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イライラ子育てからラクラク子育てにするために/くやまない、悩まない、自分を責めない――心がラクになるアドラー流子育て【第21回】

イライラ子育てからラクラク子育てにするために/くやまない、悩まない、自分を責めない――心がラクになるアドラー流子育て【第21回】

子どもを愛するからこそ、そして、幸せになってほしいからこそ、お母さんたち悩み迷うのでしょう。そんな悩みを抱えているお母さんたちの心がラクになり、自信を持って子育てできるようアドラー流の子育てを多くの方に伝えていきたいと思っています。

全国共通のお母さんの思い

つい先日、わたしは奈良でアドラー流子育て講演会の講師を務めました。参加してくださった方のお子さんの年齢はまちまちでしたが、それぞれ、現在の困りごとや悩みを聞き、具体的な事例についてみなさんとともに学ぶことができ、とても有意義でした。

全国どこへ行っても、お母さんたちの思いは同じだなぁと感じます。子どもを愛するからこそ、そして、幸せになってほしいからこそ、悩み迷うのでしょう。そんな悩みを抱えているお母さんたちの心がラクになり、自信を持って子育てできるようになったら、きっと子どもたちもすくすく成長するに違いありません。

アドラー流の子育ては、まさにそれができる方法。これからも多くの方に伝えていきたいと、今、改めて思っています。

どんなに素晴らしい方法であっても

どんなに素晴らしい子育て本を読んでも、どんなに素晴らしい話を聞いて実践しようとしても、目の前にいる我が子と接していると、なかなか理想通りにはいきません。それが現実だと思います。だって、生身の人間を相手にしているのですから。

「そんなに簡単にできない」

わたしも長い間、そう思っていました。理想どおりにうまくいかないとイライラして、さらにうまくいかなくてまたイライラして。

あなたの理想の子育てって、どんなものですか?
子どもを思い通りにすることですか?
自分の言うことに逆らわない子に育てることですか?
それとも、ほかに何か目指しているものがありますか?

イライラの理由とは何でしょうか?

イライラしたりガミガミしないでいられる子育ては、確かに理想です。

感情的に怒ったりせず、明るく穏やかに、子育てを思う存分楽しみたい。でも、実際はうまくいかない。お母さんのイライラの一番の理由は、やはり、子どもが思い通りに動いてくれないこと。

子どもが言う通りに動いたら、きっとお母さんのイライラはほとんど解消するでしょう。

でももし、子どもがその通りに育ち、親の言う通りにしか動けない子に育ってしまったら・・・? それはそれで困るのではないでしょうか? そうです。わたしたち親は、指示待ちや指示通りにしか動けない子どもに育ててはいけません。

これは、教育熱心な人ほど陥りやすい盲点とも言えます。「しつけ」という名の「押しつけ」になっていないかを、冷静にそして客観的に考えてみる必要があります。

それでもカッとしてしまうときもあります

「頭ではわかっているんだけど、ついイライラしたりカッとなってしまう」そう言うお母さんは、とても多いのです。

でも、アドラーは、「人は目的のために感情を使う」と指摘しています。自覚がないケースも多いのですが、あなたの周りにもきっといる「怒りっぽい人」を想像してみてください。

その人は、だれかを思い通りに操作しようとして怒っているのではありませんか?

第10回でお話したように、わたしの母は、わたしが子どものころ、まさにそういう人でした。自分の思い通りにわたしを動かそうとして、「怒り」という感情を使っていたのです。母はきっと幼少のころから「怒り」を使えば人は動くという経験をしていたのでしょう。

つまり、母に自覚はなくても「自分の思い通りに人を動かしたい」という「目的」のために、「怒り」という感情を使って成功したことがあったのだと想像できます。また、それが母の性格(ライフスタイル)の形成につながったとも考えられるのです。

その結果、わたしは、

「いやいやながらも仕方ないからやる。怒られないようにするためにやる。」

というような、母の顔色をうかがいながら、そして、主体性のない行動しかできない子どもだったと思います。

もしイライラしてしまったら

「このことを通して、子どもは一体何を学ぶのだろうか」。どんな場合でもまずは、このことをしっかりと考え、理解するようにしてみましょう。

それでも、イライラしたりカッとなってしまったら、言葉を発する前に一度深呼吸をし、ゆっくり10数えてから話してみてください。すると、なぜか少しだけ冷静になり、言葉が変わってきます。

あるいは、可能であれば、その場から立ち去りましょう。
「ちょっとお母さん、今、イライラしているから他の部屋に行くね」と言って、その場から離れてみましょう。

子どもは、いつもと違うお母さんの行動や態度を見て、きっと何かを感じてくれます。一度冷静になってから話しをすれば、話し合いもスムーズにいくことが多いもの。

アドラーが言うように、完璧でなくて良いのです。例えば、いつもイライラしていた自分が10回に1回でもイライラしなくなったとしたら、それは成長です。そして1回でもできたのなら、次はその回数を増やしていけば良いのです。

日々、そんなことを意識し、繰り返しトレーニングすることで人は必ず変われるものです。実は、感情というものは自分で引き起こしているもの。そのことに気づいたら、あとは行動を変えていけば良いだけです。

さあ、今日からイライラを卒業し、ラクラク子育てにチェンジしましょう。お母さん自身も、日々自分の良いところを見つめ、成長している自分に気づき、自分を勇気づけながら、子育てを存分に楽しみましょう。

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松井美香(まついみか)

松井美香(まついみか)

松井美香(まついみか)

東京音楽大学ピアノ専攻卒業。「勇気づけの音楽家」。大学卒業後約10年間公立中学校に勤務。その頃偶然、教員研修でアドラー心理学に出会い、岩井俊憲氏の元で学び約25年が経過。自身のピアノ教室や子育てにおいてアドラー心理学を実践する中、子どもたちが音楽や部活動を続けながらも有名大学に続々と合格し夢を叶えている。長男(21歳)と双子(18歳)三人の男子の母。現在、保護者や音楽指導者に向け、執筆やセミナーを通して「勇気づけの指導法」を広める活動をしている。

*学研「おんがく通信」にて、コラム「勇気づけのピアノレッスン」連載中

*学研プラス出版「あなたの想いが届く愛のピアノレッスン」にて、手記「ある教室のささやかなサクセスストーリー」を執筆

松井美香公式ホームページ:

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