料理研究家・れもんさんに聞いた!「給食は食べるのに、おうちでは…」の悩みを乗り切る、今日からできる食卓の工夫

「学校の給食は残さず食べてくるのに、家では好き嫌いが多い」「一口食べてベーっと出してしまう」——。子どもの食事に関する悩みは、保護者にとって尽きないものですよね。
今回は、手間は抜いても愛情たっぷりの「てま抜き」レシピがSNSで大人気の料理研究家・れもんさんをインタビュー。子どもの食べムラや好き嫌いへの具体的なアプローチと、毎日の食事を無理なく楽しむコツを伺いました。
子どもの食べムラは2パターン!タイプ別の攻略法
「給食は残さず食べている(らしい)のに、家では偏食がひどくて困っている」という声は、ママ友やフォロワーさんから本当によく耳にします。
じつは、子どもの食べムラには2つのパターンがあります。自分の子どもはどちらのタイプかを見極めて、状況に合わせたアプローチをしてみましょう!
パターン①まったく手をつけない(見た目・警戒心タイプ)
ひとつめは、見た目や先入観から拒否をして、まったく料理に手をつけないケース。この場合の最大のカギは、とにかく「食べなくても食卓に出し続けること」です。

子どもは、初めて見る食材や慣れない食材に対して警戒心を抱くもの。まずは「目に触れる機会」を増やしてあげることから始めましょう。
何度出しても食べてくれないと心が折れそうになりますが、諦めずに食卓へ。「とりあえず食卓に並べておいて、食べてくれたらラッキー!」くらいの軽い気持ちでOKです。
わが家の長女は野菜が苦手で、特にきゅうりにはまったく手をつけなかったんですが、先日初めて食べたんですよ。切り方を変えたり味付けを工夫したりして、3~4年はめげずに出し続けていましたが、ついにこの日が来た! という感じです(笑)。
つくったのは、私の著書にも載せている「ぽりぽりきゅうり」。鶏ガラスープの素としょうゆ、ごま油で味付けしたものなのですが、その日は急に「ちょっと食べてみる」と言ってきたので私もビックリしてしまって(笑)。長年の努力が、ようやく報われた瞬間でした。
また、キャラ弁のように、見た目を華やかにかわいく工夫するのも効果的です。

私もキャラ弁が得意なわけではありませんが、遠足のお弁当にモンスターボールに見立てたミニトマトを入れてみたところ、今までトマトを一度も食べたことがなかった長女が完食して帰ってきてくれました!遠足や運動会など、年に数回のイベントでチャレンジしてみると、食べず嫌いを克服するきっかけになるかもしれません。
パターン②口に入れても「べー」っと出してしまう(食感・食べづらさタイプ)
もうひとつは、一度口に入れても吐き出してしまうケース。味付けの好き嫌いもありますが、じつは食材の固さやパサつきなど「物理的な食べづらさ」が原因であることも少なくありません。
そこでおすすめなのが、調理の順番や食感を工夫することです。
たとえば、通常はひき肉から炒める料理でも、私は野菜から炒めます。そうすることで野菜の甘みを引き出し、かつ柔らかい食感になるので、小さな子どもでも抵抗なく食べられるようになるんです。
また、お肉に少量の片栗粉をまぶすことで、水分が保持されてパサつきを防ぐことができ、より食べやすい食感になります。

大人には気にならない些細なことでも、子どもにとっては「なんだか食べにくいぞ!」と箸が止まる原因になります。私が提案するレシピは、できるだけ「てま抜き」を意識していますが、こうした「子どもが食べやすくなる工夫」だけは大切に盛り込むようにしています。
きょうだい間で好みが違っても、わが家が「つくり分け」をしない理由

きょうだいがいるご家庭では、「それぞれの好みが違って、献立に困る」というお悩みもよく聞きます。わが家も、野菜嫌いの長女と対照的に、下の子は野菜をモリモリ食べるタイプ。反対に、上の子は好きだけど下の子は苦手な料理もあります。きょうだいで完全に好みが一致することの方が珍しいですよね。
ですが、それぞれの好みに合わせた「つくり分け」は一切しません。ちょっと厳しく見えるかもしれませんが、「食べなければ別の好きな料理が出てくる」と覚えてしまうと、余計に苦手なものを食べなくなってしまうから。
そのかわり、「家族みんながお気に入りのメニュー」を週の半分ほど取り入れて、苦手なものばかりが続かないよう全体のバランスを調整しています。
親子で「おいしい」を共有して、毎日の食事を楽しもう!
SNSでレシピを発信する中で子どもの食事に関するご相談をいただくことが増えたこともあり、昨年(2025年)食育アドバイザーの資格を取得しました。
そこで改めて実感したのは、「親子でいっしょに食事をすること」の大きな効果です。
特に夕飯時はどうしてもバタバタしがちですが、できるだけ孤食にならないよう、家族でテーブルを囲む時間をつくってみてください。どうしてもいっしょに食べるのが難しいときは、少し家事の手を止めて席につき、顔を合わせて会話を交わすだけでも十分!

給食を残さず食べる子が多い理由のひとつは、「みんなで食べる楽しい雰囲気」があるからなんですよね。ご家庭でも、親が「おいしいね!」と楽しそうに食べる姿を見せることで、子どもの中に自然と「食べてみようかな」という気持ちが芽生えていきます。
そのためには、まずママやパパの心に余裕があることが一番! 私が提案する「てま抜き」レシピや時短グッズなどを上手に活用しながら、無理のない範囲で親子の食事時間を楽しんでいただけたらうれしいです。
取材・文/水谷映美

