おいしい!栄養価が高い!地球にやさしい!「くじら」は子どもにうれしいスーパーフード【あそび まなび かがくラボ2026レポート】
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皆さん、「鯨肉(げいにく)」をご存知ですか? 鯨肉とは、「くじら」の肉のこと。「給食で食べたことがある!」という保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
じつはいま、子どもたちの健康を支える食材として、鯨肉が注目されています。今回は、くじらが秘めたるさまざまなパワーについて総力特集! 夏休みに開催されたイベント「あそび まなび かがくラボ2026」にておこなわれた、ワークショップ「くじらを食べて大きく元気に!~知って、学んで、味わうくじらのひみつ~」の様子もあわせてお届けします。
くじらのヒミツ①じつはトップクラス!「鯨肉」驚きの栄養価
まず注目したいのが、くじらの栄養価について。じつは、くじらは「スーパーフード」と呼ばれるほど、たくさんの栄養が詰まっています。なかでも、カギとなる成分が2つあります。
「バレニン」が子どもの成長を強力にサポート!
ひとつが、「バレニン」という成分。バレニンはイミダゾールジペプチド(アミノ酸が2つ結合した成分)の一種で、高い抗酸化作用を持っています。
筋肉持久力アップ、疲労防止・回復、活性酸素の除去、学習能力向上など……大人だけでなく、成長期の子どもたちにとってもうれしい働きがいっぱい!
加えて、鯨肉は高たんぱく・低カロリー・低脂質。さらに、育ち盛りの子どもに不足しがちな鉄分もしっかり補給できます。

ちなみに、部活動に励む高校生が鯨サプリメント(イミダバレニン)を摂取したところ、集中力アップ・疲労感の軽減・睡眠の質の向上などを実感した、という研究結果(※)も出ているんです!
※㈱STEAM Sports Laboratory 鯨サプリモニタリング調査実施報告書(2025.03.25)
脳の働きをサポートする「オメガ3脂肪酸」
もうひとつのカギとなる成分は、私たち人間の体内ではつくることができない「オメガ3脂肪酸」。「オメガ3系多価不飽和脂肪酸」の総称で、心臓や血管の健康維持や脳の働きのサポートなど、さまざまな効果が報告されています。
くじらの皮下脂肪には、この「オメガ3脂肪酸」が豊富に含まれているんです。

青魚に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)に加えて、DPA(ドコサペンタエン酸)も含まれているのが、くじらの脂の特徴です。これらは、健康な体づくりを支える成分として注目されているんですよ。くじらって、本当にすごい!
くじらのパワーは「筋トレ」をしてこそ発揮される!

「くじらには素晴らしいパワーがたくさんあります。しかし、ただ鯨肉を食べるだけでは、そのパワーが最大限発揮されません。重要なのは、運動をいっしょにすることです!」と教えてくれたのは、共同船舶株式会社の代表取締役社長 所英樹さん。次のように語ってくれました。
「バレニンは若返り遺伝子サーチュイン遺伝子を呼び覚ますことで、老化防止効果が期待されます。さらに、筋トレやジョギングなど有酸素運動と組み合わせることで、脳を活性化させて記憶力・集中力をサポートする物質や、免疫力を高める物質の分泌をぐんと促すんですよ。
成長期のお子さんをはじめ、保護者の方、おじいちゃんおばあちゃん、みんなでくじらを食べて、しっかり運動をして、健康な毎日を送りましょう!」(所社長)
くじらのヒミツ②豊かな海を守る!「くじら」を食べる=SDGsに貢献できる
くじらを食べると、私たちの健康にうれしい働きがあることがわかりました。でも、「くじらって、獲ってもいいの?」「たくさん食べたら、くじらがいなくならない?」と不安になった方もいるかもしれません。
じつは、くじらを食べることで、海の生態系を守るSDGsにも貢献できるんです。
くじらは、毎日自分の体重の約4%のエサを食べています。日本鯨類研究所によると、地球上のくじらが一年間に食べる水産資源量は、人間の年間漁獲量の3~6倍なのだそう。また、くじらが増えすぎると、アニサキス(食中毒の原因となる寄生虫)が蔓延するとも言われています。

つまり、「くじらが増えすぎると海のバランスが崩れるため、個体数や資源の状態を把握したうえで、適切に量を管理して食べることが海を守ること(SDGs)につながる」というわけです。くじらはスーパーフードのみならず、サステナブルフードでもあるんですね!
くじらのヒミツ③「硬くてマズイ」は過去の話! 絶品くじら料理
昔、学校の給食で食べたことがある保護者の方の中には、「硬くてあまりおいしくなかった」という記憶がある方も少なくないのでは。しかし、いまでは保存・冷凍技術がかなり進化し、鯨肉はとってもおいしい食材へと生まれ変わりました。

