタバスコや唐辛子入りオイルをかけてもいいでしょう。
これから暑くなると、冷たい食べ物や飲み物をとりがちになりますが、それもからだを冷やすことになるので、温かい料理をとるようにしたり、からだを温める食材をとりいれたりすることを意識しましょう。
・糖質とたんぱく質をいっしょにとると、早く体温を上げることができる。とくに朝食には「卵かけごはん」「チーズトースト」などの組み合わせがおすすめ。野菜もいっしょにとるとさらに良い。
・体温を上げる食べ物には、にんにく、しょうが、玉ねぎ、大豆、麦、パセリ、ねぎ、ニラ、ピーマン、にんじん、かぼちゃなど。
辛くないチリコンカン
1食分 407kcal 塩分0.7g
《材料》作りやすい分量・6食分
合いびき肉 200g
にんにく 1かけ
しょうが 小1かけ
玉ねぎ 1/2個
大豆水煮 1缶
トマト水煮缶 1缶
オリーブ油 大さじ1
ケチャップ・ウスターソース 各大さじ1
塩、こしょう 各少々
もち麦ごはん 1人分150g
パセリのみじん切り 少々
《準備》
にんにくとしょうが、玉ねぎ、パセリはみじん切りにする。トマト水煮缶は、あらかじめつぶしておく。もち麦ごはんを炊く。
《もち麦ごはんの炊き方》
米2合に対してもち麦100gを目安に。
研いだ米に、炊飯器の2合分の目盛りまで水を入れる。そこにもち麦100gを入れたら、200CCの水(もち麦の重さの倍の量の水)を入れて炊く。
《作り方》
1)フライパンにオリーブ油、にんにく、しょうがを入れて弱火で炒め、香りがたったら、玉ねぎを加えてしんなりするまで炒める。
2)合いびき肉を加えてポロポロになったら、大豆を入れて炒める。
3)トマト水煮缶、ケチャップ、ウスターソースを加えて汁けが少なくなるまで煮て、塩、こしょうで味を整える。
4)もち麦ごはんに3)をのせ、みじん切りにしたパセリをちらす。