中・高の「地理」「地理総合」の授業にAR技術を使った地球儀「ほぼ日のアースボール」を取り入れた実践例【女子美術大学付属高等学校・中学校】第5回
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スマホやタブレットをかざすとさまざまな情報がとびだす地球儀「ほぼ日のアースボール」。日本で唯一という「美術大学の付属校」女子美術大学付属高等学校・中学校では、「地理」や「地理総合」の授業でこの地球儀を使っています。
生徒自身でアースボールのコンテンツのアイデアからデザイン、実装するまでを具体的に考えていく授業を行っているそうで、どんなふうに授業を進めているのか、地球儀の活用法や授業の実践例を5回に分けてご紹介します。第5回目の今回は、アースボールの新しくなったアプリについてのお話です。
※この記事は、「ほぼ日」の連載記事をキッズネット用に一部変更して転載しています。
人物紹介

話し手=近藤先生
女子美術大学付属高等学校・中学校 教諭。中学校社会科および高等学校地理を19年間担当。専門は教育地理・開発教育実践。「ほぼ日のアースボール」をファーストモデル(ビーチボールタイプ)の頃から授業に使用。

聞き手=松田さん
2023年9月より「ほぼ日」乗組員。「ほぼ日のアースボール」担当者で、アプリの企画開発などに携わる。今回、教育現場でのアースボールの活用法を研究すべく「ハカセ」に扮し学校を訪問、インタビューを行う。
時代に合わせて、ほぼ日のアースボールのアプリが進化
AR機能がさらに強化された新アプリ「HOBONICHI GLOBE」
松田さん:アースボールが大活用されていて嬉しくなっていますが、1つご共有が。授業で使っていただいているアプリは、旧アプリって呼んでいるんですけど……、サポート終了なんです。(注:2025年12月末サポート終了)
近藤先生:えっ、うそっ!

松田さん:開発から10年近くが経って、アプリを動かすデバイス側のOSが、予想以上のスピードで進化していることもあり、原因不明の不具合も起きはじめている状況でした。また、新しいコンテンツ開発や、いまの時代にあった表現を実現させるには、少々スペックが物足りなくなっていました。
近藤先生:どうなるんですか?
松田さん:旧アプリ自体は、新規でダウンロードができなくなります。すでにダウンロードされている場合、そのまま使うことはできるのですが、すでにサポートが終了しているアプリなので、不具合が起きて使えなくなる可能性があります。
近藤先生:それは大変だ。あー、残念。でも、新アプリがあると……?
松田さん:はい、新アプリの「Hobonichi Globe(ホボニチ・グローブ)」を、入れていただければと思うんです。

松田さん:旧アプリとはだいぶ変わっているので、たぶん次の授業内容も変わっちゃうんじゃないかなって考えています。公式ウェブサイトからもダウンロードを行っていただけます。
近藤先生:これですか。(ダウンロード・インストールして)……あ、全然違うじゃないですか!
松田さん:少し体験してみていただけますか。ほぼ日のアースボール本体自体は、これまでと同じものが使えます。読み取れましたかね。
近藤先生:かっこよくなってる。すごい、風のアイコンもある。これ、ひまわりとかの衛星からの情報が届くってことですか?(注:リアルタイムの地球のようすが見られる「今の地球」というコンテンツ)

松田さん:天気予報サービスなどを提供している、ウェザーニューズさんのデータを使ってます。
近藤先生:なるほど! 右端をタップすると、ライブカメラとリンクして……「今の地球」は理科の授業で活用できそうですね。
飛び出す実物大恐竜で好奇心を刺激
松田さん:tupera tupera(ツペラツペラ)さんというデザイナー・絵本作家さんに作っていただいたピンク色のキャラクターが飛び込んで来たりもします。
恐竜のモードを選んでいただくと、旧アプリとの違いがわかりやすいと思うので、選んでいただいてもいいですか。
近藤先生:はい、「恐竜コレクター」ですね。おおー。
松田さん:ARの地球上に立体的に恐竜が表示されていると思うんですけど、その恐竜をタップしていただくと、飛び出るんです。
近藤先生:わ、すごい。あっ、一緒に写真撮れたりする。えー、かわいい。あ、でっかくなった。
松田さん:飛び出た恐竜は、リアルサイズ、実物大にもなるんです。AR体験をより楽しめる仕掛けが増えているのが新しいアプリの特徴ですね。

