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夏休みを生かして自立への一歩を/くやまない、悩まない、自分を責めない――心がラクになるアドラー流子育て【第17回】

夏休みを生かして自立への一歩を/くやまない、悩まない、自分を責めない――心がラクになるアドラー流子育て【第17回】

子どもたちが楽しみにしていた夏休みが始まりましが、子どもたちとは逆で「夏休みはちょっと憂うつ」と思っている保護者の方も、かなりいらっしゃるとか・・・。

夏休みが始まって

いよいよ、子どもたちが楽しみにしていた夏休みが始まりました。
保護者のみなさんにとってはいかがでしょうか?
子どもたちとは逆で「夏休みはちょっと憂うつ」と思っている保護者の方も、かなりいらっしゃるとか・・・。

そう言っているわたしも、かつてはそのひとりでした。
いろいろな憂うつがある中で、一番の憂うつは、子どもたちのお昼ご飯を毎日作らなければならないこと。(こんなことを書いてしまうと、一部の教育関係者の方からお叱りを受けてしまうかもしれませんが)

食事を作っては片付け、また作っては片付け、という日々に、かつてのわたしはとてもうんざりしていたものです。ちなみに、料理を作ることは、決して嫌いではないのですが・・・。

毎日のメニューにも困っていました。簡単にできる「そうめん」ばかり作っていたような記憶があります。そして、当然ながら、毎日同じものを食べなければいけない子どもたちからクレームがつくという結果に。
今思うと、もうちょっとなんとかしてあげられなかったものか、そうめんをつけるつゆの味を変えるぐらいはできたのかもとも思ったりするのですが、当時はそれが精一杯でした。

昨今は、子どもの学年が上がって来ると、コンビニやファミリーレストランを上手に利用しているといった話も聞きます。ですが、低学年で、まだ学童保育に通っている場合などは、お弁当を持参するケースも多いので、やはり保護者には多かれ少なかれ負担がかかっているようです。

食事は毎日のことですので、保護者のご苦労は、身にしみてよくわかりますが、夏休みを有意義に過ごしていただくため、ここで一つ提案があります。

自分のことは自分でできるように

アドラー流の子育ては、子どもたちを自立させることに力を注ぎます。
夏休みのように長期にわたって子どもが家庭にいる、この貴重な時間を大いに活用し自立的な活動を心がけてみましょう。

例えば、日ごろはなかなか取り組ませることの難しい食事作りですが、たくさん時間がある夏休みに、少しずつやってみるというのはいかがでしょうか。お子さんの年齢にもよりますが、小さいうちから少しずつ意識しておくと、抵抗なく取り組むことができるでしょう。

たとえば、ホットプレートを使ってホットケーキや焼きそばなどを、はじめは家族でいっしょに作ってみる。そして、慣れてきたら、じょじょに役割を増やしてみて、最後は自分だけで作れるようにする。少しずつでも、そんな小さなことにチャレンジさせてあげてください。

子どもは本来、好奇心がたくさんあって、何にでも興味を示し「やってみたい」という気持ちがあります。一方保護者は、時間がかかることや、失敗すること、危険であることを気にしてしまい、本当はやらせてあげたいという気持ちがありながらも、踏み出せないというケースが少なくないようです。

やらせてみた結果、そのあと始末が大変になり、かえって面倒になることを心配してしまい、やらせることができないという話も聞きます。

でも、せっかくの夏休みです。多少面倒になることは覚悟して、お子さんにチャレンジさせてあげましょう。そのようなことの積み重ねが「自分にもできる!」という感覚を持たせることにつながります。

経験がないのですから、最初からうまくできないのは当たり前。失敗してもいいんです。自ら取り組もうとしたその姿勢を親が認め、見守り、静かに励ますことで、子どもは「頑張ったら自分でできる」ことを体感していきます。

やらせてみなければ、できるようにはならない

「やってみたい」と言った時がチャンス! とはいうものの、そのタイミングを親が逃したばかりに、そのあとは子どもが面倒になってやらなくなってしまった、という話もよく聞きます。

そのときは、せっかくの子どもの成長の機会を奪ってしまったことになるかもしれません。でも、そんな場合でも大丈夫。決して遅過ぎるということはありません。

まだ早いかな、ちょっと危ないかも・・・と思ったことでも、本人がやってみたいと言い出したことは、しっかり話をした上で、ぜひやらせてあげてください。

アドラー流子育ては、放任ではなく、過保護でもありません。自分の人生は自分で切り拓くことができるよう、援助する子育てです。失敗をしながら身をもって学んでいくことが、本当の学びになると考えるのです。

やらせてみなければ、できるようにはなりません。

もしも、最初は完璧にできなかったとしても
「できたね! お母さんも、○○ちゃんといっしょに作れてうれしい」
「今度は一人で作れるかもね、楽しみにしているね」
など、ぜひ勇気づけの言葉をかけてあげてくださいね。

繰り返しやっているうちに、必ず上手にできる日が来ます。それがきっかけで、他のさまざまなことにもチャレンジできる子になっていくでしょう。

夏休みが終わるころ、ひと回りもふた回りも成長した子どもの姿が、きっと今まで以上に頼もしく感じられることでしょう。

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松井美香(まついみか)

松井美香(まついみか)

松井美香(まついみか)

東京音楽大学ピアノ専攻卒業。「勇気づけの音楽家」。大学卒業後約10年間公立中学校に勤務。その頃偶然、教員研修でアドラー心理学に出会い、岩井俊憲氏の元で学び約25年が経過。自身のピアノ教室や子育てにおいてアドラー心理学を実践する中、子どもたちが音楽や部活動を続けながらも有名大学に続々と合格し夢を叶えている。長男(21歳)と双子(18歳)三人の男子の母。現在、保護者や音楽指導者に向け、執筆やセミナーを通して「勇気づけの指導法」を広める活動をしている。

*学研「おんがく通信」にて、コラム「勇気づけのピアノレッスン」連載中

*学研プラス出版「あなたの想いが届く愛のピアノレッスン」にて、手記「ある教室のささやかなサクセスストーリー」を執筆

松井美香公式ホームページ:

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