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寒い季節こそ栄養いっぱいの“いも”を食べよう!/元気な子どもが育つ毎日のごはん【第33回】

寒い季節こそ栄養いっぱいの“いも”を食べよう!/元気な子どもが育つ毎日のごはん【第33回】

いもは、一年中出回っている食材ですが旬は秋です。スーパーや八百屋の店先で焼きいもが売られるのも秋から冬ですね。いもは種類によりますが、加熱するとホクホクして甘みが増します。それは、糖質が多く含まれるからです。さつまいもは、ごはん(米)とカロリーがほとんど同じ(150gあたり、ごはん252kcal、さつまいも245kcal)ということもあり、昔、米が手に入りにくいときに、さつまいもが主食代わりになっていたこともあります。

小さい子どもや成長期の子どもは、糖質からとるエネルギーも大事なので、たとえば間食に焼きいもなど、いもを使ったおやつがおすすめです。また、さつまいもやじゃがいもは意外にビタミンCが豊富。ビタミンCはゆでることで流失するビタミンですが、いもの場合、糖質が糊化するためビタミンCが流失しにくいのが特長です。ただし、里いもや長いもには、あまりビタミンCは含まれていません。

そのほか、いも類には食物繊維やカリウムが期待できます。カリウムも水に溶け出る性質がありますが、いも類の場合ビタミンCと同様の理由で、ゆでても失われにくいのが特長です。カリウムは、塩分に含まれるナトリウムの排出を促すミネラルのひとつなので、塩分のとりすぎが気になる人におすすめしたい食材です。

生でも食べられる長いもは、すりおろしたり、千切りにして食べることが多いと思いますが、今回は炒め物にしました。生でも食べられるくらいですから、火の通りも早く、手早くできる一品です。火を通すことでホクホク、シャキシャキの両方の食感が楽しめます。

今回紹介したメニューのほかに、長いもを棒状か1cmくらいの輪切り、または半月切りにして片栗粉をまぶして揚げ、塩と青のりをふれば子どもにも食べやすく、お酒のおつまみにもなり重宝する一品が簡単にできますよ。

また、さつま汁は、鶏肉を豚肉や油揚げにかえたり、さつまいもを里いも、じゃがいもにかえてアレンジしても良いですね。

いもは健康のためにも1日1回は、食べたい食材なので、いろいろな調理法でとりいれてみてください。

●栄養まとめ(いも)

  • さつまいも:ごはんとカロリーがほとんど同じで主食にもなるほど栄養豊富。
    糖分が多く含まれているため、成長期の子どものおやつにおすすめ。
    ビタミンCが豊富。さつまいものビタミンCは加熱しても流失しにくい。
  • じゃがいも:ビタミンCが豊富。加熱しても失われにくい。
  • いも類全体:食物繊維やカリウムが期待できる。いものカリウムは加熱しても流失しにくい。

長芋と豚肉のポン酢炒め

1人分 292kcal 塩分0.9g

《材料》(2人分)

長いも 150g
豚コマ肉 150g
塩、こしょう 各少々
赤ピーマン 1個
オリーブ油 小さじ2
ポン酢しょうゆ 大さじ1
青のり(好みで) 少々

《作り方》

1)豚肉は、食べやすい大きさに切る。長いもは、皮をむいて7~8mmの輪切りにする。赤ピーマンは、細切りにする。

2)豚肉に塩、こしょうをふる。

3)オリーブ油の半量で肉と赤ピーマンを炒めて一度とりだし、残りの油で長芋を香ばしい焼き目がつくように焼く。

4)肉をもどしてポン酢しょうゆを回し入れてなじませ、好みで青のりをふる。

さつま汁

1人分 113kcal  塩分1.3g

《材料》(4人分)

鶏もも肉 150g
大根 3cm(120g)
にんじん 4cm(60g)
さつまいも 120g
しめじ 1/2パック
小ねぎ 4本
だし汁 4と1/2カップ
みりん 大さじ1と1/2
みそ 大さじ3

《作り方》

1)鶏もも肉は、一口大に切る。にんじんは、5mmのいちょうまたは半月切り、さつまいもは、皮付きのままいちょう切りにし、しばらく水にさらしておく。しめじはほぐしておき、小ねぎは、小口切りにする。

2 )大根、にんじんは水からゆで、沸騰したらさらに5分ゆでて、ざるにあげる。

3)鍋にだし汁、2)、さつまいも、鶏肉を入れて強火にかけ、煮立ったらアクをとり、弱火にし、しめじを加える。

4)さつまいもに火が通ったら、みりんを加え、ひと煮してから火をとめてみそをとく。最後に小ねぎを加える。

牧野直子(まきのなおこ)

牧野直子(まきのなおこ)

牧野直子(まきのなおこ)

管理栄養士、料理研究家、㈲スタジオ食(くう)代表。
大学在学中から栄養指導や教育活動に関わる。メディア(雑誌、書籍、テレビほか)をはじめ、料理教室、講演会、病院や保健センター等で幅広く活動。わかりやすく、実践しやすい指導をモットーに、生活習慣病や肥満の予防・改善のための食生活指導や栄養指導に携わるほか、健康によく、簡単で、おいしい料理の提案を行っている。
著書に「元気塾弁」(女子栄養大学出版部)、「病気にならない新・野菜を食べる健康法」(マガジンハウス)、「2歳からのごはんBOOK」(NHK出版)、「ひと目でわかる料理の手習い帖」(池田書店)など。

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