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コミュニティサイトがきっかけの被害児童数、過去最多に/データで読み解く、子どもとスマホ【第34回】

コミュニティサイトがきっかけの被害児童数、過去最多に/データで読み解く、子どもとスマホ【第34回】

警察庁の統計から、コミュニティサービスをきっかけにした子どもの犯罪被害について、最新版の情報を読み解きます。

コミュニティサイト起因の被害児童数、8年で2.2倍に

このコーナーの11回と12回で、18歳未満の児童の犯罪被害についてお伝えしました。

今回と次回は、2017年4月に発表された「平成28年におけるコミュニティサイト等に起因する事犯の現状と対策について」(警察庁)※1から、気になる点をピックアップして紹介していきます。

警察庁から定期的に発表されているこの統計、平成28年よりタイトルから「出会い系サイト」の文字が消えました。平成20年の出会い系サイト規制法の改正以降、出会い系サイトを起因とした被害児童は年々減少しており、平成28年では年間42人にまで減っています。

対照的に大きく数を増やしたのがコミュニティサイトをきっかけとした被害児童数で、平成28年は1,736人と過去最多を更新しました。

出会い系サイト規制法改正があった平成20年と比較すると、出会い系サイトでの被害が3%ほどに激減したの対し、コミュニティサイトでの被害は2.2倍に増えてしまっています。

平成28年におけるコミュニティサイト等に起因する事犯の現状と対策について(警察庁)より作成

年齢別に見てみると、16歳と17歳の合計で被害児童の約5割となっています。14歳以下、つまり中学生以下の被害児童も3割強いることがわかります。

平成28年におけるコミュニティサイト等に起因する事犯の現状と対策について(警察庁)

ふつうのSNSサービスが被害のきっかけに

平成28年におけるコミュニティサイト等に起因する事犯の現状と対策について(警察庁)

子どもたちは、どんなサービスをきっかけにして犯罪被害にあっているのでしょうか。

いままで犯罪被害のきっかけとなったサービスで最も多かったのは、SNSのIDを交換して見知らぬ相手と交流する「ID、QRコード交換系」、面識のない利用者同士がチャットにより交流する「チャット系」でした。

いずれも、出会いを目的として意図的に使うサービスといえるでしょう。

しかし今回、犯罪被害のきっかけとして最多だったのは「複数交流系」。Twitter、LINE、Facebookなど、情報受発信や複数の友人等と交流するときに使われる、おなじみのSNSが犯罪被害の入り口になっていました

ふつうのSNSがきっかけの犯罪被害は平成27年の1.5倍以上と急増しており、とくにTwitterでの被害児童数は約2倍に増加。全被害児童のうち、4人に1人がTwitterにおける被害となっています。

犯罪被害の入り口が、特別なアプリからふつうのSNSに変わったことは、とても困ったことです。いまや子どもたちがコミュニケーションに使う手段の一番手はSNS。最も身近なコミュニケーションサービスを子どもたちからひき離すのは非常に困難だからです。

保護者は、コミュニティサイトでの被害やトラブルの実態について知ったうえで、フィルタリングや子どものSNS利用の見守りなどの取り組みをしていていくことが求められています。

自画撮りによる被害が増えている

さて、子どもたちはどんな犯罪被害にあってしまっているのでしょうか。

内容を見てみると、殺人や誘拐などの重要犯罪の被害は横ばいですが、児童ポルノ、児童買春の被害が急激に伸びています。※2

とくに児童ポルノでは、自画撮りの被害が増えていると報告されています。自画撮りとは、相手に要求されるがまま自分の性的な写真を自分で撮り、相手に送ってしまうこと。スマホがあれば簡単にできてしまいますが、一度送ってしまったらその画像を回収することは事実上不可能です。ネットに出回ったり、脅迫に使われたりしたら一生消えない傷となります。

最初はたわいない画像のやりとりだったけれど、だんだんと相手の要求がエスカレートして、最終的に性的な写真を送らされるケースも発生しています。

警察庁が児童と保護者に向けて発表した資料によると※3、おもしろ半分で友だちとのLINEグループに知らない大人を招待し、結果としてグループ内の友だちがその大人に裸の写真を送らされるといったやりくちも発生しているとのこと。

いまや情報インフラ化した感さえあるSNSですが、便利なだけでなく、子どもをおびやかす犯罪者とも簡単につながってしまう一面もあるということを、保護者は再認識しましょう。

 

次回に続きます。

※1
平成28年におけるコミュニティサイト等に起因する事犯の現状と対策について(警察庁)
https://www.npa.go.jp/cyber/

 

※2
平成28年におけるコミュニティサイト等に起因する事犯の現状と対策について(警察庁)参考資料
https://www.npa.go.jp/cyber/statics/h28/h28_community_sankou.pdf

 

※3
コミュニティサイトでの児童被害に注意!(警察庁)
http://www.npa.go.jp/cyber/pdf/caution201707.pdf

 
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渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)

渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)

渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)

株式会社コドモット代表取締役社長。
NTT在籍時代の2001年、子ども向けポータルサイト「キッズgoo」を立ち上げ、同サイトでデジタルコンテンツグランプリ・エデュテイメント賞受賞。独立後は小学生向けのコンテンツを中心に、企業の子ども向けWebサイトや公共団体の子ども向けツールなどの企画制作を数多く手がける。一男一女の母。

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