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和風ポン酢酢豚/元気な子どもが育つ毎日のごはん【第3回】

和風ポン酢酢豚/元気な子どもが育つ毎日のごはん【第3回】

日頃から疲れをためないことが大事ですが、疲労回復に欠かせない栄養素がビタミンB1です。わが家でも忙しかったり、行事が続くようなときは疲れをためないよう、ごはんにあう豚肉料理や、ビタミンB1の多いうなぎのかば焼き、紅鮭、たらこをおにぎりの具にしたり、弁当のおかずに入れたりしています。

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新学期が始まり、慣れてきた時期。ゴールデンウィークという、長い休みで生活サイクルが乱れ、4月からの疲れが出てくるのがこの頃。「やる気が起きない」「疲れている」などと感じていませんか? それがひどくなると遅刻したり、休みがちになり“5月病(ごがつびょう)”と言われたりします。

生活スタイルはなるべく、保育園や幼稚園、学校があるときと同じにすることが大事です。寝坊すればその分、夜寝るのが遅くなります。その繰り返しが、生活リズムを狂わせ、食事時間も乱れ、欠食の原因になったりもします。欠食が多くなれば、足りない栄養素も出てきて、不調の原因になります。

日頃から疲れをためないことが大事ですが、疲労回復に欠かせない栄養素がビタミンB1です。わたしたちがからだを動かしたり、脳を働かせるエネルギー源になる糖質の代謝をスムーズにするのがビタミンB1。ビタミンB1不足になると、代謝がスムーズにいかずに、エネルギーを作りだせなかったり、疲労物質の「乳酸」がたまり、疲れやすくなります。

また、糖質は脳にとって唯一のエネルギー源なので、ぼーっとしたり、集中力がなくなります。ただし、ビタミンB1を摂取してもエネルギーになる糖質が不足していては元も子もありません。毎回の食事でご飯やパン、麺など糖質が豊富な主食を必ず食べましょう。その上でビタミンB1の多い食材で、おかずを組み合わせるのがおすすめです。ビタミンB1が多い食材の代表選手は豚肉。豚肉の加工品のハムやソーセージ、焼豚にも多く含まれるので、ハムでサンドイッチ、ソーセージでホットドッグ、焼豚でチャーハンなどは理にかなった組み合わせです。

そこで、今回はごはんに合い、ポン酢しょうゆで簡単に味つけできる「和風ポン酢豚」を紹介します。たっぷりの玉ねぎにはビタミンB1の働きを助けるアリシンという辛味成分が含まれます。玉ねぎはその辛味や食感が苦手というお子さんも多いと思いますが、今の季節に出回る新玉ねぎなら甘みも強く、柔らかく、食べやすいのでおすすめです。味つけのポン酢に含まれる酢酸も疲労回復を促してくれます。

わが家でも忙しかったり、行事が続くようなときは疲れをためないよう、ごはんにあう豚肉料理や、ビタミンB1の多いうなぎのかば焼き、紅鮭、たらこをおにぎりの具にしたり、弁当のおかずに入れたりしています。

お父さん、お母さんも5月病にならないよう、ビタミンB1が多い食材で元気に過ごしましょう!

「和風ポン酢豚」レシピ

(エネルギー 387kcal  塩分1.9g)

《材料》(4人分)

新玉ねぎ 3個(約500g):1個を8等分のくし形に切る
豚肩ロースとんかつ用 大2枚(約360g)
塩、こしょう 各少々
片栗粉 少々
サラダ油・ごま油 各大さじ1と1/2
A(ポン酢しょうゆ 大さじ5、しょうが汁 小さじ2、砂糖 大さじ1と1/2)
絹さや 適量:さっとゆでて斜めに切る

《作り方》

1)豚肉を2㎝幅に切って、塩、こしょうをふって片栗粉をうすくまぶす。

2)フライパンにサラダ油を熱し、1)の両面を中火で焼き、残った油はふきとる。

3)同じフライパンにごま油を熱し、玉ねぎを香ばしく炒め、しんなりしたら2)の豚肉を戻し、Aを回しいれて炒め合わせる。器に盛り、あれば絹さやをちらす。

※絹さやがなければ、いんげんやスナップえんどうでもよい。

牧野直子(まきのなおこ)

牧野直子(まきのなおこ)

牧野直子(まきのなおこ)

管理栄養士、料理研究家、㈲スタジオ食(くう)代表。
大学在学中から栄養指導や教育活動に関わる。メディア(雑誌、書籍、テレビほか)をはじめ、料理教室、講演会、病院や保健センター等で幅広く活動。わかりやすく、実践しやすい指導をモットーに、生活習慣病や肥満の予防・改善のための食生活指導や栄養指導に携わるほか、健康によく、簡単で、おいしい料理の提案を行っている。
著書に「元気塾弁」(女子栄養大学出版部)、「病気にならない新・野菜を食べる健康法」(マガジンハウス)、「2歳からのごはんBOOK」(NHK出版)、「ひと目でわかる料理の手習い帖」(池田書店)など。

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