「地球防衛隊SDGs」第53・54話解説編「いろんな立場からSDGsを実践しよう」
ちょっとむずかしそうだけど、
生活 の「便利 」を支 えるプラスチック。安定的 なリサイクルには課題 も
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ねえ、スモール。プラスチック製品をつくる会社や工場でもSDGsに取り組んでいるって聞いて、びっくりしたよ。正直なことをいうと、これまでSDGsについて学んできて「プラスチックは地球環境に良くない」って聞いていたから、悪者だと思ってた……。でも、考えてみたら、今のところプラスチックを使うことが必要な場所・他の素材ではなかなか代われない場面もあるもんね。
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そうだね。たとえば医療現場。注射器や点滴バッグなどの医療に使われるものは、衛生面でなかなか使い回しができない。だから使い捨てを前提に、プラスチックでつくられているケースも多いんだ。
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他にも、空の身の回りに、プラスチックが使われている製品がたくさんあるんじゃない? たとえばほら、空の家にあるテレビや冷蔵庫も!
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えーーー! テレビや冷蔵庫にもプラスチックが使われているの?
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液晶テレビは、スピーカーやキャビネットの部分にプラスチックが使われていることがあるよ。冷蔵庫の場合、中の壁や仕切り、内装品などはプラスチックでできていることが多い。プラスチックは安くて便利だから、いろんなものの原料としてこれまで使われてきたんだね。
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そっかあ。じゃあ、今までの暮らしをまったく変えずに、いきなりプラスチックをゼロにするっていうのは難しそうだね。プラスチックを徐々に減らしていくには、みんなが生活そのものを見直していかなきゃいけないかも。
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その考え方も大事だね!
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あ、若林くんのお父さんのように、プラスチックをつくったり、使ったりしている会社が、プラスチックごみのリサイクルを積極的に行っているケースもあるんだよね。プラスチックごみを原料や燃料に変えたり、新しい製品に使ったりするって。
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そうだね。いろんな方法でプラスチックごみのリサイクルに取り組んだり、そのための技術を開発したりしている会社があるよ。
ただし、会社が安定的にプラスチックごみをリサイクルしていくにはいろんな課題があるんだ。たとえば、リサイクルに必要なプラスチックごみを安定的に手に入れるためのしくみが必要だというのもその一つ。
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そっか。リサイクルするにしても、たくさんのプラスチックごみを集めなきゃいけないもんね。ただ集めるだけじゃなくて、リサイクルできるようにきれいに洗ったり仕分けをしたりしなきゃいけないだろうし……。
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そう。リサイクルをするまでにかかる手間や、リサイクルするのに必要なエネルギー、設備などを用意するのにかかるお金のことを考えると、自分たちの会社でリサイクルして使うだけではつりあいが取れない場合も多い。
理想は、プラスチックごみからつくった原料や燃料を製品にして、他の会社に買ってもらい、安定的にリサイクルができればいいんだけど……今のところはさまざまなハードルがあるね。
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空たちが世界中のプラスチックごみを集めて、みんなの代わりにリサイクルして、使ってもらう!……ってのはまだまだ難しいってことかぁ。
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そうだね。でもいま「環境先進国」と呼ばれるスウェーデンでは、リサイクルが進んでいて、近くの国からごみを輸入し、ごみからつくったエネルギーを国民の生活に活用しているんだ。リサイクルの技術はどんどん進化しているから、これからはもっとできることが増えていくはず!
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「とにかくプラスチックをゼロにする!」とか「全部リサイクルする!」といった極端な方法は、実現するのが難しい。だけど、プラスチックを使う人、つくる人、環境への負担が少ない他の素材を開発する人など、いろんな人が、それぞれの立場からSDGsに取り組んでいくことはできるって気づいたよ!
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いい気づきだね! これからも、いろんな立場や、考えを持っている人の話を聞きながら、空たちにできることを探していこう!
イラスト/奈良裕己
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塚田智恵美
ライター/編集者。1988年、神奈川県横須賀生まれ。早稲田大学社会科学部卒業後、ベネッセコーポレーションに入社。『進研ゼミ中学講座』の編集を経て、2016年に独立。教養・学問・ビジネス・教育コンテンツの分野で、雑誌・Web記事、書籍のライティングを行う。「ワクワクする」「素人でもわかる」「知らないことをまなびたくなる」言葉や図解、マンガ、物語、シナリオなどで表現するのが得意。文京区在住。お酒と料理が好き。