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寒い冬に負けない! 風邪対策メニュー/元気な子どもが育つ毎日のごはん【第38回】

寒い冬に負けない! 風邪対策メニュー/元気な子どもが育つ毎日のごはん【第38回】

寒い日が続いていることもあり、風邪やインフルエンザで学級閉鎖になっているところも多いようです。受験生を抱えているご家庭は戦々恐々ですね。うがい、手洗い、マスク着用を心がけることは言うまでもありませんが、食事も大事です。これを食べれば絶対に風邪をひかない、という食材はありませんが、風邪を予防する、またひいてしまったときに回復を早めるはたらきがある栄養素を含む食材やからだを温める食材をとりいれてみましょう。

わが家は風邪やインフルエンザにかかることがほとんどないのですが、年間通してよく食べている食材がねぎ、にんにく、しょうが、たまねぎ、ニラです。これらは東洋医学の考え方では、からだを温める性質があります。そのせいか、冬も比較的薄着で過ごせています。

また、毎回の食事に「主食」、「主菜」、「副菜」がそろうよう心がけています。そのうえで、風邪などウイルスが侵入してくる喉や鼻の粘膜を丈夫にするビタミンA(植物性食品にはβカロテンとして含まれ、必要に応じてビタミンAにかわります)や、侵入してきたウイルスと戦うはたらきのあるビタミンCを十分にとるようにしています。

ビタミンAは日常的に食べやすい食材では卵や牛乳・乳製品に豊富です。レバーやウナギ、アナゴなどにも多く含まれます。βカロテンは小松菜やほうれん草、青梗菜、水菜などの青菜やブロッコリー、にんじん、かぼちゃ、ピーマンなど緑黄色野菜に豊富です。青菜やブロッコリーは、塩を加えた湯でゆでて冷蔵庫に常備しておくと便利。2~3日で使いきるようにしましょう。

ビタミンCは前出の緑黄色野菜や、果物では旬のいちごやかんきつ類、キウイに多く含まれています。果物はこれらを1日200gくらいを目安に食べれば、1日に必要なビタミンCをかなり補えます。

疲労がたまっているときにもウイルスは侵入してきやすいので、疲れはなるべく早く解消したいもの。そのためには、ごはんやパンなどの糖質をスムーズにエネルギーに換えて、からだにチャージしましょう。糖質をエネルギーに換えるには、ビタミンB1が必要です。ビタミンB1は豚肉や紅鮭、たらこなどに多く含まれます。また、ビタミンB1はにんにく、ねぎ、ニラ、たまねぎが持つ特有な香りの成分「アリシン」と結びつくと、吸収がよくなり体内で長くはたらくことができます。

今回の「豚肉と白菜のクッパ風」のような汁物はからだも温まりますし、にんにくとねぎは豚肉のビタミンB1のはたらきをサポートして、疲労回復や脳へのエネルギー供給も促す一品です。スープジャーを活用すれば、お弁当にも持って行けます。

また、「小松菜のごま塩和え」の小松菜には、のどや鼻の粘膜を丈夫して風邪の予防にはたらくβカロテンや、成長期に欠かせないカルシウム、鉄が豊富。簡単にできるので、おかずが一品足りないときにもおすすめです。

●栄養まとめ

  • からだを温める性質がある「ねぎ」「にんにく」「しょうが」「たまねぎ」「ニラ」がおすすめ。
  • 毎回の食事に「主食」「主菜」「副菜」をそろえるようにする。
  • 喉や鼻の粘膜を丈夫にするビタミンA(βカロテン)や、侵入してきたウイルスと戦うはたらきのあるビタミンCを十分にとる。
    ビタミンA(βカロテン)……小松菜やほうれん草、にんじん、かぼちゃ、ピーマンなどの緑黄色野菜。
    ビタミンC……野菜と、いちご、かんきつ類、キウイなどの果物。
  • 疲れ解消には、糖質をエネルギーにかえるビタミンB1、その吸収をよくする「アリシン」をとる。
    ビタミンB1……豚肉、紅鮭、たらこなど。
    アリシン……にんにく、ねぎ、ニラ、たまねぎなど。

豚肉と白菜のクッパ

1人分 エネルギー 529kcal  塩分1.9g

《材料》(2人分)

豚こま肉 150g
白菜 200g
ねぎ 1/2本
しめじ 1/2パック
にんにく 1かけ
ごま油 小さじ2
水 3カップ
酒 1/4カップ
塩 小さじ1/3
A(みりん・しょうゆ 各小さじ2)
粗びきこしょう 少々
ごはん 300g

《作り方》

1)豚こま肉は、3cm幅に切る。白菜の軸はそぎ切り、葉はざく切りにする。ねぎは、斜めに切り。しめじは軸をさいてから、傘は薄切りにする。にんにくは薄切り。

白菜の軸は、火が通りにくいのでそぎ切りにする。

2)鍋にごま油を熱し、豚肉、にんにくを炒めて、肉の色が変わったら水、酒、塩を加えて煮立ったらアクを取って、白菜の軸を加えて10分くらい煮る。

アクを取ったら、白菜の軸を入れる。

3)しめじ、ねぎ、白菜の葉、Aを入れてさらに煮て、粗びきこしょうをふる。

10分経ったら、残りのしめじ、ねぎ、白菜の葉を入れる。

4)3)を器に入れてごはんを添え、汁につけながら食べる。

小松菜のごま塩和え

1人分 エネルギー30kcal 塩分0.6g

《材料》(2人分)

小松菜 150g
塩 小さじ1/5
ごま油 小さじ1
すりごま 小さじ2

《作り方》

1)小松菜はゆでて、やさしくしぼって水けを切り、3cm長さに切る。

小松菜を3cmの長さに切る。

2)小松菜を塩、ごま油、すりごまで和える。

和えたら、器に盛り付ける。

 牧野直子(まきのなおこ)

 牧野直子(まきのなおこ)

牧野直子(まきのなおこ)

管理栄養士、料理研究家、㈲スタジオ食(くう)代表。
大学在学中から栄養指導や教育活動に関わる。メディア(雑誌、書籍、テレビほか)をはじめ、料理教室、講演会、病院や保健センター等で幅広く活動。わかりやすく、実践しやすい指導をモットーに、生活習慣病や肥満の予防・改善のための食生活指導や栄養指導に携わるほか、健康によく、簡単で、おいしい料理の提案を行っている。
著書に「元気塾弁」(女子栄養大学出版部)、「病気にならない新・野菜を食べる健康法」(マガジンハウス)、「2歳からのごはんBOOK」(NHK出版)、「ひと目でわかる料理の手習い帖」(池田書店)など。

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