「地球防衛隊SDGs」第76話解説編「学校給食は何のため?」

ちょっとむずかしそうだけど、

「食品廃棄ゼロエリア」をテーマにしたまんが第76話はコチラ!
貧困、栄養不足、食育…変わる給食の目的

ねえ、スモール。食品ロスとか、その食品廃棄物のリサイクルとか、給食って学びになることがたくさんあるね。


そうだね。実は学校給食には、7つの目標があるんだけど、空は知ってる?

えー、知らない! 午後の授業のためにエネルギーを取るってことじゃないの?

それも1つ目の目標のうちかな。学校給食法にある7つを簡単に紹介すると
①栄養を取って健康づくり
②健康的な食習慣づくり
③みんなとの学校生活を豊かにする
④自然の恵みに感謝する
⑤食材や料理を作ってくれる人たちに感謝する
⑥日本や地域の食文化を知る
⑦食料の生産、流通、消費の仕組みを知る
栄養面から子どもたちの成長を支えるだけではないんだ。





あ、食育かな。食に関係する、生きる力をつける。




そう。食育という考え方が、しっかりと給食に盛り込まれたのは2008(平成20)年だから、まだ20年くらいのことだね。


それより前は違ったってこと?


給食の歴史を少し振り返ってみよう。
給食の始まりは貧困対策。つまり、貧しくてお昼ご飯を持ってこれない子どもたちを助けるための取り組み。1889(明治20)年、山形県のお寺が開いていた私立小学校で、無料で食事を食べさせたのが最初とされている。そのときの献立は、おにぎり、焼き魚、漬け物だったそうだよ。
その後、少しずつ給食の取り組みが広がると、国もお金を出すなど後押しして、1940(昭和15)年、国は給食の対象を栄養不足の子どもたちなどにも広げた。





お昼ご飯を用意できない子どもたちから、それに限らず栄養が十分に足りてない子どもたちまでを支えるようになったんだね。



太平洋戦争中は給食は一時中止。戦争が終わって再開するとき、日本全体が食料不足だったから、1946(昭和21)年、子どもの成長や健康を守るために給食の対象を全校児童に広げたよ。1952(昭和27)年までに全国すべての小学校で、パン、ミルク、おかずがそろった完全給食になったんだ。





ここで子ども全員が対象になったんだね。



給食の基本的なことを定めた学校給食法は1954(昭和29)年につくられ、当時の目標は4つ。さっき紹介した7つのうち、①健康づくり、②食習慣づくり、③学校生活を豊かに、⑦食料の仕組みを知る―に近い項目だったけど、お昼ご飯を食べさせるという福祉面や栄養面だけでなく、教育的な位置づけをはっきり示しているよ。


困っている子どもたちを助けるということだけではないってことか。それで、そこから50年以上たって2008年にあと3つの目標が加わったの?




そうだね。この50年の間に、貧困や栄養不足とは違う問題が大きくなってきたんだね。例えば、食べ物があふれている時代になって「食」を大切にする気持ちがうすれていたり、食生活の洋食化が進んで日本伝統の食文化が失われそうになっていたり。


だから、感謝とか食文化についての目標があるのか。時代に合わせて給食の意味も変わってきているんだ。




ただ、これは日本での話。世界をみると、今でも途上国の貧困地域では、学校給食を目当てに学校に通う子どもたちがたくさんいる。給食があるおかげで、SDGsの目標2「飢餓をゼロに」と目標4「質の高い教育をみんなに」が同時に目指せるんだね。





なるほど。世界の給食のことを調べて、比べてみても面白いかもね。
参照資料
・政府広報オンライン「日本の学校給食制度の意義と歩み」
・文部科学省「日本の学校給食と食育」
・一般社団法人全国学校給食推進連合会「学校給食の歴史」
・公益財団法人学校給食研究改善協会「学校給食の歴史」
イラスト/奈良裕己
監修/佐藤寛
