子どもの体毛の悩み、どう寄り添う? 子どもも安心して使えるカミソリ 貝印「なでそり™」開発の思い
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何かと薄着になるこの季節。子どもが「体毛」を気にし始めているけど、親としては「まだ処理するには早いのでは?」「大人のカミソリを使わせて怪我をしないか心配」と悩みますよね。
そこで今回は、日本を代表する総合刃物メーカーの貝印株式会社で商品企画を担当している宮原俊和さんにインタビュー。同社は今年5月、子どもも安心して使えるカミソリ「なでそり™」を発売。SNSでも話題となり、一部品薄となるほど反響を呼んでいます。
注目商品の誕生の裏側には、親子のリアルな“すれ違い”がありました。開発に込められた思いと、子どもの悩みに寄り添うヒントについて伺います。

低年齢化する「子どもの体毛の悩み」のリアル
――「体毛の悩み」は小中学生も抱えるなど、美容やコンプレックスへの関心の低年齢化が進んでいると言われますが、御社ではどのような課題感を持たれていたのでしょうか?
宮原さん:弊社では、成人男性の体毛処理が一般化する中で、4年前から若年層向けのニーズにも着目していました。しかし、当時は「具体的にどのような製品にするか」というアイデアに落とし込めていませんでした。
転機となったのは、全社的な「商品アイデアコンペ」です。さまざまな部署から商品アイデアを募ったところ、出てきたアイデアの中に、「感覚的に、なでるようにそれるカミソリ」と、「子どもにも使ってもらえる“子ども用カミソリ”」というものがありました。カミソリといえばT字型で、一方向にスライドするのが基本ですが、お風呂で体を洗うときのように、くるくるとなでてそれるカミソリができないかというのが「なでるようにそれる」発想です。
この2つのアイデアが合わさったことで、子どもでも安心・安全に、感覚的に使えるカミソリの具体化が進み、開発がスタートしました。
――開発を進められる中で、「子ども向けの安全なカミソリが必要」だと確信したきっかけや具体的な調査データはあったのでしょうか?
宮原さん:開発に際して弊社が行った10代対象のアンケート調査では、「小学4年生(10歳)頃から毛を気にし始める一方、自分で専用品を買うのは高校生になってから」というデータが得られました。この結果から「小学生や中学生は親のカミソリをこっそり使っているのでは」と考え、10〜15歳の子どもとその保護者を対象に、試作品を使ってもらいながら感想を聞く質問形式のいわゆる会場調査を実施しました。

宮原さん:会場調査では、はじめは親子そろってお話を伺い、その後は別室に分かれて親と子それぞれに質問をしました。すると、リアルな本音が飛び出してきたのです。私も調査に参加したのですが、印象的だったのが13歳の男の子です。「体育の授業の前日には体毛をそっている」と話してくれたことが衝撃的でした。ほかにも子どもからは、「体毛がとても気になっている」「友達がケアしているのを見て自分もそらなきゃと思った」といった、親の前では言いにくい悩みの声が次々にあがりました。
一方の親からも、「子どもがカミソリをこっそり使っているのは知っている」「怪我を心配しつつも、体毛がいじめにつながる可能性もあるのではと思い言えない」などの声が。子どもを気遣うあまり指摘できないという葛藤を抱えていることがわかりました。

カギは親子で話し合うきっかけづくり
――なるほど。子どもの体毛の悩みにおいては親子間でもなかなかコミュニケーションが取れていなかったんですね。
宮原さん:はい、この事実を皆さんに知っていただく必要があると考えました。そのため、安全性はもちろん、親子でのコミュニケーションのきっかけとなるような商品にしようと徹底的にこだわりました。
たとえばカラーリングは、10〜15歳の子が好きな色やランドセルの人気色などをリサーチし、男女問わず好まれる「パステルブルー」に仕上げました。お子さんには「欲しい」と思ってもらえる商品を、保護者の方には「買ってあげたい」と思ってもらえる商品をお届けしたいという思いを込めています。
――商品設計において、特にこだわった部分はどのようなところでしょうか?
感覚的にそれるよう工夫したのが、にぎりやすい形状と刃の配置です。五角形に刃を配置することで、360度どの方向に動かしてもそれるようにしました。さらに、弊社のVIO向け製品の技術である「刃が肌に直接触れにくいクシ状ガード」を採用し、子どもでも怪我をしにくい安全設計を実現しました。


〈How to use NADESORI!〉


「なでそり™」は、子どもでも握りやすいころんとした円形のフォルム。五角形に刃が配置されており、どの方向に動かしてもそることができるのが特長だ。2つの樹脂ガードで刃を浮かせることで、直接肌に触れにくく、傷つきにくい設計になっている。
使い方はシンプル。本体を手のひらで包み込むようにしっかりと握り、乾いた状態の腕や足に軽くあてて、肌をなでるように円を描きながら大きく動かして使う。
――最後に、子どものカミソリデビューのタイミングに悩む「for Parents」の読者に向けて、メッセージをお願いします。
宮原さん:体毛の悩みは、誰もが抱える当たり前の悩みであり、決して恥ずかしいことではありません。親子間でもデリケートな話題は話しづらいかもしれませんが、「なでそり™」を手に取り、お子さんに渡していただくことが、コミュニケーションの第一歩になればうれしいです。
【Column】「なでそり™」発売記念「親子で考える肌ケア勉強会」を開催!

貝印は、「なでそり™」の発売を記念し、6月29日に都内にて「親子で考える肌ケア勉強会」を開催。小児皮膚科医の塩味由紀先生を招き、子どもの体毛や肌ケアに関する正しい知識とケア方法を紹介しました。本イベントでは、〇×クイズや「なでそり™」の体験展示が行われ、親子で体毛ケアについて学び、悩みに寄り添う有意義な機会となりました。