教育現場での活用法とは?
オンラインで“今”の情報がわかる強み
近藤先生:なるほど……これに合わせたアプリケーションを授業で考えることはできそうですね。「ワールド・パラメータ」はインフォグラフィックスみたい。なるほど、たしかに面白いですね。また全然違うものになっているので。
松田さん:はい、違う面白さにはなっているとは思います。今後は、アースボールを使ってARの楽しさをもっと広げられるよう、新しいモードなどを増やしていく予定です。

近藤先生:この仕組みに今の子はびっくりするんです。「あ、ダウンロードが必要なんですね」みたいなことを言われて。要はオンラインで繋がっていて、今のデータをリアルタイムで取得していくんだっていう驚き。
松田さん:たぶん、アプリって最初にまとめてダウンロードするもんだって思われてるんですね。
近藤先生:ずいぶん変わったので、ほぼ日さんにアイデアを提案するには、まだちょっと時間がかかるかな。
中1の「調べ学習」で利用
松田さん:「こんな仕組みがあったらもっと授業に使いやすいのに」みたいなことって、思いつかれますか?
近藤先生:そうですね……緯度と経度、緯線・経線の話とか、学習指導要領で内容が決まってるものがあるじゃないですか。社会科の先生たちにとっては、それに沿ってコンテンツがあるとたぶんすごく使いやすいだろうな、とは思います。
松田さん:そうですよね。単元に沿ったほうが学校で使いやすいのは、もちろんわかるんですけど、そうではない使い方もしてもらいたいと思っています。教科にとらわれずコンテンツを示せるのが、ほぼ日のアースボールの理念でもあり、良いところの1つなので。
近藤先生:私は毎年、地理しか教えないんです。だから授業をブラッシュアップしていくことができる。それはでも、教員っていう全体数から見たら、すごく恵まれていて。
社会科の先生だったらいろんな科目を教えるっていうのが、当たり前のことなんですよね。公立の中学校だったら、さらに当たり前だと思います。
そういう方たちが、発展的な内容っていうか、そんなに時間をかけずに生徒たちが主体的に取り組めるものがあると面白いのかなあって思いますね。
地理では、どこの学校さんでも中学1年生で調べ学習を絶対させると思うんです。そうなったときに使ってもらえるといいのかな。たぶん今ほとんどの学校さんがデバイスは持っていらっしゃるので。

松田さん:デバイスは多いですよね。ただiPadは、意外と少ないです。Chromebookが多かったり。そして、新しいHobonichi GlobeアプリはChromebookには残念ながら対応が難しくて。
近藤先生:そうなんですね。まあ地球儀は公立でも私立でも、どこの学校さんも絶対に持っていらっしゃるものですから。でも教科書の内容に必ずしも沿わないとなると、理科のほうが、取り入れやすいのかな、どうなのかな。
松田さん:社会科のほうが、使われている先生は多いと思いますね。やっぱり小学校で最初に社会で「世界」が出てくるので。
ぼくらとしては、教科横断的にアースボールを使っていただくっていうのが嬉しいことではあって。そういう意味では、この近藤さんの地理総合の授業は、まさに「こういう使われ方したいんだよなぁ」というものでした。ありがとうございます。
学校見学の様子
第1回 「ほぼ日のアースボール」を授業で使うようになったきっかけ
第2回 高3「地理総合」で生徒たちがアプリ用のコンテンツを考案
第3回 テーマ選びとコンテンツ制作の課題授業で養われる“力”
第4回 アナログをいかしたアプリのプレゼンと“指導ポイント”
ほぼ日のアースボール
AR技術を活用し、スマートフォンやタブレットをかざすことでさまざまな情報を知ることができる地球儀です。衛星データをもとに、最新の雲や雨量、気温、風の動きなどがダイナミックに浮かび上がり、子どもたちの興味を引きだす学習ツールとして期待されています。国境や国名の記載がない直径15cmサイズのモデルと、世界の国々がカラフルに色分けされた直径20cmのモデルがあり、どちらも本体に軸やアームがなく、地球そのままの姿を知る・楽しめる地球儀となっています。

「ほぼ日のアースボール」チームでは、アースボール(新旧モデル問わず)を教育に使ってくださっている方や、興味はあるけれどどう使ってよいか分からない方からのご連絡をお待ちしています。ぜひみなさんのお声をお聞かせください。
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