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ネットとのつきあい方を幼い子に教える/データで読み解く、子どもとスマホ【第33回】

ネットとのつきあい方を幼い子に教える/データで読み解く、子どもとスマホ【第33回】

10歳未満の子どもがネットを使うとき、保護者はどんな取り組みをしているのでしょうか。

ネットをする10歳未満の子どもの8割弱が、ひとりで機器操作することがある

今回は、「低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査」(内閣府)※1をもとに、0歳から9歳の子どもがいる保護者のネットに対する取り組みについてみていきます。

0歳から9歳の子どもは、家庭においてどんな環境でネットをしているのでしょうか。

調査では、いずれかの機器でインターネットを利用している子どものうち、77.5%がひとりで操作することがあるという結果が出ています。ネットをする0から9歳の子どもは、8割弱がひとりで機器操作をすることがあるというわけです。

最も割合が少ない2歳でも、ひとりで操作したことがあるという回答は5割以上。子どもが小さいうちは保護者といっしょにネットをするのが基本ですが、そうもいかない現状が見えてきます。

低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査(平成29年 内閣府)

ひとりで操作する機器は、

  • 携帯ゲーム機(88.4%)
  • 契約が切れたスマホ (86.7%)

が上位。タブレット(78.5%)も存在感を示しています。

さてここで気になるのが、契約が切れたいわゆるお古のスマホです。以前このコーナーで、お古のスマホはフィルタリングの穴になりがちだということをお伝えしました(第15回)。

家にあるお古のスマホは子どもが使っても大丈夫な状態になっているか、いま一度確認してみる慎重さが保護者に求められているように思います。

ネットをする0歳から9歳の子ども、3人に1人がトラブルなどを体験

子どもが経験したトラブルについても調べています。

いずれかの機器でインターネットを使っている子どもにトラブル等の経験があるか保護者に調査したところ、「あてはまるものがある(計)」と回答したのは35.4%。

トラブル等の経験の内訳は、

  • 注意してもインターネットをやめない(24.2%)
  • パスワードを解除した(7.4%)

が上位です。

注意してもネットをやめないのは子どもの行動としてなんとなく想像がつきますが、パスワードを解除するとは、なかなかのICTスキルです。3歳でも8.6%が解除したことがあると回答しています。以前フィルタリングソフトの会社にヒアリングしたときに、小さな子どもでも大人の指の動きをおぼえてしまうことがあると聞きました。子どもの集中力はあなどれません。

末恐ろしいように感じますが、子どもが保護者のセキュリティ意識に対して警告を発しているととらえることもできます。

保護者は、定期的にパスワードを変える、長いパスワードにする、入力するところを見られないようにするといった対応をしていきましょう。

低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査(平成29年 内閣府)

ネットのルールを決めている保護者は9割弱、しかし……

最後に、インターネットの使い方のルールについてみていきましょう。

0歳から9歳の子どもがインターネットを利用するときに、「ルールを決めている」と回答した保護者の合計は、88.8%。

約9割の保護者がネットのルールを意識した行動をしています。

ルールの内訳は

  • 利用する時間を決めている (60.4%)
  • 利用する場所を決めている(56.1%)

が上位です。

しかし、今回でお伝えしたことと合わせて考えると、少し困った状況が見えてきます。

ネットをする0歳から9歳の子どもは、

  • 利用する場所を決めていても、4人に3人はひとりでネット機器を操作したことがある。
  • 利用する時間を決めていても、4人に1人は注意してもインターネットをやめないことがある。

こうなってくると保護者と子どものガマンくらべの様相ですね。

インターネットに人生の早いタイミングで接することになる現代の子どもたちは、家庭で生活習慣を確立する段階から、ネットやネット機器とつきあっていくことになります。ごく低年齢の子どもがネットをするようになったのはつい最近のことで、これが正解、という道筋はまだ確立されていません。

でも、正しいとされる方法が確立されるまでの間にも、子どもはどんどん育っていきます。保護者は、ネットとのつきあい方を教えることは子育ての範囲と覚悟を決めましょう。そして、セキュリティに十分注意しつつ「家庭のルール」をねばり強く子どもと共有していきましょう。

※1
低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査(内閣府)

 
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渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)

渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)

渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)

株式会社コドモット代表取締役社長。
NTT在籍時代の2001年、子ども向けポータルサイト「キッズgoo」を立ち上げ、同サイトでデジタルコンテンツグランプリ・エデュテイメント賞受賞。独立後は小学生向けのコンテンツを中心に、企業の子ども向けWebサイトや公共団体の子ども向けツールなどの企画制作を数多く手がける。一男一女の母。

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