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「子育てが楽しくなる小さなヒント」⑥ 子どもの才能を伸ばすには?

「子育てが楽しくなる小さなヒント」⑥ 子どもの才能を伸ばすには?

学研キッズネット編集部と、元保育園園長で現在「花まる子育てカレッジ」のディレクターである井坂敦子さんがタッグを組んで、月・水・金の朝6時に配信している、音声プラットフォーム『Voicy』の番組「コソダテ・ラジオ」。月曜日配信のトークテーマ「子育てが楽しくなる小さなヒント」の内容を、いつでもお読みいただけるように記事化しています。さて、今回は「子どもの才能を伸ばす方法」に関するおはなしです。

TY Lim/ Shutterstock.com

発達心理学の第一人者・内田伸子さん

令和3年度の文化功労者に表彰されたお茶の水女子大学名誉教授である内田伸子先生のお話をしたいと思います。

 

内田先生は子どもの発達心理学のパイオニアで、 NHK の「おかあさんといっしょ」の番組開発や、ベネッセ「こどもちゃれんじ」の監修、「しまじろうパペット」の考案などをされてきた方で、子どもの社会性や非認知能力、情緒の育成に長い間取り組み、研究されてきました。

 

私の所属する「花まる子育てカレッジ」で内田先生に講演をしていただいた中で、特に印象深かったことを2つお話ししたいと思います。

「ワクワク」はどんどん記憶されていく

1つ目は、脳の仕組みについてのお話です。

 

よく、「子どもがワクワクすること、集中してやっていることが一番その子の能力を伸ばす」というようなことが言われたり、本に書いてあったりします。

 

本当にそうだなと思うのですが、親のほうに「やらせたいこと」があった場合、子どもが夢中でやっていることをやめさせて、「これをやって欲しい」と言ってしまうことがあるんですよね。

 

私もよくやってしまうのですが、本人がやりたかった折り紙や工作、ごっこ遊びなどをちょっと中断させて、ドリルや宿題をやらせる、というようなことをさせていないでしょうか?

 

内田先生のお話では、ここに脳の仕組みが大きく影響してくるのだそうです。

 

「記憶力には海馬(かいば)が大事」という話をお聞きになったことがあるでしょうか? 情報を記憶し、脳の中に定着させるための重要な役割を果たしている器官で、海馬の状態が良いと、スムーズに記憶をメモリの中に取り込むことができて、「頭が良い」と言われたりします。

 

その海馬のすぐ隣に「扁桃体(へんとうたい)」と呼ばれるアーモンドぐらいの大きさの器官があって、「快・不快」、「心地良い」や「嫌だな」という気持ちを判断しているそうなのですが、生後10か月頃から、この扁桃体と海馬は連動して働いているのだそうです。

 

つまり、「気持ちのいいこと」や「楽しいこと」、「ワクワクすること」はどんどん記憶されていき、どんどん脳の中に貯まっていく。それが行動にも表れたり、物事を理解していく助けになったりする。逆に、扁桃体が「嫌だな」と思うことに対しては、海馬はあまり働かないそうなのです。

子どもの「興味」をもっと尊重しよう

Chaay_Tee/Shutterstock.com

子ども自身がワクワクしているとき――例えば穴を掘っていたり、葉っぱを見ていたり、積み木を積んでいたり――そういうクワク楽しんで夢中になっている状況が、脳が一番活性化していて良い状態で、いろいろな面で子ども自身を発達・成長させている、というのが内田先生のお話でした。

 

親としては「穴を掘って何になるのか」「積み木を積んで何になるのか」などと考えがちです。たとえば字が書けるようになるなど、わかりやすく何かができるようになって欲しくて、子どものやっていることをやめさせて、文字を教えたり、英語の勉強をやらせたり……。

 

そういった早期教育自体が悪いわけではなく、それがその子にとって本当に興味のあることかどうかが大事なんですね。

 

ぜひお子さんをよく見て、「ワクワクしているかな」「楽しんでいるかな」「やりたいと思っているかな」と、本人の気持ちや意欲を観察してみて下さい。それが、お子さんのパフォーマンスを上げることにつながっていくのだと思います。

しつけの違いで子どもの「思考力」に差が!?

もう1つ印象的だったのが、「共有型しつけ」と「強制型しつけ」という2種類のしつけの比較調査のお話です。

 

「共有型しつけ」は共感的なしつけで、子どもがいけないことをしたときに、「これをやってはいけないとお母さんは思うけど、あなたはどう思う? 何がいけないと思う?」というように、子どもと話し合うようなやり方です。子ども自身が、いけない理由について理解し、納得して行動を改善していくというようなしつけですね。

 

「強制型しつけ」は、いわゆる強制・指示・命令というようなしつけです。理由を説明せずに、「そんなことしちゃ駄目」と禁止をして、さらに、「そんなことしたら、もうどこにも連れていってあげない」などと脅しのようなことを言ったりする。私も散々やってきましたが、感情的になっていると、こういうふうに言ってしまうことは多々ありますよね。

 

内田先生は、500前後の親子の追跡調査をされていて、この2種類のしつけの方法で育った子どもたちがその後どうなったかを教えてくれました。

 

共有型のしつけをされていた子ども達は、日々「何がいけなかったのか」「どうしてそういうふうにするのか」と考える時間を与えられています。自分の頭で考え決断するという経験を積み重ねてきているので、成長後もいろいろな選択の場面で、「どういう理由があるかな。じゃあ自分はどっちを選ぼうかな」というふうに、自然に考える力や決める力が身についているそうです。

日々の接し方で子どもの力を伸ばす

逆に、強制型しつけをされていた子ども達は、理由なく禁止されることが続き、「指示されたことを黙ってやるのが自分にとって一番幸せなんだ」ということを繰り返し学習しています。「誰かに指示してもらうことが一番安心。聞いておけばうまくいく」という考え方になってしまい、自ら考えたり、選んだり、決めたりということができない大人になってしまったとのこと。

 

毎日子どもと接していると、なかなか理想的な接し方ばかりはできませんが、内田先生のお話を伺うと、日々の接し方がとても大事なんだな、と考えさせられました。

記事の元になった放送はこちら! ぜひフォローしてお聴きください。

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▼井坂敦子 プロフィール

慶應義塾大学→ 雑誌『オレンジページ』編集部 →公式サイト『オレンジページnet』編集長 →小学校受験対応型保育園園長 →年間約100本の子育てや教育に関する講演会や対談を企画運営  英国留学中高校生女子とボーダーコリー3頭の母

中学校高等学校教諭一種免許状(国語) 保育士 食育カウンセラー 表千家師範

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学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと編集部)

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『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。
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