中学生のネット時間が伸びている/データで読み解く、子どもとスマホ【第56回】
データで読み解く、子どもとスマホ【第56回】も平成30年発表の「青少年のインターネット利用環境実態調査」(内閣府)※1から、小学生・中学生のネット利用動向をみていきます。
中学生のネット時間、1日に2時間30分弱
今回も平成30年発表の「青少年のインターネット利用環境実態調査」(内閣府)※1から、小学生・中学生のネット利用動向をみていきます。
小学生・中学生は平日1日あたり、どれくらいの時間ネットを使っているのでしょうか。
まず、インターネットに接続するすべての機器を合計した時間でみてみましょう。
なおこの調査では、インターネットに接続する機器として、スマホ、携帯電話、パソコン、タブレット、携帯音楽プレイヤー、携帯ゲーム機など、15種類について調べています。※2
ちなみに、高校生は213.8分(前年度+6.5分)。中学生の利用時間の伸びが目立つ結果となりました。
スマホに絞った平均利用時間をみてみると、小学生は68.3分(-1.4分)、中学生は127.5分(+3.3分)。小学生は微減ですが、中学生では利用時間が伸びています。
スマホ以外の機器でのネット利用も20分超
さて、合計ネット利用時間とスマホの利用時間には、小学生で29分、中学生で21.2分の差があります。これらはスマホ以外の機器を使ってネットを利用した時間ということになります。
スマホの利用に目がいきがちですが小学生・中学生がネット利用に使っている機器はほかにもあり、使用率が高いものはタブレットと携帯ゲーム機です。
小学生のネット利用率の1位はスマホ(スマホ、格安スマホ等の合計)の29.9%ですが、2位はタブレットで28.2%、3位は携帯ゲーム機で27.9%。スマホ、タブレット、携帯ゲーム機が同じようなネット利用率なのがわかりますね。
中学生のネット利用率は、1位のスマホ(スマホ、格安スマホ等の合計)が58.1%と飛び抜けていますが、2位のタブレットが28.4%、3位の携帯ゲーム機が26.5%とこちらも決して少ない数字ではありません。
平日1日あたり小学生で30分、中学生は20分強、タブレットや携帯ゲーム機など「スマホ以外の」機器でネットを使っていることが調査結果からうかびあがってきます。
タブレットやゲーム機の設定確認を
小学生・中学生にとってタブレットや携帯ゲーム機は有力なネットアクセス手段ですから、スマホと同様に、子どもの使い方に気を配る必要があります。
家のWi-Fi環境だけで使っているから大丈夫、というのは通用しません。屋外でだれでも使える無料Wi-Fiの環境整備が日々進んでいるからです。
商業施設では、コンビニ、駅、大型店舗、ホテルなど、利用できるところが増えてきました。また、日本に観光で訪れる外国人に向けて、観光施設や公園、博物館などでも整備が進んでいます。これらの場所にタブレットや携帯ゲーム機を持ち出せば、保護者の目の届かないところでネットの利用が可能というわけです。
みなさんの家にあるタブレットや携帯ゲーム機は、フィルタリングやペアレンタルコントロールを適用してありますか? お出かけが多くなる夏休みが目前となったいま、一度確認してみてください。
次回も「青少年のインターネット利用環境実態調査」を読み解いていきます。
※2 スマートフォン、いわゆる格安スマートフォン、機能限定スマートフォンや子供向けスマートフォン、携帯電話の契約が切れたスマートフォン、携帯電話、機能限定携帯電話や子供向け携帯電話、ノートパソコン、デスクトップパソコン、タブレット、学習用タブレット、子供向け娯楽用タブレット、携帯音楽プレイヤー、携帯ゲーム機、据置型ゲーム機、インターネット接続テレビの15種類の機器
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