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旬を味わう「春野菜とフランクフルトのミネストローネ」/元気な子どもが育つ毎日のごはん【第40回】

旬を味わう「春野菜とフランクフルトのミネストローネ」/元気な子どもが育つ毎日のごはん【第40回】

四季のある日本は、春キャベツ、新にんじん、新タマネギなど春野菜、なすやきゅうりなどは夏野菜、秋に出回る生鮭のことを秋鮭、大根やほうれん草は冬野菜など、旬の食材を表すときに季節の名前を入れて呼ぶことがあります。お店のメニューでもそのような表記があると季節を感じられますね。

最近は季節を問わず、食材が手に入るため旬がわかりにくくなっていますので、保護者が意識して旬の食材をメニューにとりいれたいものです。それに、旬の食材は供給が多いため、値段が手ごろなのもうれしいですね。今回のメニューは新にんじん、春キャベツ、新タマネギ、スナップえんどうなど、旬の食材を使っています。「新」や「春」がつく春の野菜は冬が旬の野菜より水分が多く、みずみずしいのでよりおいしくいただけるのが特徴です。ただし、栄養価は季節であまり変化はありません。

にんじんは、そのオレンジ色の色素であるβカロテンが多く含まれます。βカロテンは油脂に溶けて吸収される性質があるため、油を使う料理がおすすめ。炒めたり、ベーコンと組み合わせることは理にかなっています。βカロテンは必要に応じてビタミンAに変わり、眼の機能維持や肌に潤いを与える、のどや鼻の粘膜を丈夫にして風邪を予防する働きなどがあります。

また、キャベツにはビタミンCやカリウムが含まれますが、どちらも水に溶けでる性質があるので、スープにすれば無駄なく補うことができます。ビタミンCは紫外線による日焼け予防の効果が期待できるので、今ごろからしっかりとりたいものです。

ベーコンやフランクフルトは豚肉の加工品なので、疲労回復に働くビタミンB1が豊富。ビタミンB1はたまねぎの辛味成分のアリシンと結合することで、体内で長く働くことができます。

このスープで主菜、副菜を兼ねるので、パンやごはんの主食を添えれば、朝食や休日の昼食におすすめです。多めに作って、残りは翌日カレールウを加えたり、パスタを加えてスープパスタにアレンジするのも良いですね。

●栄養まとめ(春野菜と豚肉)

  • にんじんに多く含まれるβカロテンは、油と組み合わせると良い。
  •  キャベツにはビタミンCやカリウムが含まれる。どちらも水に溶けでる性質があるので、スープにすれば無駄なく補える。
  • ベーコンやフランクフルトは、疲労回復に働くビタミンB1が豊富。たまねぎのアリシンと結合することで、体内で長く働く。

春野菜とフランクフルトのミネストローネ

1人あたり163kcal、塩分1.6g

《材料》(4人分)

新にんじん 4センチ(50g)
春キャベツ 2枚(80g)
新タマネギ 1個(200g)
スナップえんどう 8本(50g)
ミニトマト 4個(70g)
ベーコン 1枚
フランクフルト 2本(100g)
オリーブ油 大さじ1
水 4カップ
顆粒コンソメ 大さじ1/2
塩 小さじ1/3
(好みで)粉チーズ 適量

《作り方》

1)にんじん、キャベツ、たまねぎは、1cm角の薄切り。スナップえんどうは、幅1cm、ミニトマトは半分に切る。ベーコンも幅1cm、フランクフルトは斜めに4等分にする。

2)鍋にオリーブ油、ベーコンを入れて弱火で炒め、ベーコンから脂が出てきたら、野菜をすべて入れて炒める。

3)野菜がしんなりしたら、ふたをして弱火で15分蒸し煮する。

4)15分たったら、3)に水、コンソメを加える。煮立ったらフランクフルトを加え、さらに5分くらい煮て、塩で味をととのえる。

5)器に盛り、好みで粉チーズをふる。

牧野直子(まきのなおこ)

牧野直子(まきのなおこ)

牧野直子(まきのなおこ)

管理栄養士、料理研究家、㈲スタジオ食(くう)代表。
大学在学中から栄養指導や教育活動に関わる。メディア(雑誌、書籍、テレビほか)をはじめ、料理教室、講演会、病院や保健センター等で幅広く活動。わかりやすく、実践しやすい指導をモットーに、生活習慣病や肥満の予防・改善のための食生活指導や栄養指導に携わるほか、健康によく、簡単で、おいしい料理の提案を行っている。
著書に「元気塾弁」(女子栄養大学出版部)、「病気にならない新・野菜を食べる健康法」(マガジンハウス)、「2歳からのごはんBOOK」(NHK出版)、「ひと目でわかる料理の手習い帖」(池田書店)など。

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