らくいち・らくざ【楽市・楽座】 16世紀(せいき)後半(こうはん),戦国(せんごく)大名(だいみょう)が座(ざ)や市(いち)などの同業(どうぎょう)組合(くみあい)的(てき)な特権(とっけん)をみとめず,座(ざ)に属(ぞく)さない新規(しんき)の商人(しょうにん)にも自由(じゆう)に営業(えいぎょう)させた政策(せいさく)。戦国(せんごく)大名(だいみょう)が国内(こくない)の商工業(しょうこうぎょう)の発展(はってん),城下町(じょうかまち)の繁栄(はんえい)をはかるためにうちだしたもので,とくに1577年(ねん),織田(おだ)信長(のぶなが)が安土城(あずちじょう)下(か)に出(だ)した楽市(らくいち)・楽座(らくざ)令(れい)が有名(ゆうめい)である。楽市(らくいち)とは,寺社(じしゃ)や公家(くげ)におさめる市場(しじょう)税(ぜい)・営業(えいぎょう)税(ぜい)の免除(めんじょ)および座(ざ)商人(しょうにん)の特権(とっけん)の廃止(はいし)をいい,楽座(らくざ)とは座(ざ)そのものの廃止(はいし)をいう。 コーチ 楽市(らくいち)・楽座(らくざ)は,関所(せきしょ)の廃止(はいし)や撰銭(えりぜに)令(れい)・検地(けんち)などとともに,中世的(ちゅうせいてき)な旧制度(きゅうせいど)をうちやぶる政策(せいさく)として実施(じっし)されたことに注目(ちゅうもく)。