テレビのおともはネット/データで読み解く、子どもとスマホ【第41回】
日本の10代はメディアをどのように使いこなしているのでしょうか。テレビとネットについて読み解きます。
10代はテレビとネットを並行利用する
今回も総務省の調査(※1)をもとに子どもたちのメディア利用状況をみていきます。
前回、19時から22時のいわゆるゴールデンタイムは、10代にとってネットをする時間になっていることをお伝えしました。この調査では、さらに興味深い調査結果が示されています。10代・20代はテレビとネットの並行利用、いわゆる「ながら視聴」が多いのです。
平日において、10代がもっともテレビ視聴をしている時間帯は19時台で、テレビをリアルタイム視聴している割合は全体の28.9%。そのうちネットを並行利用している「ながら視聴」の割合は33.3%です。
10代の「ながら視聴」の割合は、平日22時台では54.4%、休日の22時台では72.2%となります。
10代は、平日19時台には3割が、平日22時台には5割が、休日22時台には7割が、テレビをみながらネットをしている計算となります。
テレビの平均利用時間が減少傾向にある10代ですが、その短いテレビ視聴時間にも、ネットが入り込んで来ているのがわかりますね。
なおこの「ながら視聴」の割合は20代がもっとも高く、次いで10代30代。40代~60代では低くなっています。子どもたち世代と保護者世代では、すでにテレビの楽しみ方が違ってきているのかもしれませんね。
信頼できる情報を得るために使うメディアとは?
さて、10代はテレビやネットというメディアをどのような目的で使っているのでしょうか。
まずテレビについてみてみましょう。
「世の中のできごとや動きについて信頼できる情報を得る」ため、テレビを利用すると答えた10代は69.3%。全年代の最高値です。
7割の子どもは、社会情勢についての信頼おける情報源としてテレビを利用していることがわかります。テレビをあまり見ない傾向にあるのに、テレビの情報に対する信頼度は高いというわけです。
なお、同じ目的のためにネットを利用する割合は14.3%と、全世代の平均よりも低くなっています。
つぎにネットについてみてみましょう。
「趣味や娯楽に関する情報を得る」ために、ネットを利用すると答えた10代は62.1%。全世代平均より5.8ポイント高く、他の世代と同様、趣味や娯楽の情報源としてネットを利用しています。ただ20代・30代の8割弱と比較すると、控えめな数値にとどまっています。
いずれにしても、意外にもバランスよくメディアを使いこなしている10代の姿が調査結果を通じて見えてきました。
次回はメディアの重要度と信頼度についてみていきます。
- ※1
総務省 情報通信政策研究所「平成28年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」
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