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「子育てが楽しくなる小さなヒント」⑭ 学校選びで大切なこと

「子育てが楽しくなる小さなヒント」⑭ 学校選びで大切なこと

学研キッズネット編集部と、元保育園園長で現在「花まる子育てカレッジ」のディレクターである井坂敦子さんがタッグを組んで、月・水・金の朝6時に配信している、音声プラットフォーム『Voicy』の番組「コソダテ・ラジオ」。月曜日配信のトークテーマ「子育てが楽しくなる小さなヒント」の内容を、いつでもお読みいただけるように記事化しています。さて、今回は「学校選び」に関するお話です。

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学校説明会だけでは足りない!?

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「ハレとケ」という言葉がありますよね? 実はこれが、学校選びの際、大事なポイントになってくるのです。

親御さんが学校選びの判断基準にするのは、学校の方針や校舎などの環境・設備、校長先生の考え、先生たちの雰囲気、伝統や校風などではないかと思います。

小学校受験対策の仕事をしていたとき、学校説明会や一般公開の学校行事などはもちろん「行ってみてください」とお伝えしていましたが、私がもう1つおすすめしていたことがありました。

それは、普段の学校の様子を見に行く、ということです。

説明会や行事というのは、「ハレの日」。学校側も張り切っています。そうではなくて、「ケ」にあたる普段の学校、そしてそこに通う生徒たちがどんな感じなのかを見る。

普段は学校の中に入れませんが、朝の通学時間や夕方の下校時間などに近くに行くと、登下校の様子を見ることができます。すると、生徒の雰囲気や、校門のところに先生が立っていたりして、生徒と話している姿などが見られます。

「パンフレットのイメージと違って、元気がいいな」とか、「ここの生徒さんは、やっぱりお行儀がいいんだな」、「やんちゃな子が多いな」など、いろいろなことが見えてくるはずです。

そんな生徒たちの振る舞いを見て、この子たちの群れの中に自分の子どもがいてしっくりくるかどうか、そういうことを感じて欲しいと思います。

名前で選んだ学校や受験対策の教室などですすめられた学校が本当に合っているのかどうか……。合格できるかどうかという問題だけではなく、その学校に行ったときに、子どもが楽しめそうかどうかを見てあげてください。

幼い子でも、自分で選んでいる

小学校受験の場合、学校のことを判断するのは小さい子にはまだ無理だろうと思われがちですが、違います。子どもは何かを感じ取っていて、「ここだな」と思っているんですね。皆さん何校か受験されますが、結果的に「一番好き」と思った学校に合格されて通うことが多くありました。

そんなお子さんが入学後に遊びに来てくれて、「受験のとき、あの学校が本当に好きだと思ったから今も通っている」とか、「一緒に入学試験を受けて仲良くなった子が、今同じクラスにいるんだ」などと、受験のときのことを鮮明に覚えていて、話してくれたりします。

そして、親御さんが行って欲しいと考えている学校と、お子さんが行きたい学校が違っていた場合、やはり、お子さんの希望の学校に入学されていることが多いようです。

「そんな小さい子どもに受験をさせて」と言われることもある小学校受験ですが、子どもは意外と主体的に学校を選んでいて、そんな子ほど合格しています。

自分なりの「好き」があると頑張れる

flyingv3/Shutterstock.com

あとから聞いたのですが、うちの娘も小学校受験の際、見学に行ってのちに入学した学校に、2ついいなと思ったところがあったようです。

1つは、プール。

娘は小さい頃からスイミングスクールに通っていたのですが、とにかく水に顔をつけるのが苦手。レッスンの日は逃げ回り、プールではなるべく顔をつけないようにして、なんとか泳げるところまでいったものの、結局途中で辞めてしまいました。

そんな娘にとって、プールは何よりも気になるもの。その学校のプールは、床がせり上がったり下がったりして、水深を変えられるプールでした。

説明会のとき、たまたまそのプールの床が1番上まで上がっていて、水深が15~20cmほどになっていました。

それを見た娘は、先生に「プールはこんなに浅いんですか?」と質問。

先生は、「そうなんだよ、1年生はこういうふうに浅くしてるんだよ。あんまり深いと怖いだろう? すごいプールがあるよね~」と、プールの自慢をしてくださいました。

娘は、「やった、ここなら水に顔をつけなくても済むぞ!」と考え、「この学校に絶対行きたい!」と思ったようです。

もう1つは、遊具です。

中庭にとても立派な遊具があって、ジャングルジムにうんていがついているような、アスレチック的なものでした。

それを見た娘は、その遊具でどうしても遊びたくなり、プールと遊具、その2つを理由に入学試験を頑張ったようです。

大人から見ると「そんなことが理由なのか」と思いますが、そういったものが心に強くあると、試験本番のときにも頑張れるのだと思います。

それは子ども自身が感じて思うことなので、親が強制することは難しいですが、そういうチャンスは「知る」ことによって生まれます。親御さんは、「素敵だな」、「この子に合うんじゃないかな」と思う学校がありましたら、ぜひお子さんと見学に行って、“好きなところ”を見つけてもらってください。

学校選びは“お見合い”のようなもの

小学校は6年間、毎日通うところです。幼稚園児だった子が中学生になるまでを過ごすわけですから、人生の中で一番成長する時期でもあります。身長も伸び、体もしっかりする。脳もすごい勢いで発達し、いろいろなことを吸収します。

そんな大切な6年間を、どんな友だちや先生と一緒に過ごすか。

中学・高校も同じで、どんな先輩や友だちと仲良くするかは大事です。影響を受けて、それによって将来の仕事を決めたりすることもあります。

そういったこともあり、学校選びは「選ぶ」というより、「ご縁」があるかどうかというような、お見合いのような部分もあるように感じます。

お子さんや親御さんが、その環境を「好きだな」、「心地良いな」と思うことが大事なので、ご縁を持てるかどうかは、試験の前にすでに決まっているようなところもあるのだなと、受験の手伝いをさせていただく中で見えてきました。

私も経験がありますが、受験前、親御さんはものすごく不安で心配な状態になります。不安のあまり「もう受験をやめてしまおうかな」と思ったり、模試の結果を見て「もう頑張っても無理なのでは」と思ったり……。

そんなとき、私が皆さんに伝えていたこと。それは、「いろいろできていないと思っているかもしれませんが、実は、できていることがたくさんあるんですよ」ということ。

「お子さんが、『ここがいい』とか『ここが素敵だな』と考えたり感じたりしていること、それ自体がもうすでに、希望されている学校の校風に合っていることがよくあります。模試の点数が悪くてくよくよしてしまう気持ちはわかりますが、それはいっときのこと。もっと大きな土台の部分は、しっかりと育っているから大丈夫ですよ!」と伝えていました。

そして、その不安な時期を脱して試験を受けると、見事に合格をつかみ取ります。不安な気持ちから、「志望校を変えようかな……」と迷われることもあると思いますが、やはり初志貫徹。お子さんやご家庭に合っているところ、ご家族と学校の価値観が一致していることが大事なので、そこを大切にして学校を選んでいただけたらと思います。

 

話し手/井坂敦子 構成/清野 直

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▼井坂敦子 プロフィール

慶應義塾大学→ 雑誌『オレンジページ』編集部 →公式サイト『オレンジページnet』編集長 →小学校受験対応型保育園園長 →年間約100本の子育てや教育に関する講演会や対談を企画運営  英国留学中高校生女子とボーダーコリー3頭の母

中学校高等学校教諭一種免許状(国語) 保育士 食育カウンセラー 表千家師範

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学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと編集部)

学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと編集部)

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