Case 48 新しいSNS、新しい機能／わが家のSNSトラブル　～ユカの事件簿～

いま人気のSNSはなんでしょう

「イマドキの高校生に人気のSNSは？」というテーマのネット記事によると、どうやら高校生や大学生にちかごろ人気のSNS機能は、Instagramのストーリーのようです。
投稿画像が24時間で自動的に消えてしまうストーリーは、投稿する側は消えるという気楽さ、見る側はイイネをつける機能がない気楽さで、人気が急上昇しています。

……と記事には書いてありましたが、娘のユカ（大学生）に聞くと、ストーリーはとくに好きではないそうです。どんなSNSを好むかは個人差が大きいし、まわりが何をやっているかでも変わってきます。

いま、自分のお子さんはどのSNSが好きで、何種類のSNSを利用しているか、ご存知でしょうか?　よく使わないものも含めると、親ごさんが知らない新しいSNSもあるのではないかと思います。ユカは一時期「Mastodon」（マストドン）というSNSをやっていましたが、どんなものなのかわたしはいまだに知りません。

学生でも1年の差でおいてきぼり

そんなユカがおいてきぼりになった流行がありました。

ユカはサークル仲間との連絡にグループLINEを使っています。各自のとったサークルイベントの写真も、グループLINEにそれぞれアップして共有しています。ところが、サークルの1学年下のメンバーは、LINEのグループと並行して、そのころ話題になっていたSnapchatも始めたのです。

Snapchatは、画像・動画を送信できるメッセージアプリで、相手がメッセージを開くと画像を見ることができ、10秒で消えてしまうという特徴があります。米国では「十代の好きなSNS」で1位になったこともあるアプリです。

ユカは下の代がSnapchatでやりとりしていることは知っていましたが、アプリを入れるのに乗りおくれてしまいました。そして学園祭の写真を共有するのにSnapchatが使われたので、ユカは下の代が撮った写真を見られなかったそうです。ユカと同じ学年の友だちも同じような状況でした。

「ねえヒドいと思わない？」とユカは憤慨していますが、わたしはそれを聞いて、たった1学年の差なのに流行についていけない古い人扱いされているのかなあ、と笑ってしまいました。

そのあと日本でSnapchatが大流行したようすはなく、似た機能が追加されたInstagramが人気です。ひょっとするとユカの1年下の代は、いまごろさらに下の代から古い人扱いされていたりして……。

変化しない安全の原則

SNSのはやりすたりは速すぎて、具体的な安全マニュアルを作ってもすぐ時代遅れになるでしょう。でもSNSで身の安全を守る原則に大きな変化はありません。

たとえば、

• 住所・名前などの個人情報、学校名が特定できるような情報を公開しない
  
• ネット上でしか知らない相手に、不用意に会ったりしない
• リアルに知っている親しい相手でも、きわどい姿の画像を撮らせない・送らない
• 場所が特定されるような画像や自撮りの写真の公開は、よく考えてから行なう

といったことは、どんなSNSを使うときにも必要となる、自分を守るための基本行動です。

子どもたちは新しいSNSや機能をいち早く取り入れ、楽しんでいくものです。だからといってすべてのSNSの新機能を親が把握するのは、あまり現実的なことではありません。ですから、新機能を使いはじめるとき子どもが自分自身で危険性を判断できるように、ご家庭で何度でも安全の原則について話し合ったり、確認したりしてもらいたいと思います。

ところで、冒頭で紹介したInstagramのストーリーには足あと（投稿を見た人の記録）が残るそうです。お子さんのInstagramをナイショでチェックしているかたは、ストーリーを見るとバレてしまうのでご注意を。SNS機能の進化の影響は、投稿する側だけでなく、見ているだけの人も無縁ではいられません！