授業のICT活用が自然と進む戸田市の秘訣――児童生徒が主体的に学ぶ教室を目指して――
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ICT 教育の先進自治体として知られる埼玉県戸田市。同市には、全国各地から先進的な ICT 活用を見ようと多くの視察や教育関係者が訪れます。しかし、戸田市も最初から取り組みが進んでいたわけではありません。どのように ICT 活用を広げ、現場に根付いていったのか、教育委員会にお話を聞きました。
※本記事はエプソンの「電子黒板導入事例 埼玉県戸田市 教育委員会編」より抜粋して掲載しています
重視したのは「協働」 学びが深められる教室を目指して
変化の激しい時代に求められる「学びの転換」
テクノロジーの進化によって先の予測が難しく、変化の激しい時代を生きる今の児童生徒たち。自ら幸せに生きるためには、自分で課題を見つけ、自分で学び、多様な他者と共創しながら解決できる力が求められます。
また、その手段としてICTが当たり前に使えることも児童生徒にとっては重要です。ゆえに、戸田市においては早期からICT環境整備に着手し、「AIでは代替できない力」「AIを使いこなす力」の育成を目指して教育改革を進めてきました。
同市教育委員会 教育政策室 指導主事 布瀬川裕貴氏は、こうした力を育成するためには教師主導の授業から児童生徒主体の授業へと学びを転換していくことが重要だといいます。
「もちろん、児童生徒だけで授業を進めていくわけではありません。教師は教える立場からファシリテーターへと役割を変え、児童生徒の協働が生まれるような学びに導いていくことが大切だと考えています」(布瀬川氏)。
児童生徒が主体的に学べる教育や学習環境を目指して戸田市の教育改革はスタートしたのです。
環境構築で目指したもの
児童生徒が主体的・協働的に学ぶ授業を実現するために、布瀬川氏が特に重要だと考えていたことがあるそうです。それが、“一人ひとりの考えていることを見えるようにすること”です。
「児童生徒の考えを瞬時に黒板に表示して必要に応じて大きく拡大したり、自由に書き込みをしたりと、教師が児童生徒の考えをベースに、共に学習を創りあげていく、そんな環境が必要だろうと当初からイメージしていました」(布瀬川氏)
そこで戸田市は、1 人 1台端末の整備に合わせてエプソンのプロジェクター型電子黒板を導入しました。数ある電子黒板の中からエプソンを選定した理由は、教師の動きの中で自然に使いやすいインターフェイスだったから。
「テレビ型の大型提示装置でもいいのでは?」という意見もあったそうですが、プロジェクター型電子黒板のほうが今ある黒板を広く使って書き込みがしやすく、双方向性も活性化しやすいなど、デジタルとアナログ、両方のメリットが生かせる点を評価したそうです。
導入効果を実感! 電子黒板はこれからの学びの環境に欠かせないツール
電子黒板の導入メリット
戸田市の小中学校では電子黒板があることで授業も変化しており、1 人 1台端末の効果も高まったそうです。以下はその一例です。
●デジタル教科書や資料を大きく表示し、視覚的にわかりやすく説明できる
●児童生徒の意見をリアルタイムに共有・集約できるようになったことで、友だちの意見を参考にしながら自分の考えを深めたり、教師が適切な声がけや支援をしたりできる
●教師の板書にかかる時間が減った分、児童生徒たちが話し合いや思考する時間が増えた
●意見を共有しやすくなったことで、さまざまな考え方をもとに授業を練り上げることがしやすくなった
具体的な活用事例や先生方のコメントなど、くわしくは「電子黒板活用授業 事例集」で紹介されていますので、ぜひご覧ください。
教育現場からの反響は?
現場の教師たちからは、「とにかく児童生徒が前を向いて、しっかり見るようになった」という声や、「集中力が高まった」という声が多く寄せられているといいます。
たとえば、黒板と大型テレビを併用していたときは、児童生徒の視線があちこちに散乱し、どこを見ていいかわからない子もいたようですが、今は授業の課題提示や資料の提示、発表から振り返りまで、すべての情報を一つの黒板で表示できるようになり集中して見るようになったそうです。
「特に発達に特性のある児童生徒の中には、目に映る情報が増えると集中力を欠いてしまう子もいます。今は首を左右に振らず、情報を見せられるようになりました。1か所にまとめられるのはプロジェクター型電子黒板の良さですね」(布瀬川氏)。
授業において、何をどのように見せるかは、児童生徒の学習に対する興味・関心を高め、学びを深めていく上で重要です。戸田市ではプロジェクター型電子黒板がこれからの学びの環境に欠かせないツールとして、大切な役割を担っています。
何をすればICT 活用は進むのか?戸田市がもっとも重視したこととは
ICT教育の先進自治体である戸田市においても、実際に ICT活用を広げるためにはかなり時間を要したそうです。ICTを使うことで授業準備に負担がかかるという意見や、教師が ICTを教えなければいけないというプレッシャー、児童生徒が端末を使うことで授業が中断してしまうといった心配ごとなど、教師たちのICTに対するハードルは高かったといいます。
そんな課題に対して戸田市として取り組んだのは、教師たちがICTの必要性を実感し、授業で使ってみようと思えるようになるために時間をかけることでした。同時に、新たな学びづくりに関する研修の充実やサポート体制の充実にも取り組みました。
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ICTを学校に根付かせるために戸田市が実際に行った具体的な取り組みなど、この続きについては無料でダウンロードできる「電子黒板導入事例 埼玉県戸田市 教育委員会編」で紹介しています。