その秘密は、新しい捕鯨母船に隠されています。捕獲したくじらをそのまま船の中に引き上げて、解剖・解体し、最新の急速冷凍技術で、新鮮でおいしいまま保存することができるようになったんです。

最近は、学校給食に導入する学校も増えています。味はもちろん、子どもたちに多様な食文化や栄養を知ってもらうために、学校給食メニューとしてもぜひ登場してほしい、応援したい食材ですね!
おうちで挑戦!「くじら」レシピ

ここでひとつ、WEBサイト「くじらタウン」から、くじらを使ったレシピをご紹介します。
<1人前>
赤肉 … 250g
揚げ油 … 適量
醬油【漬け汁】… 大さじ4杯
料理酒・みりん・生姜汁【漬け汁】… 各大さじ1杯
片栗粉【衣】 … 適量
ししとうがらし【添え】
■作り方
1.赤肉は繊維に逆らって5mmの厚さに切ります。
2.漬け汁を合わせ、【1】を30分ほど漬け込みます。
3.【2】の漬け汁をきって片栗粉を多めにまぶし、すぐに170℃に熱した揚げ油でカラッと揚げます。
4.お皿に【3】を盛り、素揚げにしたししとうがらし・レモン・大根おろしを添えて完成!
【イベントレポ】たくさんの親子が「くじら」に夢中に!
ここからは、7月19日(日)に東京理科大学 葛飾キャンパス(東京都葛飾区)で開催されたイベント「あそび まなび かがくラボ2026」の様子をお伝えします。参加してくれたのは、探Qキッズのかなたさん(小3)と、こはねさん(小1)です。
一日5回行われた40分間のワークショップでは、くじらについてさまざまな視点から詳しい話が聞けました。まずは、東京海洋大学の准教授 中村玄先生による、くじらの生態や進化についての楽しい授業から。

「一番大きいくじらはシロナガスクジラで、体長約30メートル、バス3台分くらいの長さです。体重は120トンくらいあります」
「今から5300万年前、くじらは陸で暮らしていたんですよ」
「くじらと息止め競争したら、みんなは勝てそうかな? くじらの記録は3時間42分だよ」
「深く潜ることもできて、3000メートルの深さまで潜れるんだって」
「200メートルを14秒で泳げます! ちなみに、オリンピック選手は1分44秒だそうです!」
次々と出てくるくじらの情報に、子どもたちも大盛り上がりでした!

続いては、過去25年間、捕鯨船に乗ってくじらを獲っていた武田慎太郎さんによる、船の上でのお話。AIやドローンなど、いろいろな技術が進歩してきたけれど、くじらを発見する方法はいまだに双眼鏡をのぞいて、人の目で見つけていると聞いて、みんなビックリ。

「ほんのちょっとした海面の変化や鳥、魚の様子、水温の変化など、複合的な情報から自分の中で判断して、くじらを発見します。くじらを解体するのも、熟練した技術と知識、経験が必要。マニュアルだけでは学べないことばかりです。皆さんにも、そんなリアルでしか得られない体験をたくさんしてほしいと思います」(武田さん)
最後は、くじらのパワーについてたくさん教えてくれた、共同船舶株式会社の所社長!

「くじらは、一年のうちの半年をエサが豊富な北の海で過ごし、残りの半年はほとんど何も食べずに子育てをします。その間、数千キロもの長距離を移動するんですよ。そのパワーの源が、バレニンです。みんなにもくじらを食べて、元気になってほしい!」(所社長)
展示コーナーには、ミンククジラの頭部模型やマッコウクジラの歯、ナガスクジラの耳の骨などが並び、どれも触ってOK! どの展示も、常に人であふれかえっていました。

場所を変えて、キッチンカーでは「くじらのタンシチュー」を試食しました。
「鯨肉は固いという印象があったけど、ものすごく柔らかかった!」
「子どもの頃に食べたくじらとは全然違う!」
と感動していた保護者の方でいっぱいでした。
参加した探Qキッズたちの感想
●わからないことも質問できて、すごく楽しかったです。くじらのタンシチューは、食べたらマグロみたいだった!(かなたさん)
●おもしろかった! スポーツをする前に、くじらを食べたらいいなと思いました。(こはねさん)
9月4日は「くじらの日」!

毎年9月4日は「くじらの日」!
上野御徒町の鮮魚店「吉池」では、今年(2026年)9月4日10時から17時まで、くじらの試食販売を開催予定だそうですよ。その他、全国各地で鯨肉の特売が行われるので、くじらの味を確かめに行きましょう!
くじらには、私たちが知らないパワーがまだまだ隠されていそうです。ぜひ一度、ご家庭でもくじら料理に挑戦してみてくださいね。
(取材・文/水谷映美 撮影/鈴木謙介)













