G7は、経済や地域情勢、環境・エネルギーなど世界規模の課題についての国際的な話し合いの場です。「グループ・オブ・セブン」の意味で、日本とアメリカ、カナダ、イギリス、イタリア、ドイツ、フランスの7か国と、欧州連合(EU)が参加しています。各国の首相や大統領が集まる首脳会議「G7サミット」は毎年開かれ、2023年は日本の広島県で開催。G7各国はそれぞれ友好な関係ですが、日本とほかの6か国の経済的な結びつきはどのくらい強いのでしょうか。2022年の輸出額と輸入額を合計した貿易額で比べてみました。
G7は地球規模の課題に、足並みをそろえて対応する
G7は自由や民主主義を大事にするという同じ価値観を持っている国々で、政治、経済、軍事などの面で世界に大きな影響力を持つ国の集まりです。
G7サミットは、さまざまな地球規模の課題について、各国の首脳が意見交換をして、その結果を発表します。世界に対してリーダーシップを取りながら、足並みをそろえることで効果的に課題解決へ
向けて対応していこうという狙いです。7か国、EU以外にも、招待された国や国際機関が参加することもあります。ただ、何かの方針が決まったとしても、世界の国々がそれに従わなければならないような強制力などはありません。
サミットは、石油価格の値上がりなどで世界的な経済不況になった1973年の石油ショックをきっかけにスタートしました。第1回は1975年、アメリカ、イギリス、イタリア、ドイツ、日本、フランスの6か国で、翌1976年からカナダ、1977年から欧州共同体(EC、現在はEU)が加わりました。その後、ロシアが加わって1998年からはG8に。2014年、ロシアがウクライナのクリミア半島を併合したことを受けて参加停止となり、再びG7に戻っています。
話し合うテーマは、最初は経済・エネルギー問題でしたが、次第に広がっていき、気候変動やテロ対策なども取り上げられます。
G7貿易額ランキング 1位はアメリカ
G7に参加する国のうち、日本の輸出・輸入額の合計がもっとも多かったのは、アメリカでした。ほかの5か国と比べると圧倒的に多く、アメリカと日本は経済的に強い結びつきがあることがわかります。日本はアメリカへ、自動車や自動車部品、航空機エンジン部品、建設用・鉱山用機械などを輸出しています。一方、日本はアメリカから、医薬品、石油ガス・天然ガス、航空機エンジンなどを輸入しています。
2位以下は、ドイツ、カナダ、イギリス、イタリア、フランスの順となっています。それぞれどのようなものを取り引きしているかや、輸出と輸入のバランスなどに特色があります。日本とG7各国の結びつきを、経済面のほか、文化面、政治面についてもまとめた記事で、ぜひ調べてみましょう。
アメリカと日本は、どんな結びつきをもっているの?
イギリスと日本は、どんな結びつきをもっているの?
イタリアと日本は、どんな結びつきをもっているの?
カナダと日本は、どんな結びつきをもっているの?
ドイツと日本は、どんな結びつきをもっているの?
フランスと日本は、どんな結びつきをもっているの?
日本の国別の貿易額トップ10
G7の各国に限らず、日本が2022年に貿易した国・地域のうち、輸出額と輸入額を合計した貿易額のトップ10は次のようになっています。ランク外のG7国の順位もあげています。
(出典:財務省貿易統計、金額は1億円未満切り捨て、太字はG7国)
1位 中国=43兆8471億円
2位 アメリカ=29兆9881億円
3位 オーストラリア=13兆7844億円
4位 台湾=11兆9545億円
5位 韓国=11兆5224億円
6位 タイ=7兆7716億円
7位 アラブ首長国連邦=7兆1343億円
8位 サウジアラビア=6兆2367億円
9位 ベトナム=5兆9293億円
10位 インドネシア=5兆7397億円
14位 ドイツ=5兆5565億円
17位 カナダ=3兆3011億円
21位 イギリス=2兆3524億円
23位 イタリア=2兆2386億円
24位 フランス=2兆1687億円
出典
参考資料