スマホを使う小中学生、1日2時間超えのネット利用がじわり増加/データで読み解く、子どもとスマホ【第28回】
前回に引き続き、平成29年「青少年のインターネット利用環境実態調査」の結果をスマホの利用を中心にみていきましょう。
中学生のスマホユーザー、2人に1人が2時間超
今回も、平成29年「青少年のインターネット利用環境実態調査」※1の結果をスマホの利用を中心にみていきましょう。
くわしくみてみると、2~3時間の利用は 22.6% (前年度比 +1.7ポイント)、3~4時間は17.3% (前年度比 +2.3ポイント)と昨年よりも増加しています。
一方、4~5時間は4.9%(前年度比 -0.2ポイント)、5時間以上は7.3%(前年度比 +0.2ポイント)と、超長時間利用の割合はほぼ横ばいです。
ボリュームゾーンである中間層の利用時間の伸びが、全体の平均利用時間を押し上げた結果の5割超えといえます。
小学生もスマホユーザーの4人に1人が2時間超
さて、小学生はどうでしょうか。
小学生でもっとも多いのは、30分未満の24.2% (前年度比 +1.6ポイント)です。ほっとした方もいるかもしれませんが、これで安心してはいけません。小学生のスマホユーザーの利用時間も、長時間化の傾向です。
平日2時間以上の合計は、平成26年は18.4%、平成27年は17.4%と横ばいでしたが、平成28年は24.8%と7.4ポイント伸びました。
小学生のスマホユーザーの4人に1人が、平日2時間以上、スマホでネットを利用しているのです。
数字を減らしているのは、ライトユーザーです。30分~1時間の利用は平成27年の22.3%から18.5%へ、1~2時間の利用が平成27年の29.7%から19.7%へ減少しています。
とくに、1~2時間利用する小学生の割合は昨年度もっとも大きかったのですが、この層がガクンと減りました。
止まらないスマホの長時間化、平日の貴重な時間を浸食
紹介したデータはすべて平日1日あたりにスマホでネットを利用する時間です。
小学生や中学生の場合、学校にいる時間を8時間、睡眠8時間、食事やおふろなどの生活時間を2時間と仮定すると、子どもが自由にできる時間は1日に6時間ほど。
この時間のなかで、友だちと遊んだり、学校の宿題をしたり、明日の学校の準備をしたり、習い事や塾に行ったり、テレビを見たり本を読んだりゲームをしたりしているのですから、けっこう忙しいものです。
その貴重な時間のうちの2時間以上をスマホでのネット利用に費やしている子が相当数いるということです。
ちなみに高校生では、2時間以上の割合が7割を超え、増加の傾向が止まりません。
スマホの利用は、大人でも知らず知らずのうちに長時間化してしまうものです。休みの日などに、この調査結果を家族で話し合ったり、ツールやアプリでスマホの利用時間を確認したりして、生活(とくに睡眠)がスマホに浸食されていないか、チェックしてみてはいかがでしょうか。
次回はさらに、「青少年のインターネット利用環境実態調査」から保護者のデータも含めて読み解いていきます。
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