保護者のスマホの利用も増加中/データで読み解く、子どもとスマホ【第29回】
小学生・中学生の子どもがいる保護者のスマホの使い方、どのようになっているのでしょうか。
保護者の8割がスマホでネットをしている
「青少年のインターネット利用環境実態調査」※1では、子どもだけではなく、小学生・中学生・高校生の保護者のネット利用状況についても調べています。今回は、保護者に関連する調査結果についてみていきましょう。
調査によれば、保護者の94.2%が、いずれかの機器でインターネットを利用しています。どんな機器でネットを利用しているのか内訳をみてみると、1位はスマホで80.1%、次いでノートパソコンの44.6%、タブレットの25.7%となっています。※2
なかでも、スマホ利用の伸びが目立ちます。
スマホ、格安スマホ、携帯電話の契約が切れたスマホ※3のいずれかでネットを使っている割合は83.9%。この項目を調べはじめた平成26年度と比べ、14.8ポイント増えています。
保護者のネット利用時間、1日あたり平均133分
保護者の1日あたりのネット利用時間は平均約133分。 昨年度より13分増えています。2時間以上利用する人の割合は40.8%で、こちらも昨年度より4.5ポイント増えています。
保護者のネット利用も長時間化していることがわかります。
利用時間については、子どもと大人で、少し傾向が異なっています。
保護者の調査結果をみると、ネット利用機器全体での平均利用時間は132.6分、スマホでは96.1分と30分以上スマホの利用時間が短くなっています。保護者世代では、ノートパソコンやタブレットによるネット利用の割合が子どもに比べて大きいことによるものです。
一方、子どもの調査結果をみると、ネット利用機器全体での平均利用時間は154.3分、スマホでは145.8分とその差は10分ほど。子どものネット利用は、スマホに偏っていることがわかります。
30代の保護者、1日のネット利用時間は約2時間30分、スマホが9割
次に、保護者の利用状況を年齢層別にみていきましょう。
まずインターネットの利用時間について。子どもは、年齢があがるにつれてネットの利用時間が長くなりますが、保護者ではどうでしょうか。
平均利用時間でみると、もっとも長いのは30~34歳で168.8時間と3時間をこえており、2位は35~39歳の147.1分です。
30代全体でみると、1日のネット利用時間は平均2時間30分。これは中学3年生・高校1年生の平均利用時間と近く、子どもの“スマホづけ”をしかれない状況になっています。
なお、30代の次に多いのは50代の保護者で、グラフがM字型になっているところが子どもとちがっていますね。
さて、保護者の年代別にみるスマホの利用状況はどのようになっているでしょうか。
こちらは、年齢が低い保護者ほどスマホによるネット利用が多く、30代の保護者では9割以上がスマホでネットを利用しています。
ちなみに子どもの調査結果をみると、13歳以上の年齢では、スマホでネットをする割合がもっとも多くなっています。
中学生以上の子どもおよび全世代の保護者は、ネットをするときにスマホを使う割合がもっとも多いということを、ぜひ知っておいてください。
- ※1
- 平成28年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 (内閣府)
- ※2
- ここでいうスマホとは、携帯キャリアが提供するスマートフォンのこと
- ※3
- 「スマートフォン(計)」は、「スマートフォン」、「いわゆる格安スマートフォン」、「携帯電話の契約が切れたスマートフォン」のいずれかを利用すると回答した保護者。
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