概数の計算で答えの見積もり! 算数テストのうっかりミスを防ぐ/子どもが伸びる親力【第10回】
機械に頼りすぎの現代人はすぐにスマホの電卓などで計算してしまう日常生活ですが、心がけて暗算の力を鍛えることもできます。
あり得ない答えを書く子
算数のテストで、「①89×37=31293」とか「②4100÷5=82」などという答えを書いたまま平気で出してしまう子がいます。
(正解は、①が3293で②が820です)
テストの最中に子どもたちの様子を見て周っていると、必ずこういうミスをしている子が見つかります。
それで、哀れに思って「もうできたと安心している子で計算を間違えている子が3人います。もう一度見直ししましょう」などと言ってみたりします。
でも、そういう子に限って「自分はもう完璧です」という顔ですましています。
筆算で間違う子もいますし、筆算は正しくできたのに答えを書き写すときに間違える子もいます。
いずれにしても、答えの桁数が違っているのですから、「こんな答えはあり得ない」と気づいて欲しいところです。
日常生活の中で概算の癖をつける
では、どうしたら気づけるようになるのでしょうか?
私のお薦めは「日常生活の中で概算の癖をつける」ことです。
例えば、親子5人で830円の餃子定食を食べたとします。
そこで、「おいしかったね~」だけで終わらずに、「全部でだいたいいくらかな?」と考えさせてみます。
830円は概数で約800円なので4000円と答えれば正解です。
このように、厳密に計算する前にだいたいの見積もりを出すことを概算と言います。
概算を出すには、細かい数を概数にしてから計算します。
もっと簡単にして、「次の中から選びましょう。4百円、4千円、4万円」と選択肢を示してもいいでしょう。
わり算の概算もできる
あるいは、レジで支払いをしてから「5人で4150円だったね。1人分はだいたいいくらかな?」と考えさせてみるのもいいでしょう。
4150円は概数で約4000円なので、5で割って800円と答えれば正解です。
子どもがわからない場合は、まず「4150円はだいたいいくらかな?」と聞いて「4000円」と概数を答えさせ、それから計算させます。
スーパーの買い物も概算しながら
スーパーなどで買い物をするときにも、大いに鍛えることができます。
198円のサバの味噌煮、201円のカボチャ、398円のカツオの刺身、48円にニンジン、298円のバナナなどを、次々と買い物カゴに入れていくときに、概数で計算していくのです。
つまり、サバの味噌煮200円、カボチャ200円、カツオの刺身400円、ニンジン50円、バナナ300円、というように暗算で足していくのです。
すると、レジで計算してもらう前にだいたい1150円くらいということがわかります。
そうすれば、千円札一枚と百円玉を2,3枚用意して待っていることができ、支払いがスムーズになります。
自分で概算した金額と実際の金額が近かったりすると、大人でもけっこううれしいものです。
このように日常生活の中で心がけていれば、テストの時にあり得ない数の答えを書いてしまうことはなくなります。
同時に、暗算の力を鍛えることもできます。
電卓に頼りすぎない
最近は、大人も含めて、一般的にこういう能力が落ちてきているのではないでしょうか?
何も考えずに商品をただやたらに買い物カゴに入れていき、レジで「え、そんなに高いの?」と慌てる…。
ちょっとした計算をするにしても、自分の頭で一応計算してみることもなく、すぐにスマホの電卓などで計算してしまう…。
機械に頼りすぎの現代人
ついでに言えば、私など、スケジュールをすべてスマホに入れてあるので、自分の頭で覚えようとしなくなりました。
「明日の予定は?」と聞かれてもスマホを見ないとわからない、などということがよくあります。
車に乗ればカーナビが頼りで、ちっとも道を覚えません。
電車に乗れば乗り換え案内が頼りで、路線がぜんぜん頭に残りません。
電話番号も覚えません。
漢字は読めても書けません。
「これで大丈夫かな?」と思う今日この頃です。
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