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主体的に学び続ける力が大事。そのためには?/子どもが伸びる親力【第31回】

主体的に学び続ける力が大事。そのためには?/子どもが伸びる親力【第31回】

主体的に学び続ける力はは子ども本人がやりたがることを応援して、たっぷりやらせてあげることによってのみ身につきます。自分がやりたいことを自分で見つけて自分でどんどんやっていく力、つまり自己実現力を伸ばしてあげれば、当然のことながら主体的に学ぶ力もつくのです。

人間の寿命が伸びる

これから世の中が大きく変化すると言われています。
よく挙げられるのは次のようなことです。

人工知能(AI)の実用化によって、生活も仕事も変わる。
さらなるグローバル化が進む。
日本は少子化による人口減少に直面する。

もちろん、これらのことは大きな変化です。
でも、もう1つ大事なことがあるのですが、あまり注目されていません。
それは、人間の寿命が伸びるということです。

働く期間も長くなる

2015年1月4日放送のNHKスペシャル「ネクストワールド 私たちの未来 第2回 寿命はどこまで延びるのか」によると、30年後には平均寿命が100歳になるそうです。再生医療、ナノマシン、手術ロボット、薬の発達など、いろいろな理由によってそうなるとのことです。

平均寿命が100歳ということは、長生きする人は120歳くらいまで生きられるということになるのかと思います。

ということは、人間が働く期間も長くなる可能性があります。
もしかしたら、80歳くらいまでは、普通に働くようになるのかもしれません。
大学までいくとしたら22歳くらいで就職ですが、その後80歳まで働くわけです。
約60年間という長さです。

若いころ身につけた知識で完走できる?

この間ずっと同じ仕事をするのでしょうか?
私は、そういうケースは少なくなると思います。

今までは、特に日本では、会社に就職して60歳の定年までほぼ同じ仕事というケースが多かったと思います。
若いころ身につけた知識や、その後積み重ねた経験によって、定年まで完走することができたのです。

でも、これからは違ってくると思います。
理由の第一は、60年間同じ仕事というのでは飽きてしまう可能性があるからです。
よほど好きな仕事で自分にも向いているものなら続けられるでしょうが、そうでない場合は難しいのではないでしょうか?

常に新しいことを学び続ける力が必要になる

次に、人工知能の能力もどんどん性能アップしていくはずですから、それに置き換えられる仕事はどんどんなくなります。
逆に、新たに必要になる仕事もあることでしょう。

会社にしても、変化についていけない会社はどんどん潰れるでしょうし、逆に新しい会社もどんどんできるでしょう。

つまり、会社も仕事内容も変わり続け、必要なスキルも変わり続けるのです。
変化することが常態になるのです。

そういう時代においては、若いころ身につけた知識を後生大事に守り続け、その後積み重ねた経験を上乗せすることで定年まで完走するということは不可能になります。
常に新しいことを学び続ける力が必要になります。

子どもがやりたがることを応援して、たっぷりやらせてあげよう

それは、プライベートにおいても同じでしょう。
社会の常識や価値観も変わり続けますし、年金や保険や金融の仕組みも変わり続けます。
住宅の設備も家電の使い方も変わり続けますし、健康や医療の情報も更新され続けます。
買い物の仕方も音楽や映画の配信方法も変わり続けます。

ですから、仕事だけでなくプライベートにおいても、学び続ける力が重要になるのです。
つまり、主体的な学びができるということであり、言い換えるとアクティブラーニングです。

このような時代に備えるために、新しい学習指導要領でも「主体的な学び」の大切さを強調しているのです。

では、主体的に学び続ける力はどのようにすれば身につくのでしょうか?
これは大人になって急に身につくものではありません。
大事なのは、子どものときから主体的な学びを経験させることです。

そして、それは子ども本人がやりたがることを応援して、たっぷりやらせてあげることによってのみ身につきます。
親が「そんなことはやめて、これをやりなさい」と押しつけていては身につきません。

自分がやりたいことを自分で見つけて自分でどんどんやっていく力、つまり自己実現力を伸ばしてあげれば、当然のことながら主体的に学ぶ力もつくのです。

本連載の下記の記事も参考にしてください

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 親野智可等(おやのちから)

 親野智可等(おやのちから)

親野智可等(おやのちから)

教育評論家。1958年生まれ。本名 杉山 桂一。
公立小学校で23年間教師を務めた。教師としての経験と知識を少しでも子育てに役立ててもらいたいと、メールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発行。具体的ですぐできるアイデアが多いとたちまち評判を呼び、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛される。また、子育て中の親たちの圧倒的な支持を得てメルマガ大賞の教育・研究部門で5年連続第1位に輝いた。読者数も4万5千人を越え、教育系メルマガとして最大規模を誇る。『「親力」で決まる!』(宝島社)、『「叱らない」しつけ』(PHP研究所)などベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても知られる。長年の教師経験に基づく話が、全国の小学校や幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会で大人気となっている。
著書多数。
Webサイト http://www.oyaryoku.jp/

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